トランスサイレチン型心アミロイドーシス（ATTR心アミロイドーシス）は予後不良の進行性疾患であるため、いかに早期に診断できるかが重要です。
心アミロイドーシスの診断において核医学検査が重要な役割を担っており、特にシンチグラフィはATTR心アミロイドーシスに対して診断能が高く、心アミロイドーシス診療ガイドライン並びに指定難病の診断項目のひとつとなっています。
しかし、ATTR心アミロイドーシス診断におけるシンチグラフィの撮像法及び評価法については十分な統一がされておらず、偽陰性・偽陽性所見を生む可能性があります。このような状況を鑑み、ATTR心アミロイドーシス診断におけるシンチグラフィの撮像法・評価法について、正しい診断のための基準、誤判定を最小にとどめるための目安を示すことを目的に、日本心臓核医学会から「ATTR心アミロイドーシス核医学画像診断ワーキンググループ報告」^１）が発表されました。

「正しい判断のための基準」と「誤判定を最小にするための目安」が示されました。

４．評価法

4.2 判定ツリー

陽性、陰性、判定保留のATTR心アミロイドーシス判定ツリーを示す。
明らかに集積のないGrade0、疑いなく集積のあるGrade3以外では原則SPECTの撮像、可能な限りCTなどの形態画像とのFusion画像を用いて判定する。

ATTR心アミロイドーシスの診断では、シンチグラフィ用製剤（PYPおよびHMDP）の有用性が示されており、核医学画像によるProbable診断が認められています。ATTR心アミロイドーシスを早期かつ正確に診断するため、日本心臓核医学会「ATTR心アミロイドーシス核医学画像診断ワーキンググループ報告」のATTR心アミロイドーシス判定ツリーや各項目の基準・目安・Tips等を日常診療にお役立てください。SPECT撮像が可能な施設においては、SPECT撮像を実施ください。