Ⅲ.各抗菌薬における推奨(システマティック・レビュー&メタ解析、臨床研究)/4. ボリコナゾール
Executive summary
1. 小児におけるTDMのタイミング
a. 小児では成人に比べ早期に定常状態に達するが、初日の負荷投与に加え維持投与のPKも評価するために3日目のTDM実施を考慮する(Ⅲ-A)。
2. 小児における目標濃度
a. 小児では、有効性の面から目標トラフ濃度を1μg/mL以上とする(Ⅱ)。
b. 安全性の面から、小児では明確なカットオフ値は示されないが(Ⅲ-B)、アジア人では3~4μg/mL未満を推奨する(Ⅲ-A)。
3. 小児における投与設計
a. 小児では成人に比べ体重当たりの1回投与量の増量が必要である。表4に示す投与設計で成人と同様のAUCが得られることが確認されている(Ⅱ)。
b. Bioavailabilityは成人より低率となるため、小児では経口薬よりも注射薬からの投与が望ましい(Ⅲ-A)。
表4(冊子版、表5):小児における投与設計
抗菌薬TDMガイドライン作成委員会 編:抗菌薬TDM臨床実践ガイドライン2022 VRCZ executive summary 更新版 1 日本化学療法学会:6, 2022
▶ CQ1. ボリコナゾール(VRCZ)使用症例においてTDMの適応は?
▶ CQ2. TDMにおいて測定が推奨されるパラメータは何か?
▶ CQ3. 推奨されるTDMの時期は?
▶ CQ4. 成人で推奨されるTDMの目標値は?
▶ CQ5. 成人で推奨される投与設計は?
▶ CQ6. VRCZ治療患者に対するTDMを用いたantifungal stewardshipは有用か?
▶ CQ7. 小児におけるTDMのタイミング、目標濃度、投与設計は?
▶ CQ8. 特殊病態(腎機能低下時、肝機能低下時、妊産婦・授乳婦)におけるVRCZの適切な使用量とTDMは?
▶ CQ9. VRCZにおける薬物間相互作用は?
▶ CQ10. VRCZにおける血中濃度測定法は?
▶ 推奨の定義(区分/等級)
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