先行バイオ医薬品が複数の効能・効果を有する場合、ある効能・効果において先行バイオ医薬品と有効性が同等/同質であり、他の効能・効果においても薬理学的に同様の作用が期待できることが説明できるのであれば、臨床試験を実施していない場合でも適応症が認められる場合があります。このような考え方を「適応症の外挿」といいます。
■ 適応症の外挿に必要な条件
適応症の外挿の具体例を示します。
先行バイオ医薬品がA~Fの適応症を有し、バイオシミラーの臨床試験で適応症Aにおける同等性/同質性を証明して医薬品として承認を受けたとします。先行バイオ医薬品における適応症AとBの作用機序が同じで、かつ再審査期間が終了していれば、バイオシミラーの適応症Bが、臨床試験を実施せずに承認される場合があります。 これが「適応症の外挿」とよばれる概念です。
適応症C、Dに関しては、少なくとも再審査期間が終了するまで外挿は認められません。再審査期間の終了後、適応症Bと同様に科学的根拠を示すことで、外挿が認められることがあります。
適応症E、Fのように異なる作用機序の場合には、別途臨床試験データの取得が必要となります。
すなわち、適応症の外挿が認められるためには、少なくとも一つの臨床試験を含む包括的エビデンスで先行バイオ医薬品との同等性/同質性が証明されており、「同じ作用機序による適応症で、かつ再審査期間が終了している」という条件を満たす必要があります。それぞれの適応症の作用機序が異なる場合や作用機序が明確になっていない場合には外挿は認められません。
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