Ⅲ.各抗菌薬における推奨(システマティック・レビュー&メタ解析、臨床研究)/4. ボリコナゾール
Executive summary
a. 静注用では、初日は負荷投与として1回6mg/kgを1日2回、2日目以降は維持投与として3~4mg/kgを点滴投与する(Ⅱ)。日本人では推奨投与量でトラフ高値が高率となるため、維持投与量は3mg/kgを考慮する(表1)。
b. 肥満患者では補正体重を用いた投与設計を考慮する(Ⅲ-A)。
c. 経口では、初日は負荷投与300~400mg、1日2回、2日目以降は200mg、1日2回食間投与が推奨される(表1)(Ⅱ)。
d. アスペルギルス症では維持量の増量を考慮する(Ⅲ-A)。
e. 過体重/肥満、痩せでは、50mg製剤、200mg製剤を使用し、体重ベースで投与量を決定する(Ⅲ-A)。
f. 注射用VRCZから経口VRCZにステップダウンする場合は、注射1回用量を参考に、生物学的利用度80~90%を考慮し投与量を決定する(Ⅲ-A)。
g. TDMソフトウエアによる投与設計は今後の課題である(Ⅲ-B)。
表1(冊子版、表2):VRCZの投与設計
抗菌薬TDMガイドライン作成委員会 編:抗菌薬TDM臨床実践ガイドライン2022 VRCZ executive summary 更新版 1 日本化学療法学会:5, 2022
▶ CQ1. ボリコナゾール(VRCZ)使用症例においてTDMの適応は?
▶ CQ2. TDMにおいて測定が推奨されるパラメータは何か?
▶ CQ3. 推奨されるTDMの時期は?
▶ CQ4. 成人で推奨されるTDMの目標値は?
▶ CQ5. 成人で推奨される投与設計は?
▶ CQ6. VRCZ治療患者に対するTDMを用いたantifungal stewardshipは有用か?
▶ CQ7. 小児におけるTDMのタイミング、目標濃度、投与設計は?
▶ CQ8. 特殊病態(腎機能低下時、肝機能低下時、妊産婦・授乳婦)におけるVRCZの適切な使用量とTDMは?
▶ CQ9. VRCZにおける薬物間相互作用は?
▶ CQ10. VRCZにおける血中濃度測定法は?
▶ 推奨の定義(区分/等級)
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