Ⅲ.各抗菌薬における推奨(システマティック・レビュー&メタ解析、臨床研究)/4. ボリコナゾール
Executive summary
a. 初回TDMによる投与量の調節を行うことで、目標濃度範囲への達成確率は向上する(Ⅱ)。
b. TDMを用いたantifungal stewardshipによる肝機能障害予防効果が認められている(Ⅱ)。
c. 肝機能障害発現時においてTDMを用いた用量調節によりVRCZ継続投与が可能となる(Ⅲ-A)。
d. 色覚異常や幻視などの視覚症状は治療開始早期に発症するため、TDMを用いた介入による予防効果は得られにくい(Ⅲ-C)。
e. 視覚症状発現患者の多くは用量調節の有無にかかわらず自然寛解するため、TDMによる用量調節の必要性は不明である(Ⅲ-B)。
f. 経口投与時は、患者の服薬遵守状況や服用時期などを確認したうえで、TDMの評価を行う(Ⅱ)。
抗菌薬TDMガイドライン作成委員会 編:抗菌薬TDM臨床実践ガイドライン2022 VRCZ executive summary 更新版 1 日本化学療法学会:6, 2022
▶ CQ1. ボリコナゾール(VRCZ)使用症例においてTDMの適応は?
▶ CQ2. TDMにおいて測定が推奨されるパラメータは何か?
▶ CQ3. 推奨されるTDMの時期は?
▶ CQ4. 成人で推奨されるTDMの目標値は?
▶ CQ5. 成人で推奨される投与設計は?
▶ CQ6. VRCZ治療患者に対するTDMを用いたantifungal stewardshipは有用か?
▶ CQ7. 小児におけるTDMのタイミング、目標濃度、投与設計は?
▶ CQ8. 特殊病態(腎機能低下時、肝機能低下時、妊産婦・授乳婦)におけるVRCZの適切な使用量とTDMは?
▶ CQ9. VRCZにおける薬物間相互作用は?
▶ CQ10. VRCZにおける血中濃度測定法は?
▶ 推奨の定義(区分/等級)
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