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VYNDAQEL (tafamidis) 61 mg is indicated for the treatment of wild-type or hereditary transthyretin amyloidosis in adult patients with cardiomyopathy (ATTR-CM). VYNDAQEL (tafamidis meglumine) 20 mg is indicated for the treatment of transthyretin amyloidosis in adult patients with stage 1 symptomatic polyneuropathy (ATTR-PN) to delay peripheral neurologic impairment. [INDICATION TO BE UPDATED BY LOCAL MARKET.]
2023年4月4日(火) インターネットシンポジウム
順天堂大学大学院医学研究科循環器内科学講座 准教授
末永 祐哉先生
福井大学医学部 分子病理学分野 教授
内木 宏延 先生
心不全の患者数は増えているが、心不全を診断するためには心不全の定義を知る必要がある。しかし、心不全の診断、定義については欧米、日本等で大きな隔たりがあり、必ずしも統一されていなかった。そこで、欧州、米国、日本の心不全学会が会議を行い、心不全の定義が決められ、Universal definition of HFとして6学会の連名で発表された1)2)。その中において、「心不全の症状/兆候がある」ことに加えて、「客観的なうっ血の証拠」、または「ナトリウム利尿ペプチドの上昇」が認められるの2つの条件が揃うことが診断基準として記載されている。
1)Bozkurt B., et al.:Eur J Heart Fail 23(3):352, 2021
2)Bozkurt B., et al.:J Card Fail 27(4):387, 2021
臨床の現場で心不全を診断していく際には「症状+リスク評価」、「BNP/NT-proBNP」、「心エコー」の3つのステップに分けて考えると良い。
「症状+リスク評価」では、息切れ、むくみなどの症状について患者さんにプロアクティブに聞く必要がある。さらに、身体所見チェック、心電図、並存疾患などから事前確立を見積もる。
「BNP/NT-proBNP」では、客観的なうっ血の証拠があるかを確認し、少しでも心不全を示す症状や身体所見があればBNP or NT-proBNPを測定する。
「心エコー」では、心不全患者の心機能の異常、心不全の血行動態の異常を明らかにしていく。
心不全には多様な症状/身体所見があり3)、症状/身体所見のみで除外診断をすることは不可能である4)。
3)McDonagh T.A., et al.:Eur Heart J 42(36):3599, 2021
4)Wang C.S., et al.:JAMA 294(15):1944, 2005
心不全の基礎疾患として、糖尿病、心房細動、左室肥大などが知られている。
実際にUniversal definition of HFにおいてもat riskに糖尿病が含まれており5)6)、2型糖尿病患者の初発心血管イベントの第2位が心不全であることも報告されている7)。
また、心房細動と左室肥大については心電図で判断できる。心不全と心房細動は表裏一体の関係性にあると言われており、実際に1737例の新規心房細動患者のうち37%が心不全を合併し8)、1166例の新規心不全患者のうち57%が心房細動を合併していたと報告されている8)。日本においても前向きに検討した3つの心不全患者のレジストリ(ATTEND、WET-HF、REALITY-AHF)を解析すると、それぞれ36%、47%、39%が心房細動を合併していることがわかった9)。そのため、心房細動の患者においては既に心不全を合併していると常に考えることが重要である。
左室肥大のゴールドスタンダードな検査は心エコーや心臓MRIであるが、左室肥大を心電図から疑う方法として、Peguero-Lo Presti基準10)がある。Peguero-Lo Presti基準とは、胸部誘導の中で一番S波が深い誘導のS波の深さにV4のS波の深さを足した値が基準(男性:≧28mm、女性:≧23mm)を超えた時、左室肥大がと診断する。実際に図に示した男性の心電図において、一番深いS波である2.6mVとV4のS波である0.7mVを足すと3.3mVとなり、基準値である2.8mVを超えているため、本症例は左室肥大ありとなる。
BNP、NT-proBNPの心不全におけるカットオフ値はESC(BNP:35pg/mL、NT-proBNP:125pg/mL)11)、日本循環器学会(BNP:100pg/mL、NT-proBNP:400pg/mL)12)で異なる。診断においては、貧血、心房細動、高齢、腎機能不全、COPDを合併している場合はそれぞれの測定値が高めになり、肥満の場合はそれぞれの測定値が低めになるため患者さんによってカットオフ値は調整する必要がある。
5)Bozkurt B., et al.:Eur J Heart Fail 23(3):352, 2021
6)Bozkurt B., et al.:J Card Fail 27(4):387, 2021
7)Shah A.D., et al.:Lancet Diabetes Endocrinol 3(2):105. 2014
8)Santhanakrishnan R., et al.:Circulation 133(5):484, 2016
9)Shiraishi Y., et al.:J Am Heart Assoc 7(18):e008687, 2018
10)Peguero J.G., et al.:J Am Coll Cardiol 69(13):1694, 2017
11)TA McDonagh T.A., et al.:Eur Heart J 42(36):3599, 2021
12)日本循環器学会.急性・慢性心不全診療ガイドライン (2017年改訂版).
https://www.j-circ.or.jp/cms/wp-content/uploads/2017/06/JCS2017_tsutsui_h.pdf.2023年8月閲覧
最近、心アミロイドーシスが注目を集めており、米国ではATTRwt-CMの診断数が2008年を境に増加している13)。加えて、60歳以上のHFpEF患者120例に99mTc-DPDシンチグラフィを行った結果、13.3%にトランスサイレチン型心アミロイドーシスが認められたと報告14)されている。
心アミロイドーシスのスクリーニングは容易ではないが、治療薬の登場により診断する重要性が高まっており、診断技術が進歩している。特に99mTc-ピロリン酸シンチグラフィを用いることで感度、特異度が高くATTR心アミロイドーシスの診断が可能になっている15)。また、心エコー上でも心アミロイドーシスを疑う所見として、apical sparingがみられる15)。このような技術により心アミロイドーシスの診断がしやすくなっている。
13)Lane T., et al.:Circulation 140(1):16, 2019
14)González-López E., et al.:Eur Heart J 36(38):2585, 2015
15)日本循環器学会.2020年版心アミロイドーシス診療ガイドライン.
https://www.j-circ.or.jp/cms/wp-content/uploads/2020/02/JCS2020_Kitaoka.pdf.2023年8月閲覧
12)Marume, K. et al.:Circ J 83(8):1698, 2019
13)Ochi, Y. et al.:J Cardiol 77(2):124, 2021
労作時の息切れを訴える患者でX線とBNPを測定し、カットオフ値であっても、利尿剤で症状が安定化している場合においても、精査のために専門施設に紹介する必要がある。その理由として、LVEFがどの程度保たれているかによって予後を変える薬物治療の選択肢が異なるため、精査の必要があり、加えてHFpEFであった場合、利尿剤だけでは予後を改善できない心筋症が潜んでいる可能性もあるためである。
また、左室肥大が認められている、もしくは左室肥大が確認できずともNT-proBNP高値で心不全症状があれば、一度専門施設への紹介した方が良い。腎機能が悪く、BNPが50pg/mLであった場合にカットオフ値をどのように捉えるかは難しいが、最終的には総合判断となるため、患者さんが希望することも大きなポイントとなる。
加えて、心不全を疑う経過(下腿浮腫の発現など)があり、BNPやNT-proBNPが上昇する場合は心不全を強く疑う所見となるが、一方で、症状の悪化はないがBNPやNT-proBNPが高値で症状がある場合も心不全が疑われるため、専門施設への紹介を考慮すべきである。
トランスサイレチン型心アミロイドーシスが疑われたら、認定施設までご相談ください。
臨床徴候や検査所見などからトランスサイレチン型心アミロイドーシスが疑われる、あるいはトランスサイレチン型心アミロイドーシスの可能性が否定できない場合は、生検および染色などの専門的な診断が必要となります。日本循環器学会の認定施設への紹介をご検討ください。
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