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有効性・安全性海外第相Treat-through design試験:APD334-301/ELEVATE UC 52試験(検証試験)(海外データ)試験概要主要評価項目/主要評価項目のサブグループ解析重要な副次評価項目探索的評価項目/その他の評価項目安全性国内第相継続投与試験:APD334-308/ELEVATE UC 40 Japan試験試験概要主要評価項目/重要な副次評価項目探索的評価項目/その他の評価項目安全性国際共同第相試験:APD334-302/ELEVATE UC 12試験(検証試験)試験概要主要評価項目/主要評価項目のサブグループ解析重要な副次評価項目/重要な副次評価項目のサブグループ解析探索的評価項目/その他の評価項目安全性
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薬効薬理■ 臨床薬理試験■ リンパ球数への影響

①健康成人(国内データ及び海外データ)1)-3)
日本人及び外国人の健康成人に対し、エトラシモド2mg又はプラセボを1日1回、7日間反復投与したときの末梢血中リンパ球数の変化は以下のとおりであった。
エトラシモド2mgを投与したときの末梢血中リンパ球数の最低値までの期間の平均値は、日本人で4.7日、外国人で5.8日であり、ベースラインからの変化率の平均値は日本人で-53.6%、外国人で-54.1%であった。

ベースラインからの末梢血中リンパ球数の変化率の推移 末梢血中リンパ球数の変化 ベースラインからの末梢血中リンパ球数の推移 対象:日本人及び外国人(白人)の健康成人男性各14例(エトラシモド2mg群各10例、プラセボ群各4例)
方法:エトラシモド2mg又は外観上識別不能なプラセボを1日1回7日間反復経口投与した。全血球数算定用の血液検体を第1日から第15日まで毎日採取し、薬力学プロファイルを評価した。

②潰瘍性大腸炎患者(国内データ及び海外データ)1),4),5)
海外及び国際共同第相試験(APD334-301/ELEVATE UC 52試験及びAPD334-302/ELEVATE UC 12試験)では、エトラシモド2mgを1日1回経口投与後、第2週までに末梢血中リンパ球数の最大の減少を示し、変化率の平均値はそれぞれ-46.7%及び-47.5%であった。リンパ球数が0.5×109/L未満又は0.2×109/L未満の患者の割合は、ベースライン後でそれぞれ32.3%~45.8%及び0.9%~5.6%、投与終了時でそれぞれ21.8%~23.7%及び0.0%~2.1%であった。エトラシモド投与中止後2週間以内に、APD334-301/ELEVATE UC 52試験で82%、APD334-302/ELEVATE UC 12試験で77%の患者においてリンパ球数の基準値(1.02~3.36×109/L)への回復が認められた。
ベースラインからの推移は以下のとおりであった。

エトラシモド2mg群における末梢血中リンパ球数の変化 エトラシモド投与開始後の初回来院日。投与中止後の最初の来院時(14日後)に、82%の患者が基準値(1.02~3.36×109/L)に回復した。投与中止後の最初の来院時(14日後)に、77%の患者が基準値(1.02~3.36×109/L)に回復した。対象:中等症から重症の活動性潰瘍性大腸炎患者(APD334-301/ELEVATE UC 52試験:433例[エトラシモド2mg群289例、プラセボ群144例]、APD334-302/ELEVATE UC 12試験:354例[エトラシモド2mg群238例、プラセボ群116例])
方法:エトラシモド2mg又は外観上識別不能なプラセボを最長12週間(APD334-302/ELEVATE UC 12試験)又は52週間(APD334-301/ELEVATE UC 52試験)にわたって1日1回経口投与した。全血球数算定による末梢血中リンパ球数評価用の血液検体を、APD334-301/ELEVATE UC 52試験ではベースライン時(第0週/第1日)、第2、4、8、12、16、20、24、32、40、48及び52週の投与前ならびに2週間及び4週間の追跡調査来院時、APD334-302/ELEVATE UC 12試験ではベースライン時(第0週/第1日)、第2、4、8及び12週の投与前ならびに2週間及び4週間の追跡調査来院時に採取し、リンパ球数の変化を検討した。
ベースラインからの末梢血中リンパ球数の変化率の推移 ベースラインからの末梢血中リンパ球数の推移 対象:中等症から重症の活動性潰瘍性大腸炎患者(APD334-301/ELEVATE UC 52試験:433例[エトラシモド2mg群289例、プラセボ群144例]、APD334-302/ELEVATE UC 12試験:354例[エトラシモド2mg群238例、プラセボ群116例])
方法:エトラシモド2mg又は外観上識別不能なプラセボを最長12週間(APD334-302/ELEVATE UC 12試験)又は52週間(APD334-301/ELEVATE UC 52試験)にわたって1日1回経口投与した。全血球数算定による末梢血中リンパ球数評価用の血液検体を、APD334-301/ELEVATE UC 52試験ではベースライン時(第0週/第1日)、第2、4、8、12、16、20、24、32、40、48及び52週の投与前ならびに2週間及び4週間の追跡調査来院時、APD334-302/ELEVATE UC 12試験ではベースライン時(第0週/第1日)、第2、4、8及び12週の投与前ならびに2週間及び4週間の追跡調査来院時に採取し、リンパ球数の変化を検討した。
■ 心拍数への影響

①併合解析(Pivotal UC Pool)(国内データ及び海外データ)6)
Pivotal UC Pool(APD334-301/ELEVATE UC 52試験[海外第相試験]及びAPD334-302/ELEVATE UC 12試験[国際共同第相試験]の併合解析)において、初回投与後4時間のモニタリング期間で認められた心拍数の投与前からの変化量の平均値は、エトラシモド2mg群では投与後3時間の-7.2bpmで最大となり、投与後4時間では-6.7bpmであった。心拍数の平均値は、初回投与後1時間でプラセボ群75.3bpm及びエトラシモド2mg群69.4bpm、2時間で75.8bpm及び67.0bpm、3時間で76.0bpm及び67.0bpm、4時間で75.8bpm及び67.3bpmであった。
心拍数の投与前からの変化量の平均値の推移は、投与後2週間でプラセボ群1.9bpm及びエトラシモド2mg群-0.3bpm、投与後12週間でそれぞれ0.5bpm及び0.0bpm、投与後52週間でそれぞれ0.3bpm及び-0.3bpm、最終観察時でそれぞれ1.4bpm及び0.3bpmであった。

ベースラインから初回投与後4時間の心拍数の変化量の推移 ベースラインから各評価時点の心拍数の変化量の推移 対象:中等症から重症の活動性潰瘍性大腸炎患者787例(プラセボ群260例、エトラシモド2mg群527例)
方法:APD334-301/ELEVATE UC 52試験(海外第相試験)及びAPD334-302/ELEVATE UC 12試験(国際共同第相試験)の対象患者において、プラセボ又はエトラシモド2mgを投与した初日のバイタルサインを、モニタリング手順や退院基準を統一した試験プールで検討した。治験薬の投与開始時後4時間以上患者をモニタリングし、バイタルサインを検討した。

②第相試験(国内データ及び海外データ)4),5)
海外第相試験(APD334-301/ELEVATE UC 52試験)では、バイタルサインによる心拍数のベースラインからの平均変化量の最大値は、プラセボ群及びエトラシモド群でそれぞれ投与後4時間の-0.4bpm及び投与後3時間の-7.3bpmであり、実測の平均値はそれぞれ75.5bpm及び66.7bpmであった。
国際共同第相試験(APD334-302/ELEVATE UC 12試験)では、バイタルサインによる心拍数のベースラインからの平均変化量の最大値は、プラセボ群及びエトラシモド群でそれぞれ投与後1時間の-0.1bpm及び投与後2時間の-7.3bpmであり、実測の平均値はそれぞれ75.0bpm及び67.0bpmであった。

ベースラインからの心拍数の変化 対象:中等症から重症の活動性潰瘍性大腸炎患者(APD334-301/ELEVATE UC 52試験:433例、APD334-302/ELEVATE UC 12試験:354例)
方法:エトラシモド2mg又は外観上識別不能なプラセボを最長12週間(APD334-302/ELEVATE UC 12試験)又は52週間(APD334-301/ELEVATE UC 52試験)にわたって1日1回経口投与した。バイタルサインの心拍数は第1日の投与後1、2、3及び4時間に座位で測定し、12誘導心電図の心拍数は第1日の投与後4時間に仰臥位で測定した。
■ 非臨床薬理試験■ S1P1-5を介したβアレスチン動員アッセイにおけるエトラシモドのアゴニスト作用及びアンタゴニスト作用(in vitro)7)

S1PとS1P受容体の結合により活性化される下流シグナルには、βアレスチン動員を介したGタンパク質非依存性シグナル伝達経路と、Gタンパク質依存性シグナル伝達経路がある。S1P受容体調節薬はβアレスチン動員を介してS1P1の内在化及び分解を引き起こし、これによって細胞表面のS1P1の発現が低下することにより、リンパ組織からのリンパ球の移動が妨げられる8)。そこで、ヒトS1P受容体におけるβアレスチン動員アッセイを用い、エトラシモドのアゴニスト作用(S1P1-5)及びアンタゴニスト作用(S1P2,3に対するS1Pによる活性化との競合)を検討した。
各受容体に対するエトラシモドのEC50値及び相対最大効力は以下のとおりであった。
エトラシモドのS1P1に対するEC50値は6.10nmol/Lと完全アゴニスト作用を示し、相対最大効力はS1Pの110%であった。S1P4及びS1P5に対するEC50値はそれぞれ147nmol/L及び24.4nmol/Lと部分アゴニスト作用を示し、相対最大効力はそれぞれ63%及び73%であった。ヒトS1P2及びS1P3については、10μmol/Lにおいてもβアレスチンの動員を誘導せず、S1P活性化も阻害しなかった。

ヒトS1P1-5を介したβアレスチン動員アッセイにおけるエトラシモドのEC50値及び相対最大効力 試験方法:ヒトS1P受容体を安定発現させたHEK293細胞をウェルあたり2000~5000細胞の密度で0.05%BSA(脂肪酸不含)とともに一晩インキュベートした後、エトラシモドを添加し、室温で2~3時間インキュベートした。インキュベーション後に溶解/検出試薬を添加し、プレートを室温でさらに2時間インキュベートした後、プレートリーダーで測定した。EC50値は、少なくとも10濃度からなる濃度反応曲線に基づいて算出した。相対最大効力は、内因性アゴニストS1Pによる最大反応に対するエトラシモドによる最大反応の割合(%)で示した。
■ S1P1-5を介したβアレスチン動員及びGTPγS結合に対する作用(in vitro9)

S1P受容体を介した主要なシグナル伝達カスケードの評価系は、βアレスチン動員アッセイ及びGTPγS結合アッセイである。βアレスチン動員アッセイは血中リンパ球数の減少をもたらす機能的アンタゴニスト作用の評価系である。GTPγS結合はGタンパク質依存性シグナル伝達経路を形成し、心拍数減少及び収縮遅延の機序に関与すると考えられていることから8)、GTPγS結合アッセイはGタンパク質シグナル伝達の評価系とされる10)-12)。これら2つのアッセイ系を用いて、ヒトS1P1-5に対するエトラシモド及び代謝物M3、M6、ならびにS1P受容体を調節する試薬の作用を検討した。
各アッセイにおけるEC50値及びEmax値は以下のとおりであった。

ヒトS1P1-5アゴニスト誘発性βアレスチン動員アッセイにおけるEC50及びEmax Emax:S1Pに対する相対最大効力(%)
S1P受容体を調節する試薬として陽性対照に用いた。
フィンゴリモド-P:フィンゴリモド リン酸塩NR:活性なし
試験方法:PathHunter βアレスチンアッセイプラットフォームを用いて、Prolink標識ヒトS1P受容体を安定発現させたHEK293細胞を5000個/ウェルの密度で0.1%BSA(脂肪酸不含)とともに一晩インキュベートし、被験物質(エトラシモド、M3、M6、フィンゴリモド-P及びS1P)を添加した後に、室温で2時間インキュベートした。インキュベーション後に溶解/検出試薬を添加し、プレートを室温でさらに4時間インキュベートした後、プレートリーダーで測定した。
ヒトS1P1-5アゴニスト誘発性GTPγS結合アッセイにおけるEC50及びEmax Emax:S1Pに対する相対最大効力(%)
S1P受容体を調節する試薬として陽性対照に用いた。Emax:amiselimodP(amiselimod リン酸塩)に対する相対最大効力(%)
フィンゴリモド-P:フィンゴリモド リン酸塩NR:活性なし
試験方法:ヒトS1P受容体を安定発現させたCHO-K1細胞を用い、細胞から調製した膜ホモジネートを、被験物質(エトラシモド、M3、M6、フィンゴリモド-P及びS1P)を含有するプレートに分注し、プレートを室温で5分間インキュベートした後、0.4nmol/L[35S]-GTPを添加した。室温で1時間振とうした後、遠心分離し、シンチレーションカウンターを用いて測定した。
■ S1P受容体内在化への作用(in vitro13)

エトラシモド及びS1P受容体を調節する試薬によって惹起されるシグナル伝達について、βアレスチン動員によるS1P1内在化への作用を検討した。
IC50値及びEmax値は以下のとおりであった。

ヒトS1P1を発現させたCHO細胞株を用いたS1P内在化アッセイにおけるS1P受容体アゴニスト活性 ※ S1P受容体を調節する試薬として陽性対照に用いた。
Emax:S1Pに対する相対最大効力(%)
フィンゴリモド-P:フィンゴリモド リン酸塩
試験方法:ヒトインフルエンザヘマグルチニン(HA)標識ヒトS1P1を発現する組換えCHO細胞を被験物質(エトラシモド、フィンゴリモド-P及びS1P)又はDMSOとともにウェルに添加した。プレートを37℃において5%二酸化炭素存在下でインキュベートした後、氷上でリン酸緩衝食塩水(PBS)を添加して10分間インキュベートした。インキュベーション後、細胞を遠心分離し、ヒトS1P1を抗体で標識し、フローサイトメトリーによりヒトS1P1を定量した。
■ cAMPの蓄積に対する作用(in vitro13)

cAMP蓄積はGタンパク質依存性シグナル伝達経路の下流における影響の指標となる8)。そこで、エトラシモド及びS1P受容体を調節する試薬によって惹起されるシグナル伝達について、cAMP蓄積への作用を検討した。
IC50値及びEmax値は以下のとおりであった。

ヒトS1P1を発現させたCHO細胞株及び初代HUVEC株を用いたcAMP蓄積アッセイにおけるS1P受容体アゴニスト活性 ※ S1P受容体を調節する試薬として陽性対照に用いた。
Emax:S1Pに対する相対最大効力(%)
フィンゴリモド-P:フィンゴリモド リン酸塩
試験方法:組換えS1P1を発現させた2つのCHO細胞株(CHO-21BWc1及びCHO-21BWc2、2000細胞/ウェル)及びS1P1を自然発現するヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC、1000細胞/ウェル)を、3-イソブチル-1-メチルキサンチンならびに被験物質(エトラシモド、フィンゴリモド-P及びS1P)の存在下で、フォルスコリンを用いて1時間刺激し、HTRFを用いたcAMP蓄積アッセイを実施した。
■ S1P2又はS1P3に対する親和性及び機能活性(in vitro14)

S1P2又はS1P3を発現したCHO細胞の細胞内カルシウム放出試験において、エトラシモドはヒトS1P2又はS1P3を介した細胞内のカルシウム放出を刺激せず、またS1P2又はS1P3の活性化を阻害しなかった。

カルシウム放出アッセイにおけるエトラシモドのS1P2及びS1P3に対するアゴニスト作用及びアンタゴニスト作用 ※ 現時点で利用可能なS1P3アンタゴニストはない。
NR:活性なし
試験方法:ヒト組換えS1P受容体を発現するCHO細胞を用い、22℃におけるエトラシモド10μmol/Lによる細胞内カルシウム放出を蛍光定量法により測定した。
■ IKAChチャネルGIRK電流への作用(in vitro15)

S1P受容体の活性化によるGタンパク質依存性シグナル伝達経路は、心筋細胞のGタンパク依存性内向き整流性カリウム(GIRK)IKACh(アセチルコリン活性化内向き整流性カリウムチャネル)の活性化を惹起するが、これは心拍数減少に関与すると考えられる10)-12)。そこで、心筋細胞のGIRK電流(IKACh)に対する、エトラシモド及びその他のS1P受容体調節薬の相対活性を検討した。
IKACh活性化の程度は、以下のとおりであった。

ヒト心筋細胞GIRK電流(IKACh)に対するS1P受容体調節薬の作用(10μmol/Lカルバコールによる活性の%相対活性) 平均値±標準誤差試験方法:6名のドナー(白人男性1名、白人女性4名、ヒスパニック系男性1名)から採取したヒト心房の単一サンプル由来の初代単離心筋細胞をホモジナイズし、コラゲナーゼV型とプロテアーゼXXIV型の存在下において、連続的に酸素でバブリング/攪拌して細胞を分離した。視覚的に心筋細胞を確認し、パッチクランプ法により電位固定下で全細胞記録を行った。Gタンパク活性化カリウムチャネル(IKACh)電流は、-70mVの保持電位から+45mVへ1段階でステップ刺激した後に1秒間に-140mVまで変化させ(ランプ法)、次のステップまで2秒間、-70mVに保持した。カルバコール(10μmol/L)を用いてIKACh電流を惹起し、細胞の安定性及び応答性を確認した。被験物質(エトラシモド及びフィンゴリモド)は、0.1~1000nmol/Lの範囲で適用した。
■ 血中リンパ球に対する作用(マウス)16)

健常雌C57BL/6マウスを用い、エトラシモドによる血中リンパ球減少作用の検討を行った。
血中リンパ球減少の程度は下表のとおりであった。
エトラシモドを経口投与したとき、溶媒対照群と比較してCD4及びCD8Tリンパ球ならびにBリンパ球の用量依存的な減少が認められたが、単球、顆粒球及びナチュラルキラー(NK)細胞数に影響は認められなかった。
いずれの投与群においても、溶媒対照群と比較して、NK細胞及び骨髄系細胞の減少は認められなかった。

免疫細胞サブセットにおけるエトラシモド誘発性血中リンパ球減少 総リンパ球数に対する割合の平均値±標準誤差
※ 既知のS1P受容体調節薬として陽性対照に用いた。
試験方法:健常雌C57BL/6マウス(5匹/群)に、0.5%メチルセルロースを溶媒として調製したエトラシモド0.1、0.3又は1.0mg/kgあるいはフィンゴリモド1.0mg/kg(陽性対照)を単回経口投与し、投与後5時間及び48時間に採血した。全血から白血球を分離、染色し、フローサイトメトリーで分析した。
■ 実験的大腸炎モデルマウスにおける作用(マウス)17)

CD4陽性CD45RBhigh T細胞を重症複合型免疫不全(SCID)マウスに養子移入して誘発した実験的大腸炎モデルにエトラシモドを予防的に反復経口投与し、定量ポリメラーゼ連鎖反応(qPCR)により大腸組織の免疫細胞マーカーのRNAレベルを定量した結果は以下のとおりであった。
3mg/kg/日以上のエトラシモドの予防的投与により、体重減少、大腸の炎症、T細胞及び単球の浸潤などの重要な大腸炎の指標が有意に抑制された(p<0.05、Dunnett’s test)。また、エトラシモドにより大腸における炎症性サイトカイン産生が減少した(p<0.05、Dunnett’s test)。

エトラシモドのT細胞及び骨髄系細胞の大腸への浸潤に対する作用(比較Ct法、qPCR) 試験方法:野生型マウスから分離したCD4陽性CD45RBhigh T細胞を雌SCIDマウスに移入した大腸炎モデル(12匹/群)に対し、エトラシモド(1、3及び10mg/kg/日)、フィンゴリモド(1mg/kg/日、陽性対照)又は溶媒(陰性対照)をT細胞移入日から剖検前日(試験32日)まで、予防的に反復経口投与した。組織を採取する前に採血し、マウスを安楽殺した。その後、大腸切片及び組織切片を採取し、病理組織学的検査により重症度を評価した。定量ポリメラーゼ連鎖反応(qPCR)により組織を分析し、標的組織の免疫細胞マーカーのRNAレベルを定量した。
■ エトラシモドの自然発生性大腸炎モデルマウスにおける作用(マウス)18)

MDR1a遺伝子をノックアウトした自然発生性大腸炎モデルマウス(MDR1a KOマウス)(12匹/群)にエトラシモド1mg/kg又は3mg/kgあるいは溶媒を1日1回経口投与したところ、エトラシモド1mg/kg群及び3mg/kg群で溶媒対照群と比較して体重増加量の減少(p≦0.05、Student’s t-test)、内視鏡スコアの重症度(p≦0.05、Kruskal-Wallis test[w/Dunnett’s post-hoc])、結腸重量の増加(p≦0.05、ANOVA[w/Dunnett’s post-hoc])、結腸の長さの短縮(p≦0.05、ANOVA[w/Dunnett’s post-hoc])及び結腸の重量/長さの比(p≦0.05、ANOVA[w/Dunnett’s post-hoc])が有意に改善した。
エトラシモド3mg/kg群では、結腸におけるIL-10、CXCL9、IL-1β、CXCL10、IL-6、CXCL1、TNFα、IL-17Aのレベルが溶媒対照群と比較して有意に低下した(p≦0.05、ANOVA[w/Dunnett’s post-hoc])。さらに蛋白濃度で補正した濃度では、エトラシモド3mg/kg群の結腸におけるIL-10、IL-1β、IFNγ、CXCL1、TNFα及びIL-17Aの濃度は、溶媒対照群と比較して有意に減少したが(p≦0.05、ANOVA[w/Dunnett’s post-hoc])、IL-4及びIL-23の濃度には有意差は認められなかった。
また、結腸の炎症、腺欠損、過形成、浮腫、好中球スコア及びリンパ球凝集体数などの複数のパラメータが有意に改善し(p≦0.05、ANOVA/Kruskal-Wallis test[Dunnett’s/Dunn’s post-hoc])、エトラシモド1mg/kg群及び3mg/kg群で溶媒対照群と比較して血中リンパ球数が有意に減少した(p≦0.05、ANOVA[Dunnett’s post-hoc])。
脾臓を採取してフローサイトメトリーにより分析したところ、エトラシモド群1mg/kg群及び3mg/kgで溶媒対照群と比較してリンパ球レベルの有意な低下が認められた(p≦0.05、ANOVA[w/Dunnett’s post-hoc])。

■ 安全性薬理試験19) ■ 毒性試験20) 500mg/kg/日群で認められた毒性及び死亡に基づき、新規用量群として350mg/kg/日群(雌雄各15匹)を新たに設定した。350mg/kg/日群でも毒性及び死亡が認められたため、3日間休薬した後、試験8日に投与量を250mg/kg/日に減量した。試験期間中、100、500、1000mg/kg/日群で毒性が認められたため、休薬と投与量の漸減を複数回実施し、最終的に代替群として40及び80mg/kg/日群(雌雄各6匹/群)を追加した。試験期間中、250mg/kg/日群の雄を瀕死状態のため安楽殺した。そのため、試験6日から最高用量を250から200mg/kg/日に減量し試験を継続した。社内資料(承認時評価資料):末梢血リンパ球数(CTD2.7.2.3.2.2.1)社内資料(承認時評価資料):APD334-109試験(CTD2.7.6.9)社内資料(承認時評価資料):APD334-109試験 治験総括報告書社内資料(承認時評価資料):有効性及び安全性に関する試験 APD334-301試験 治験総括報告書社内資料(承認時評価資料):有効性及び安全性に関する試験 APD334-302試験 治験総括報告書社内資料(承認時評価資料):バイタルサイン、身体的所見および安全性に関連する他の観察項目 心拍数(CTD2.7.4.4.1.1)社内資料(承認時評価資料):ヒト組換えS1P1-5を発現する細胞株を用いたβアレスチン動員アッセイ(CTD2.6.2.2.1.4)Gaidarov, I. et al.:FEBS Open Bio 15(1):108, 2025(著者に論文完了時においてPfizer社の社員であったものが含まれる。)社内資料(承認時評価資料):組換えヒトS1P1-5を発現させた細胞株におけるβアレスチン動員およびGTPγS結合に対するエトラシモド、代謝物M3およびM6ならびにその他のS1P受容体調節薬の作用(CTD2.6.2.2.1.5)Camm, J. et al.:Am Heart J 168(5):632, 2014(著者にPfizer社からコンサルタント料を受領しているものが含まれる。)Sykes, DA. et al.:Br J Pharmacol 171(21):4797, 2014Taylor, S. et al.:Xenobiotica 42(7):671, 2012社内資料(承認時評価資料):遺伝子組換えヒトS1P1を発現させたCHO細胞株およびヒトS1P1を自然発現するHUVECにおけるcAMPの蓄積および受容体内在化に対するエトラシモドおよびその他のS1P受容体調節薬の作用(CTD2.6.2.2.1.6)社内資料(承認時評価資料):組換えヒトS1P2およびS1P3を発現させた細胞株における細胞内カルシウム放出に対するエトラシモドの作用(CTD2.6.2.2.1.7)社内資料(承認時評価資料):IKAChチャネルGIRK電流に対するエトラシモドおよびその他のS1P受容体調節薬の作用(CTD2.6.2.2.1.9)社内資料(承認時評価資料):エトラシモドのマウスの末梢血リンパ球に対する効果(CTD2.6.2.2.2.1)社内資料(承認時評価資料):エトラシモドの実験的大腸炎モデルマウスにおける効果(CTD2.6.2.2.2.2)社内資料(承認時評価資料):エトラシモドの自然発生性大腸炎モデルマウスにおける効果社内資料(承認時評価資料):安全性薬理試験(CTD2.6.2.4)社内資料(承認時評価資料):毒性試験(CTD2.6.6)

1. 警告(抜粋)
1.2 本剤の投与により一過性の心拍数減少及び房室伝導遅延がみられ、特に本剤の投与初期に生じる可能性が高いことから、循環器を専門とする医師と連携するなど、適切な処置が行える管理下で本剤の投与を開始すること。[2.3、2.4、8.1、9.1.1、10.2、11.1.6参照]

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)(抜粋)
2.3 本剤投与開始前6ヵ月以内に心筋梗塞、不安定狭心症、脳卒中、一過性脳虚血発作、入院を要する非代償性心不全、NYHA分類度又は度の心不全を発症した患者[1.2、8.1、9.1.1、10.2、11.1.6参照]
2.4 モビッツ型第2度房室ブロック又は第3度房室ブロック、洞不全症候群、洞房ブロックの既往又は罹患のある患者(ペースメーカー使用患者を除く)[1.2、8.1、9.1.1、10.2、11.1.6参照]

4. 効能又は効果
中等症から重症の潰瘍性大腸炎の治療(既存治療で効果不十分な場合に限る)
6. 用法及び用量
通常、成人にはエトラシモドとして2mgを1日1回経口投与する。
8. 重要な基本的注意(抜粋)
8.1 一過性の心拍数減少、房室伝導遅延があらわれることがあるため、本剤投与開始前に、心電図検査を行い、心伝導系に異常がないか確認すること。患者又はその家族等に対し、本剤投与後に失神、浮動性めまい、息切れなどの症状がみられた場合には主治医に連絡するよう指導すること。特に本剤の投与初期(休薬後の投与再開時を含む)は、心拍数低下、房室伝導の遅延が生じる可能性が高いため、十分注意すること。[1.2、2.3、2.4、9.1.1、10.2、11.1.6参照]
9. 特定の背景を有する患者に関する注意(抜粋)
9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 徐脈性不整脈及び房室伝導遅延のリスクが高い患者

以下のような患者に本剤を投与する前に、循環器を専門とする医師へ相談し、本剤投与による有益性と危険性を考慮した上で、投与の可否を慎重に検討すること。

顕著なQT延長のある患者(男性:QTcF≧450msec、女性:QTcF≧470msec)a群又は群の抗不整脈薬による治療を要する不整脈のある患者不安定な虚血性心疾患、心不全、心停止の既往歴、脳血管疾患、又はコントロールされていない高血圧のある患者(過去6ヵ月以内に心筋梗塞、不安定狭心症、脳卒中、一過性脳虚血発作、入院を要する非代償性心不全、NYHA分類度又は度の心不全を発症した患者を除く)安静時心拍数が50bpm未満の患者症候性徐脈、再発性心原性失神、又は未治療の重度睡眠時無呼吸の既往歴のある患者モビッツ型第2度房室ブロックの既往歴のある患者(ペースメーカー使用患者を除く)

本剤投与開始前に脈拍、血圧及び心電図を測定すること。初回投与後4時間は継続して脈拍及び血圧を測定し、初回投与から4時間後に心電図を測定すること。脈拍、血圧又は心電図に異常が認められた場合は、回復するまでさらに継続して脈拍、血圧及び心電図を測定すること。処置が必要な場合は、一晩測定を続け、本剤の2回目の投与時にも、初回投与時と同様に脈拍、血圧及び心電図を測定すること。なお、本剤を休薬し、投与再開する場合も、同様の測定を行うこと。
また、本剤投与中は、患者の状態に応じて、脈拍、血圧及び心電図の測定を検討すること。[1.2、2.3、2.4、8.1、10.2、11.1.6参照]

2025年8月作成 VEL37P004A
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