Ⅲ.各抗菌薬における推奨(システマティック・レビュー&メタ解析、臨床研究)/4. ボリコナゾール
Executive summary
a. 負荷投与を行った場合、2~5日目に定常状態の濃度に近いトラフ値が得られる。ただし、初日の負荷投与と2日目以降の維持投与のPKを合わせて評価するために3~5日目のTDMを考慮する(Ⅲ-A)。
b. 重症真菌感染症では早期の有効濃度達成を確認するために3日目のTDMを考慮する(Ⅲ-A)。
c. アジア人に比較的高率なPMではクリアランスが低下(半減期が延長)し、3日目以後も濃度が上昇する可能性がある。中等症/軽症など患者の状態が許せば、5日目のTDMを考慮する(Ⅲ-A)。
d. 肝硬変症例も半減期が延長し定常状態に達する時間が遅延する。初回トラフ値(目標濃度範囲内だが、上限値に近い場合など)によっては追加TDMを考慮する。
e. 負荷投与を行わない場合(予防投与など)、濃度上昇が遅れるため5~8日目のTDMを考慮する(Ⅲ-A)。
抗菌薬TDMガイドライン作成委員会 編:抗菌薬TDM臨床実践ガイドライン2022 VRCZ executive summary 更新版 1 日本化学療法学会:2, 2022
▶ CQ1. ボリコナゾール(VRCZ)使用症例においてTDMの適応は?
▶ CQ2. TDMにおいて測定が推奨されるパラメータは何か?
▶ CQ3. 推奨されるTDMの時期は?
▶ CQ4. 成人で推奨されるTDMの目標値は?
▶ CQ5. 成人で推奨される投与設計は?
▶ CQ6. VRCZ治療患者に対するTDMを用いたantifungal stewardshipは有用か?
▶ CQ7. 小児におけるTDMのタイミング、目標濃度、投与設計は?
▶ CQ8. 特殊病態(腎機能低下時、肝機能低下時、妊産婦・授乳婦)におけるVRCZの適切な使用量とTDMは?
▶ CQ9. VRCZにおける薬物間相互作用は?
▶ CQ10. VRCZにおける血中濃度測定法は?
▶ 推奨の定義(区分/等級)
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