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監修・症例提供:
高知大学医学部附属病院 老年病・循環器内科
久保 亨 先生
[LOGO TO BE UPDATED BY LOCAL MARKET.]
VYNDAQEL (tafamidis) 61 mg is indicated for the treatment of wild-type or hereditary transthyretin amyloidosis in adult patients with cardiomyopathy (ATTR-CM). VYNDAQEL (tafamidis meglumine) 20 mg is indicated for the treatment of transthyretin amyloidosis in adult patients with stage 1 symptomatic polyneuropathy (ATTR-PN) to delay peripheral neurologic impairment. [INDICATION TO BE UPDATED BY LOCAL MARKET.]
※ここでご紹介する症例は臨床症例の一部を紹介したもので、すべての症例が同様な結果を示すわけではありません。
「警告・禁忌を含む注意事項等情報」等は、電子添文をご参照ください。
久保 亨 先生のメッセージ
ビンダケルが承認されたことによって、治療の選択肢が増え、これまで以上に野生型ATTR-CMの早期治療が重要になってきました。
本症例は、心アミロイドーシスを疑う際の特徴的な所見である心電図での低電位を呈さず、心アミロイドーシスが多く潜在するHFpEFとは病態が異なっていましたが、その他の所見から心アミロイドーシスの可能性を疑ったことで確定診断に至った症例です。
典型例には該当しない所見がある場合でも、心アミロイドーシスの可能性を否定することなく、一つでも疑わしい所見があれば、他の所見も含めて総括的に心アミロイドーシスの可能性を考慮することが重要だと考えます。
本症例は74歳時に他院にて白内障手術施行前の心電図に異常が認められ、同院内科の心エコー検査にて心肥大が認められていました。その後、75歳時に心不全症状悪化が認められたため、当院に紹介されました。当院受診時の所見は、血圧は120/90mmHgで、高血圧の既往はありませんでした。BNPは273.6pg/mLと高値でした。
心不全病態の初期評価として以下を実施し、心アミロイドーシスの可能性を疑うべき所見を確認しました。
胸部誘導におけるV1~V4R波の増高不良(poor R progression)が認められました。また、心房細動、四肢誘導における伝導障害(左脚前枝ブロック)が認められました。これらの所見から心アミロイドーシスの可能性を疑いました。なお、心アミロイドーシスに特異的である四肢誘導での低電位は認められませんでしたが、心アミロイドーシスの可能性を否定するものではないと判断しました。
胸骨左縁長軸像、胸骨左縁左室短軸像、心尖部四腔像の心エコー図で、左室および右室の心筋にびまん性の肥厚が認められました。また、エコー輝度増強も認められました。これらの所見から心アミロイドーシスの可能性を疑いました。
なお、この症例は左室駆出率が36%で収縮能の低下が認められています。心アミロイドーシスは拡張不全を主体とすることを特徴としており、収縮能の保持された心不全(HFpEF)に多く潜在していることが報告されています5)が、心アミロイドーシスの可能性を否定するものではないと判断しました。
図2:心エコー図(拡張末期)
画像提供:高知大学医学部附属病院 老年病・循環器内科 久保 亨 先生
スペックルトラッキング法で、長軸方向ストレイン(GLS: global longitudinal strain)の低下がみられましたが、心尖部のストレインは比較的保たれていました(apical sparing)。apical sparingは心アミロイドーシスに特徴的な所見であることが報告されている6)ことから、さらに心アミロイドーシスの可能性を疑いました。
図3:心エコー図(左室長軸方向のストレインのBull’s Eye所見)/長軸方向ストレインの低下
画像提供:高知大学医学部附属病院 老年病・循環器内科 久保 亨 先生
心アミロイドーシスの可能性を精査するために以下を実施しました。
手根管症候群の既往や合併は特にATTR-CMにみられる特徴であることが報告されていること2,3)から、問診にて確認したところ、手根管症候群の既往は確認できませんでしたが、Phalenテストで左手の手根管症候群を疑う所見が認められました。神経伝導速度検査を実施したところ、左手の正中神経の局所伝導遅延が認められました。これらの所見からATTR-CMの疑いが強まりました。
心筋に高度集積が認められたことからATTR-CMの疑いがさらに強まりました。
このような経緯から、当院にて心アミロイドーシスの診断および原因蛋白の同定を目的とし、心筋生検を実施し、トランスサイレチンが同定されたため、熊本大学に遺伝子検査を依頼しました。
その結果、野生型ATTR-CMの確定診断に至りました。
トランスサイレチン型心アミロイドーシスが疑われたら、認定施設までご相談ください。
臨床徴候や検査所見などからトランスサイレチン型心アミロイドーシスが疑われる、あるいはトランスサイレチン型心アミロイドーシスの可能性が否定できない場合は、生検および染色などの専門的な診断が必要となります。日本循環器学会の認定施設への紹介をご検討ください。
ビンダケル®の効能又は効果
4.効能又は効果
ビンマック®の効能又は効果
4.効能又は効果
トランスサイレチン型心アミロイドーシス(野生型及び変異型)
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