♦目的
TTR遺伝子野生型または変異型を有するATTR-CM患者に対するビンダケル®の有効性、安全性および忍容性を評価する。
♦試験デザイン
無作為化、二重盲検、プラセボ対照、多施設国際共同、3群、並行群間試験、検証試験
♦対象
TTR遺伝子野生型または変異型を有するATTR-CM患者 441例
組み入れ基準
- 心不全の既往歴があり、組織生検によりアミロイド沈着およびTTR前駆蛋白質が確認された患者
- ベースライン前2週間以内に心血管関連入院がなく、スクリーニング時に脳性ナトリウム利尿ペプチド前駆体N端フラグメント(NT-proBNP)濃度が600pg/mL以上および6分間歩行テスト(6MWT)を完了し、歩行距離が100mを超える患者
- 18~90歳の男女
♦解析計画
【主要評価項目】
〔主解析〕
全死亡*および心血管関連の入院頻度を階層的に評価した。ビンダケル®80mg群およびビンダケル®20mg群の患者を1つの群に併合し(ビンダケル®併合群)、Finkelstein-Schoenfeld法(F-S法)を用いてビンダケル®併合群とプラセボ群を比較した(両側検定、有意水準0.05)。
〔探索的解析〕
F-S法を用いて用量別(ビンダケル®80mg群対プラセボ群およびビンダケル®20mg群対プラセボ群)の比較を行った(両側検定、有意水準0.05)。
F-S法を用いてベースライン時のNYHA心機能分類別およびTTR遺伝子型別にビンダケル®併合群とプラセボ群を比較、サブグループ解析を行った(両側検定、有意水準0.05)。
【重要な副次評価項目】
〔重要な副次的解析〕
30ヵ月時の6MWTによる歩行距離のベースラインからの変化量および30ヵ月時のKCCQ-OSスコアのベースラインからの変化量は、反復測定データに対する混合効果モデル(MMRM)を用いて評価した。
主要評価項目の主解析で統計的に有意な結果(p≦0.05)が得られた場合に、30ヵ月時の6MWTによる歩行距離のベースラインからの変化量を有意水準0.05で検定した。6MWTで統計的な有意差を認めた場合、KCCQ-OSスコアのベースラインからの変化量を有意水準0.05で検定した。
【その他の副次評価項目】
- 全死亡*
[副次的解析]
Kaplan-Meier法により各投与群の生存率を推定した。
プラセボ群に対するビンダケル
®併合群のハザード比(95%信頼区間[CI])は、Cox比例ハザードモデル(投与群、TTR遺伝子型およびベースライン時のNYHA心機能分類を因子とした)を用いて算出した(両側検定、有意水準0.05)。
*心臓移植および人工心臓の埋め込みによる中止症例は全死亡に含む。
〔探索的解析〕
全死亡*は、TTR遺伝子型別にKaplan-Meier法により各投与群の生存率を推定し、Cox比例ハザードモデルを用いてプラセボ群に対するビンダケル®併合群のハザード比(95%CI)を算出、サブグループ解析を行った。
*心臓移植および人工心臓の埋め込みによる中止症例は全死亡に含む。
- 心血管関連の入院頻度
プラセボ群に対するビンダケル®併合群の相対リスク(95%CI)は、ポアソン回帰モデルを用いて投与期間を調整して算出した(両側検定、有意水準0.05)。投与群、TTR遺伝子型、ベースライン時のNYHA心機能分類、投与群とTTR遺伝子型の交互作用項、投与群とベースライン時のNYHA心機能分類の交互作用項を因子とした。
- 投与1ヵ月時のTTR安定化率
投与1ヵ月時にTTR 安定化率を達成した被験者の各投与群における割合をCochran-Mantel-Haenszel(CMH)検定を用いて比較した。
【事後解析評価項目】
以下の解析については、統計解析計画書で予め計画された解析ではないが、承認申請にあたって実施された解析であるため、結果を示す。
【探索的評価項目】
[探索的解析]
30ヵ月時を除く時点での6MWTによる歩行距離のベースラインからの変化量および30ヵ月時を除く時点でのKCCQ-OSスコアのベースラインからの変化量は、反復測定データに対する混合効果モデル(MMRM)を用いてベースライン後の各時点を評価した(両側検定、有意水準0.05)。ITT集団を主要な有効性解析対象集団とした。