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移植を予定しない再発・難治性ALL症例におけるベスポンサ治療 PDFダウンロードはこちら べスポンサの適応症は、再発又は難治性のCD22陽性の急性リンパ性白血病です。

紹介した症例は臨床症例の一部を紹介したもので、全ての症例が同様な結果を示すわけではありません。

「警告・禁忌を含む注意事項等情報」等は、電子添文をご参照ください。

近畿大学奈良病院におけるALL治療戦略

当院は主に奈良県北部の患者さんが受診する地域に根付いた病院である。当科の新規ALL患者は年間6例程度であり、地域柄、造血幹細胞移植(HSCT)非適応となる高齢の患者さんが多い。
初発ALLに対する治療は、日本成人白血病治療共同研究グループ(JALSG)のプロトコールに則って行っている。 HSCTの適応はリスクファクターに基づいて判断し、主にハイリスク例に対して実施し、AYA世代にはできるだけ実施しない方針である。
再発・難治性ALLに対しては、臨床試験成績と使用経験に基づく有効性や安全性、使いやすさの観点からベスポンサなどの抗体薬による治療を選択する機会が増えている。高齢者などのHSCT非適応例やHSCTを望まない再発・難治性ALL症例に対しては、患者さんの話をよく聞き、相談しながら、患者さんの希望に沿える治療を目指している。高齢患者さんでは入院を嫌う場合が多いため、なるべく入退院をさせないQOLを重視した治療を選択している。今回は移植を予定しない再発・難治性ALLにおいてベスポンサ治療を実施した症例を紹介する。

 CASE1  ベスポンサで寛解達成後、外来での管理を長期に継続している症例患者背景と治療経過

1例目は、70代のPh染色体陽性再発ALL患者(男性)である(図1)。20XX年x月に発熱を認め近医を受診し、血液検査で白血球高値を認めた。同年x+1月に精査加療目的で当科を紹介受診となり、Ph染色体陽性ALLと診断された。患者本人が高齢であることなどを理由に、強力な治療ではなく、内服薬による外来治療を希望したため、チロシンキナーゼ阻害剤(TKI)とプレドニゾロン(PSL)のみによる治療を選択した。x+8月に再発し、T315I変異を認めたため、 TKIを切り替えTKIの単剤治療を開始したが、x+13月に2度目の再発となった。E255K変異、F359V変異も認めたため、TKIを選択できなくなったが、本人はなるべく負担の少ない、自宅から通院して行える治療を強く希望し、化学療法を希望しなかった。

  図1   症例1の臨床経過 ベスポンサ投与後の治療経過

本症例はフローサイトメトリーでCD22陽性(40.3%)であったことからベスポンサ治療を行った。入院下でベスポンサ治療を開始したところ、投与1サイクル目で寛解を達成した。白血球は初回投与後に2000/μL程度にまで低下したが、速やかに回復したため、2サイクル目からは外来に移行した。3サイクル目に、正常値の範囲内ではあるものの、ビリルビン値が上昇傾向にあったため、4サイクル目以降を中止した。本症例は20XX+3年+4月時点で寛解を維持している。
本症例は初発時から化学療法による治療がなかったにもかかわらず、TKI治療後の再発に対して、3サイクルのベスポンサ治療のみで3年超の寛解を得られている。入院期間もベスポンサ1サイクル目の1ヵ月間程度であり、ベスポンサ治療中に注意していた骨髄抑制についても大きな変化はみられなかった。なるべく負担の少ない、自宅から通院して行える治療という患者さんの希望に極力沿えた好例であると考える。

 CASE2  投与1サイクル目で寛解達成し、髄外病変(肝病変)も消失した難治症例患者背景と治療経過

2例目は、60代後半のPh染色体陰性難治性ALL患者(男性)である(図2)。20XX年x月、倦怠感を主訴として近医を受診し、血液検査から急性白血病が疑われたため、当科を紹介受診となった。骨髄検査からPh染色体陰性ALLと診断し、同年x+1月からJALSG ALL-Oプロトコールによる初回寛解導入療法を実施したがALLの肝浸潤を認め、非寛解となった。

  図2   症例2の臨床経過 ベスポンサ投与後の治療経過

患者本人が移植を希望せず、かつCD22陽性(84.8%)であったことから、同年x+2月より救援療法としてベスポンサ投与を開始した。入院下でベスポンサ治療を開始したが、投与1サイクル目で寛解を達成し、血球数や肝機能検査値に大きな変動がみられなかったため、2サイクル目から外来治療に移行した。経過は良好で、肝病変も消失したが、3サイクル終了後に白血球数の減少とCRP高値を認めた。その後、骨髄芽球割合が86.7%となり、再発を認めた。この時点でCD22抗原の発現は18.2%にまで低下していた。
本症例は初回寛解導入療法後に肝浸潤を認めた難治例であったが、ベスポンサ治療により1サイクルで寛解と、2サイクル終了後に肝病変の消失が得られた。骨髄抑制は注意すべき副作用である一方、再発による造血不全の可能性も考えられるので、臨床検査値の推移は注意深く観察すべきである。また、後続の治療選択のためにも、治療再発時には標的抗原の発現量を確認する必要がある。

 CASE3  投与1サイクル目で寛解達成し、5サイクル目初回投与までベスポンサ治療を継続した症例患者背景と治療経過

3例目は、70代のPh染色体陽性再発ALL患者(女性)である。狭心症で近医通院中の20XX年x月に発熱を認め、内服加療を受けるものの改善しなかった。血液検査を行ったところ末梢血芽球割合が80%であったため、同年x+1月に当科に紹介受診となった。当科の検査で末梢血白血球数43,100/μL、骨髄芽球割合91%であった。Ph染色体陽性ALLと診断し、TKIとプレドニゾロン(PSL)による寛解導入療法を開始した。下痢・食思不振などの消化器症状のため、減量・中断・再開を繰り返しながらの治療となったが、寛解を達成した。同年x+3月からTKIと化学療法による強化地固め療法を開始したが、消化器症状が強く、同年x+5月から2剤目のTKIに切り替えた。同年x+8月に網膜静脈閉塞症を併発したためTKIを中止し、同時に再発とE255K変異、T315I変異を認めた。

ベスポンサ投与後の治療経過

本症例は付加的な染色体異常も多いことから予後不良が予想されたが、CD22陽性(57%)であったためベスポンサを選択した。本症例も入院下でベスポンサ治療を開始し、投与1サイクル目で寛解を達成したため、2サイクル目から外来治療に移行した。5サイクル目の初回投与後にビリルビン値に上昇傾向を認めたため、その時点でベスポンサ治療を中止した。その後、再寛解達成から約1年間、寛解を維持した。
本症例も1例目と同様、TKIの選択肢がなくなった状態でのベスポンサ治療への切り替えであったが、1サイクル目で寛解を達成し、1年間寛解を維持することができた。VOD/SOSは非移植例においても注意すべき副作用であるため、寛解を達成している状態では、肝機能検査値に応じて、治療の中止を検討することも重要である。

移植を予定しない再発・難治性ALL治療におけるベスポンサの活用と外来治療のポイント移植を予定しない場合の薬剤選択で特に意識していること

当科ではエビデンスに基づいた医療に加えて、患者さんの希望を考慮した医療を心がけている。患者さんの話を聞くと、1日でも早く家に帰ることを希望されることが多い。また、自宅で日常生活を送ることでPerformance Statusの維持にもつながる。患者さんのQOL維持を考慮し極力行動制限が少ない治療を検討する際、腫瘍細胞への選択性1)が高く、標準療法と比べて完全寛解率が高く2)、外来での治療が可能なベスポンサは、有用な選択肢の1つであると考えている。

外来治療を検討できる患者/外来治療で特に注意すること

当科では骨髄抑制や腫瘍崩壊症候群が発現する可能性を考慮し、ベスポンサ治療の1サイクル目は入院下で行い、その後は寛解を達成し、かつ造血機能が回復していた場合には外来治療に移行している(ベスポンサ投与時はinfusion reaction対策としてロキソプロフェンおよびd-クロルフェニラミンを事前投与する)。投与の継続については、寛解を得られている状態でビリルビン値の変動に注意し、上昇を認めた場合はベスポンサの中止を考慮している。

外来で治療する際の患者指導

外来治療では、副作用管理やQOL維持のためにも患者自身で積極的に自己管理してくれるように患者さんの意識を変えることが重要である。外来治療へ移行した際に特に懸念されるのは骨髄抑制であるため、口腔ケアや手洗い、うがい、マスク着用、人の多いところへは行かないといった感染症対策を指導している。加えて、黄疸、痺れ、発熱、皮膚症状、リンパ節の腫れなど、患者さん自身がチェックできる症状を事前に伝えておく。チェックすべきポイントを明確に説明することで、わずかな違和感でもすぐに受診しようという意識になることがある。1週間に1回の通院時には、患者さんから自発的に症状を申告してもらえるため、診察がスムーズに進み、医療者側にも管理が容易になるというメリットがあると考える。

社内資料: 薬効薬理試験(in vitro)[L20171116028]社内資料: 国際共同第Ⅲ相試験(B1931022試験)[L20171116016](承認時評価資料)

承認時に国際共同試験及び海外試験の臨床成績が臨床パッケージとして審査・評価されました。一部、承認内容と異なる用法及び用量を含んだ解析成績が含まれています。

臨床試験:国際共同第III相試験(1022試験)
試験概要:INO-VATE試験
試験薬の投与方法 標準化学療法群(試験担当医師が無作為割り付け前に選択)標準化学療法群では、一部、承認外の効能又は効果、用法及び用量が使用された症例が含まれています。FLAG:
シタラビン2g/m2/日(1~6日)+フルダラビン30mg/m2/日(2~6日)+遺伝⼦組換えヒト顆粒球コロニー形成刺激因⼦(G-CSF)製剤5μg/kg/日、又は各施設の標準治療を、1サイクル4週間とし、最大4サイクル静脈内投与

MIT/Ara-C:
ミトキサントロン12mg/m2/日(1~3日)+シタラビン200mg/m2/日(1~7日)を、1サイクル15~20日間とし、最大4サイクル静脈内投与

HiDAC:
シタラビン3g/m2(12時間ごとに1~3時間かけて最大12回まで)を1サイクルとし、最大2サイクル静脈内投与
日本国内において⼀部承認外の効能又は効果、用法及び用量が含まれるため、各薬剤の詳細は最新の電子添文をご参照ください。
なお、各薬剤の日本国内で承認された「効能又は効果」「用法及び用量」は以下のとおりです(2023年4月現在)。
シタラビン注射液[用法及び用量]シタラビン大量療法(急性リンパ性白血病)では、通常、成人には、他の抗腫瘍剤と併用し、シタラビンとして1回2g/m2を5%ブドウ糖液あるいは生理食塩液に混合して300~500mLとし、12時間毎に3時間かけて点滴で最大6日間連日静脈内投与する。
フルダラビンリン酸エステル点滴静注用[効能又は効果]貧血又は血小板減少症を伴う慢性リンパ性白血病、再発又は難治性の下記疾患(低悪性度B細胞性非ホジキンリンパ腫、マントル細胞リンパ腫)、下記疾患における同種造血幹細胞移植の前治療(急性骨髄性白血病、骨髄異形成症候群、慢性骨髄性白血病、慢性リンパ性白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫)、腫瘍特異的T細胞輸注療法の前処置。
遺伝子組換えヒト顆粒球コロニー形成刺激因子(G-CSF)製剤[効能又は効果]造血幹細胞の末梢血中への動員、造血幹細胞移植時の好中球数の増加促進、がん化学療法による好中球減少症、骨髄異形成症候群に伴う好中球減少症、再生不良性貧血に伴う好中球減少症、先天性・特発性好中球減少症、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染症の治療に支障を来す好中球減少症、免疫抑制療法(腎移植)に伴う好中球減少症、再発又は難治性の急性骨髄性白血病に対する抗悪性腫瘍剤との併用療法。
ミトキサントロン塩酸塩注射液[用法及び用量]急性白血病(慢性骨髄性白血病の急性転化を含む)では、通常、成人にはミトキサントロンとして1日1回2~5mg/m2(本剤1~2.5mL/m2)を5日間連日、3~4週間隔で静脈内にゆっくり投与する。
CD22陽性白血病芽球20%以上(2012年1月~2014年2月)、形態学的評価により骨髄中の芽球が5%以上(2014年3月~)の骨髄病変を有する患者。中枢神経系白血病患者は除外した。層別因子:初回の寛解持続期間(DoR)(12ヵ月未満又は12ヵ月以上)、患者が本試験中に受けるサルベージ療法(1次又は2次サルベージ療法)、無作為割り付け時の患者の年齢(55歳未満又は55歳以上)無作為割り付け前に決定された。目的:
ベスポンサと試験担当医師が選択した標準化学療法の有効性及び安全性等を比較検討する。

対象:
再発又は難治性のCD22陽性急性リンパ性白血病(ALL)患者326例

試験デザイン:
無作為割り付け、非盲検、多施設共同、国際共同、第III相試験

方法:
ベスポンサ群と試験担当医師が選択した標準化学療法群(以下、標準化学療法群)の2群に無作為に割り付け、試験薬を投与し、 無作為割り付けから5年後あるいは最終患者の無作為割り付けから2年後のいずれか早い時点まで生存を追跡調査した。

試験薬の投与:
ベスポンサ群は、1日目に0.8mg/m2(体表面積あたり、以下同様)、8及び15日目に0.5mg/m2を1日1回、60(±15)分かけて点滴静脈内投与した。初回サイクルは原則21日間としたが、寛解が得られた場合又は毒性からの回復が必要な場合は28日間まで延長できることとした。寛解が得られた場合、第2サイクル以降の1日目の投与量は0.5mg/m2とした。造血幹細胞移植(HSCT)を予定している患者では、ベスポンサの効果が得られる最小限のサイクル数とし、治療上やむを得ないと判断される場合を除き、第3サイクル終了までに投与を中止することとした。HSCTを予定していない患者では、6サイクルまで投与を繰り返すことができるが、第3サイクル終了までに効果が得られない場合は投与を中止することとした。
標準化学療法群では、無作為割り付け前に試験担当医師が3レジメンから1レジメンを選択した。患者が完全寛解(CR)又は血球数の回復を伴わない完全寛解(CRi)を達成した場合、試験担当医師の判断でHSCTを施行してもよいとした。
寛解の定義 下記のCR及びCRiを血液学的完全寛解と定義した。
  • CR(完全寛解):骨髄中の芽球5%未満、末梢血中の白血病芽球消失、髄外病変消失、末梢血球数の回復(血小板数100,000/μL以上かつ好中球絶対数1,000/μL以上)、のすべてを満たす。
     
  • CRi(血球数の回復を伴わない完全寛解):CRのうち、血小板数又は好中球絶対数の回復(血小板数100,000/μL以上又は好中球絶対数1,000/μL以上)を伴わない。
主要評価項目:
評価項目判定委員会(EAC)判定を用いた血液学的完全寛解(CR+CRi)率、全生存(OS)期間

副次評価項目:
試験担当医師判定を用いたCR+CRi率、CR/CRiを達成した患者における微小残存病変(MRD)陰性率と寛解持続期間(DoR)、無増悪生存(PFS)期間、造血幹細胞移植(HSCT)施行率、患者報告アウトカム(PRO)、有害事象
CR、CRi、DoR、 PFS期間は試験担当医師判定による(ただし、MRD陰性は中央検査機関が判定)。解析計画:
[有効性]CR+CRi率とDoRは、最初に無作為に割り付けられた各群109例からなるITT218集団で解析した。そのほかの項目は、ITT集団(計326例)で解析した。
ITT:intent-to-treat本試験の試験実施計画時には、主要評価項目であるCR+CRi率のみならず、重要な副次評価項目であるOS期間についても、症例数設計が実施された。
その後、米国食品医薬品局(FDA)との協議により、CR+CRi率の主要解析前にOS期間が主要評価項目となったため、OS期間の主要解析用に設計された症例数に基づきITT集団(計326例)を設定した。一方ITT218集団は、CR+CRi率の主要解析のために設計し最初に無作為割り付けをした218例で構成される集団とした。
  • カテゴリカル変数(CR、CRi、CR+CRi率、MRD陰性率、HSCT施行率)は、χ2検定又はFisherの正確確率検定(患者が5例未満の場合)を用いて群間を比較した。両群のCR+CRi率の信頼区間(CI)はF分布に基づいて算出した。CR+CRi率の群間差のCIは正規近似を用いて算出した。
     
  • イベント発生までの期間の評価項目(OS期間、PFS期間等)は、層別Cox比例ハザードモデル及び層別log-rank検定を用いて解析した。層別Cox比例ハザードモデルを用いてハザード比及びその両側97.5%CIを示した。中央値は群ごとにKaplan-Meier法を用いて推定し、一般化Brookmeyer-Crowley法に基づく両側95%CIとともに示した。
     
  • 主要評価項目のCR+CRi率(EAC判定)は、有意水準0.0125(片側)として標準化学療法群に対するベスポンサ群の優越性を検証した。
     
  • 主要評価項目のOS期間はITT集団を対象とし、層別log-rank検定を用いて有意水準0.0104(片側)として標準化学療法群に対するベスポンサ群の優越性を検証した。
     
  • MRD陰性率はITT集団のうちCR/CRiを達成した患者を対象とし、MRD陰性は、骨髄における異常細胞数が単核細胞104個中に1個未満になった場合と定義した(フローサイトメトリー法による中央検査機関の判定)。
     
  • DoRはITT218集団のうちCR/CRiを達成した患者を対象とした。
     
  • PFS期間はITT集団を対象とし、層別log-rank検定を用いて有意水準0.0125(片側)として群間で比較した。
     
  • PFS期間とMRD陰性率は、CR+CRi率(EAC判定)が事前に規定した有意水準0.0125を満たすとされた後に、全般的な第一種の過誤確率を調整するためにgatekeeping法を用いて有意水準0.0125(片側)としてPFS期間に次いでMRD陰性率を解析した。

    [安全性]安全性解析対象集団は、無作為割り付けし試験薬が少なくとも1回投与されたすべての患者と定義した。ベスポンサ群164例(日本人13例を含む)、標準化学療法群143例(日本人6例を含む)であった。
     
  • 初回サイクル1日目から最終投与後42日までに発現した有害事象、初回サイクル1日目以降に発現した試験薬と関連がある有害事象(副作用)(いずれもグレードa)別を含む)、初回サイクル1日目から最終投与後42日までに発現した重篤な有害事象、初回サイクル1日目以降の死亡について評価した。
     
  • INO-VATE試験における安全性解析対象集団のうち、ベスポンサ群のHSCT施行例77例に対し、VOD/SOSの発現とベースライン特性との関連性、HSCT施行後にVOD/SOSを発現したときのベースライン後の要因との関連性について、ロジスティック回帰分析モデルによる単変量解析、多変量解析を行った。多変量解析はすべての共変量に欠測値のない患者のみを対象とし、ステップワイズ法を用いた。副作用名はMedDRA ver18.1に準じた。データカットオフ日は2016年3月8日。
重症度のグレードはNCI-CTCAE version 3.0に準じる。
[その他]
  • HCT施行率はITT集団を対象とし、HCT施行率の差については95%CIを算出し、有意水準0.0125(片側)として群間で比較した。

  • PROの主要解析は、各PROに対し線形混合効果モデルを当てはめ、推定平均値は制限付き最尤推定法で求め、p値は記述的なものとした。
[サブグループ解析]事前に計画されたサブグループ解析として、初回の寛解持続期間(DoR)、サルベージ回数、無作為割り付け時の患者の年齢(55歳未満又は55歳以上)別CR+CRi率、CR+CRi達成までの投与サイクル数別の割合、日本人集団における有効性及び安全性、ベースラインの骨髄芽球割合別 CR+CRi 率について検討した。

[データカットオフ日]
  • 2014年10月2日:CR+CRi率(EAC判定)
     
  • 2016年3月8日:OS期間、MRD陰性率、DoR、PFS期間、HSCT施行率、PRO、有害事象
安全性
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  ベスポンサ群(164例) 標準化学療法群(143例)
全副作用 144例(87.8%) 130例(90.9%)
主な副作用 好中球減少症63例(38.4%)、血小板減少症55例
(33.5%)、貧血33例(20.1%)等
血小板減少症71例(49.7%)、発熱性好中球減少症
65例(45.5%)、貧血60例(42.0%)等
グレード3以上の
副作用
115例(70.1%) 113例(79.0%)
主なグレード3以上の
副作用
好中球減少症60例(36.6%)、血小板減少症40例
(24.4%)、白血球減少症29例(17.7%)等
血小板減少症70例(49.0%)、発熱性好中球減少症
64例(44.8%)、好中球減少症54例(37.8%)等
投与中止に至った
副作用
15例(9.1%) 7例(4.9%)
主な投与中止に至った
副作用
肺炎、血小板減少症、ガンマグルタミルトランスフェラーゼ(GGT)増加、高ビリルビン血症、静脈閉塞性肝疾患(VOD)/類洞閉塞症候群(SOS) 各2例(1.2%)等 発熱性好中球減少症3例(2.1%)等
試験薬と関連がある
死亡とその内訳
9例(5.5%)
ベスポンサ投与終了後のHSCT施行後に発現したVOD/SOS 5例(3.0%)、腸管虚血/敗血症性ショック、急性呼吸窮迫症候群、肺炎、ベスポンサ投与終了後におけるHSCT施行後の多臓器不全 各1例(0.6%)
3例(2.1%)
頭蓋内出血、多臓器不全、肺感染/呼吸不全 各1例
(0.7%)
重症度のグレードはNCI-CTCAE version 3.0に準じる。試験薬と関連がある、無作為割り付け後2年間に発現したすべてのVOD/SOS。
(データカットオフ日:2016年3月8日)
社内資料: 国際共同第Ⅲ相試験(B1931022試験)[L20171116016](承認時評価資料)
【用法及び用量】
通常、成人にはイノツズマブ オゾガマイシン(遺伝子組換え)として1日目は0.8mg/m2(体表面積)、8及び15日目は0.5mg/m2(体表面積)を1日1回、1時間以上かけて点滴静脈内投与した後、休薬する。1サイクル目は21~28日間、2サイクル目以降は28日間を1サイクルとし、投与を繰り返す。投与サイクル数は造血幹細胞移植の施行予定を考慮して決定する。なお、患者の状態により適宜減量する。
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2023年11月作成 BES39N013A
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