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各臨床試験の結果
ビンダケル®は国際共同試験第Ⅲ相試験:ATTR-ACT試験 (B3461028試験) の成績を基に承認されました。
以下の臨床試験には、ビンダケル®のトランスサイレチン型心アミロイドーシス(ATTR-CM)に対する用法及び用量について、本邦における承認外の成績を含みます。

「禁忌を含む注意事項等情報」 等は電子添文をご参照ください。

国際共同第Ⅲ相臨床試験:ATTR-ACT(アトラクト)試験(国内を含む海外データ)1) 2)
社内資料(承認時評価資料):トランスサイレチン型心アミロイドーシス患者を対象とした国際共同試験(2019年3月26日承認、CTD2.7.3.2)Maurer, MS. et al.:JACC Basic Transl Sci 31(6):871, 2018 著者にファイザー株式会社より助成金を受けた者、ファイザー社のアドバイザリーボードを務めている者が含まれる。
試験概要
目的
TTR遺伝子野生型または変異型を有するATTR-CM患者に対するビンダケル®の有効性、安全性および忍容性を評価する。
試験デザイン
無作為化、二重盲検、プラセボ対照、多施設国際共同、3群、並行群間試験、検証試験
対象
TTR遺伝子野生型または変異型を有するATTR-CM患者 441例

組み入れ基準
  • 心不全の既往歴があり、組織生検によりアミロイド沈着およびTTR前駆蛋白質が確認された患者
  • ベースライン前2週間以内に心血管関連入院がなく、スクリーニング時に脳性ナトリウム利尿ペプチド前駆体N端フラグメント(NT-proBNP)濃度が600pg/mL以上および6分間歩行テスト(6MWT)を完了し、歩行距離が100mを超える患者
  • 18~90歳の男女
方法
ATTR-CM患者を2:1:2の割合で無作為に割り付け(ビンダケル®80mg群、ビンダケル®20mg群、プラセボ群)、ビンダケル®80mg、ビンダケル®20mgもしくはプラセボを1日1回最長30ヵ月間経口投与し、比較検討した。ITT集団(治験薬の投与を1回以上受け、ベースライン後の有効性の評価を1回以上受けた患者)を主要な有効性解析対象集団とした。

※40mgに減量した可能性のある患者を含む。

ビンダケル®の用法及び用量

6.用法及び用量(抜粋)

〈トランスサイレチン型心アミロイドーシス〉
通常、成人にはタファミジスメグルミンとして1回80mgを1日1回経口投与する。忍容性がない場合は減量できる。

評価項目
【主要評価項目】
  • 試験期間中の全死亡および心血管関連の入院頻度の複合評価項目(検証項目)
    *心臓移植および人工心臓の埋め込みによる中止症例は全死亡に含む。
【重要な副次評価項目】
  • 30ヵ月時の6分間歩行テスト(6MWT)による歩行距離のベースラインからの変化量(検証項目)
  • 30ヵ月時のKCCQ-OS(Kansas City Cardiomyopathy Questionnaire - Overall Summary)スコアのベースラインからの変化量(検証項目)
【その他の副次評価項目】
  • 全死亡
  • 心血管関連の入院頻度
  • 投与1ヵ月時のTTR安定化率
    *心臓移植および人工心臓の埋め込みによる中止症例は全死亡に含む。
【事後解析評価項目】
  • NT-proBNPのベースラインからの変化量(探索的評価項目)
  • トロポニンⅠのベースラインからの変化量(事後設定探索的評価項目)
【探索的評価項目】
  • 30ヵ月時を除く時点での6MWTによる歩行距離のベースラインからの変化量
  • 30ヵ月時を除く時点でのKCCQ-OSスコアのベースラインからの変化量
解析計画
【主要評価項目】
〔主解析〕
全死亡および心血管関連の入院頻度を階層的に評価した。ビンダケル®80mg群およびビンダケル®20mg群の患者を1つの群に併合し(ビンダケル®併合群)、Finkelstein-Schoenfeld法(F-S法)を用いてビンダケル®併合群とプラセボ群を比較した(両側検定、有意水準0.05)。
〔探索的解析〕
F-S法を用いて用量別(ビンダケル®80mg群対プラセボ群およびビンダケル®20mg群対プラセボ群)の比較を行った(両側検定、有意水準0.05)。
F-S法を用いてベースライン時のNYHA心機能分類別およびTTR遺伝子型別にビンダケル®併合群とプラセボ群を比較、サブグループ解析を行った(両側検定、有意水準0.05)。
【重要な副次評価項目】
〔重要な副次的解析〕
30ヵ月時の6MWTによる歩行距離のベースラインからの変化量および30ヵ月時のKCCQ-OSスコアのベースラインからの変化量は、反復測定データに対する混合効果モデル(MMRM)を用いて評価した。
主要評価項目の主解析で統計的に有意な結果(p≦0.05)が得られた場合に、30ヵ月時の6MWTによる歩行距離のベースラインからの変化量を有意水準0.05で検定した。6MWTで統計的な有意差を認めた場合、KCCQ-OSスコアのベースラインからの変化量を有意水準0.05で検定した。
【その他の副次評価項目】
  • 全死亡
    [副次的解析]
    Kaplan-Meier法により各投与群の生存率を推定した。
    プラセボ群に対するビンダケル®併合群のハザード比(95%信頼区間[CI])は、Cox比例ハザードモデル(投与群、TTR遺伝子型およびベースライン時のNYHA心機能分類を因子とした)を用いて算出した(両側検定、有意水準0.05)。
    *心臓移植および人工心臓の埋め込みによる中止症例は全死亡に含む。
    〔探索的解析〕
    全死亡は、TTR遺伝子型別にKaplan-Meier法により各投与群の生存率を推定し、Cox比例ハザードモデルを用いてプラセボ群に対するビンダケル®併合群のハザード比(95%CI)を算出、サブグループ解析を行った。
    *心臓移植および人工心臓の埋め込みによる中止症例は全死亡に含む。
     
  • 心血管関連の入院頻度
    プラセボ群に対するビンダケル®併合群の相対リスク(95%CI)は、ポアソン回帰モデルを用いて投与期間を調整して算出した(両側検定、有意水準0.05)。投与群、TTR遺伝子型、ベースライン時のNYHA心機能分類、投与群とTTR遺伝子型の交互作用項、投与群とベースライン時のNYHA心機能分類の交互作用項を因子とした。
    ​​​​
  • 投与1ヵ月時のTTR安定化率
    投与1ヵ月時にTTR 安定化率を達成した被験者の各投与群における割合をCochran-Mantel-Haenszel(CMH)検定を用いて比較した。
【事後解析評価項目】
以下の解析については、統計解析計画書で予め計画された解析ではないが、承認申請にあたって実施された解析であるため、結果を示す。
  • NT-proBNPのベースラインからの変化量
    ベースラインからの変化量の用量別解析は、12ヵ月時および30ヵ月時のプラセボ群に対する各用量の差とその95%CIを、さらに30ヵ月時はビンダケル®20mg群に対するビンダケル®80mg群の差とその95%CIをMMRMを用いて算出した(両側検定、有意水準0.05)。施設、施設内被験者を変量効果、投与群、時期、TTR遺伝子型、時期と投与群の交互作用項を固定効果、ベースライン値を共変量とした。
  • トロポニンⅠのベースラインからの変化量
    ベースラインからの変化量の用量別解析は、12ヵ月時および30ヵ月時のプラセボ群に対する各用量の差とその95%CIを、さらに30ヵ月時はビンダケル®20mg群に対するビンダケル®80mg群の差とその95%CIをMMRMを用いて算出した(両側検定、有意水準0.05)。施設、施設内被験者を変量効果、投与群、時期、TTR遺伝子型、時期と投与群の交互作用項を固定効果、ベースライン値を共変量とした。
【探索的評価項目】
[探索的解析]

30ヵ月時を除く時点での6MWTによる歩行距離のベースラインからの変化量および30ヵ月時を除く時点でのKCCQ-OSスコアのベースラインからの変化量は、反復測定データに対する混合効果モデル(MMRM)を用いてベースライン後の各時点を評価した(両側検定、有意水準0.05)。ITT集団を主要な有効性解析対象集団とした。

患者背景

年齢はスクリーニング時の年齢とし、スクリーニング時の年-出生年で算出した。スクリーニング時の年月日が生年月日よりも早い場合は、年齢=(スクリーニング時の年‒出生年) - 1とした。
試験成績ビンダケル®併合群の結果

ビンダケル®の用法及び用量

6.用法及び用量(抜粋)

〈トランスサイレチン型心アミロイドーシス〉
通常、成人にはタファミジスメグルミンとして1回80mgを1日1回経口投与する。忍容性がない場合は減量できる。

主要評価項目:試験期間中の全死亡および心血管関連の入院頻度の複合評価項目(検証項目)(ITT集団)(国内を含む海外データ)
ITT集団を対象とした主解析において、30ヵ月時の全死亡および心血管関連の入院頻度の複合評価項目について、ビンダケル®併合群でプラセボ群に対して優越性が検証されました(p=0.0006,F-S法※1:両側検定、有意水準0.05)。
30ヵ月時の生存率は、ビンダケル®併合群で70.5%(186/264例)、プラセボ群で57.1%(101/177例)でした。また、30ヵ月時の生存患者における心血管関連の入院頻度(1年あたり)※2の平均は、ビンダケル®併合群で0.30回、プラセボ群で0.46回でした。
*心臓移植および人工心臓の埋め込みによる中止症例は全死亡に含む。
両側検定、有意水準0.05全死亡および心血管関連の入院頻度の群間差はF-S法を用いて階層的に解析した。また、各被験者は同じ層内のすべての被験者とpairwise法により比較した。主解析は、ビンダケル®併合群とプラセボ群で全死亡および心血管関連の入院頻度の差異を階層的に評価した。なお、本解析の入院は、試験期間中の心血管関連の入院のみとし、無作為化前の理由を問わない入院は含めなかった。心血管関連の入院頻度(1年あたり)は、(心血管関連入院例数)/(試験期間[年])と定義した。死因に関係なくすべての死亡を計算に含めた生存率
その他の副次評価項目:全死亡(ITT集団)(国内を含む海外データ)
全死亡の割合は、ビンダケル®併合群で29.5%、プラセボ群で42.9%でした。
ビンダケル®併合群のプラセボ群に対する全死亡のハザード比は、0.698[95%CI:0.508-0.958](p=0.0259(名目上のp値)、Cox比例ハザードモデル:両側検定、有意水準0.05)で、ビンダケル®併合群は30ヵ月時の全死亡において、有意に死亡リスクを低下させました。(vs.プラセボ、30.2%低下)
*心臓移植および人工心臓の埋め込みによる中止症例は全死亡に含む。
全死亡(ITT集団)
※ハザード比はCox比例ハザードモデルを用いて解析し、投与群、TTR遺伝子型(野生型または変異型)、ベースライン時のNYHA心機能分類(Ⅰ・Ⅱ、Ⅲ度)を因子とした。
oは打ち切り例を示す。
NNT:number needed to treat
その他の副次評価項目:心血管関連の入院頻度※1(ITT集団)(国内を含む海外データ)
心血管関連の入院頻度※1(1年あたり)は、ビンダケル®併合群0.475回、プラセボ群0.7025回でした。ビンダケル®併合群のプラセボ群に対する心血管関連の入院頻度※1の相対リスクは、0.6761[95%CI:0.5639-0.8107](p<0.0001(名目上のp値)、ポアソン回帰モデル※2:両側検定、有意水準0.05)で、ビンダケル®併合群は、30ヵ月時の心血管関連の入院頻度において、有意に入院頻度を低下させました(vsプラセボ、32.4%低下)
心血管関連の入院頻度※1(1年あたり)(ITT集団)
NNT:number needed to treat心血管関連の入院頻度(1年あたり)は、(心血管関連入院例数)/(試験期間[年])と定義した。 ポアソン回帰モデルでは、投与群、TTR遺伝子型(野生型または変異型)、ベースライン時のNYHA心機能分類(Ⅰ・Ⅱ、Ⅲ度)、投与群とTTR遺伝子型の交互作用項、投与群とベースライン時のNYHA心機能分類の交互作用項を治療期間の調整因子として組み入れた。なお、本解析の入院は、試験期間中の心血管関連の入院のみとし、無作為化前の理由を問わない入院は含めなかった。
重要な副次評価項目(検証項目)・探索的評価項目:6MWTの歩行距離のベースラインからの変化量の推移(ITT集団)(国内を含む海外データ)
6分間歩行テスト(6MWT)のベースラインからの変化量において、ビンダケル®併合群はプラセボ群と比較し、6ヵ月時から有意な低下を認めました(p<0.0001、MMRM:両側検定、有意水準0.05、検証項目)。
6MWTの歩行距離のベースラインからの変化量の推移(ITT集団)
最小二乗平均の群間差は、ANCOVA(MMRM)を用いて解析した。本モデルでは施設および施設内の患者を変量効果、投与群、測定時期、TTR遺伝子型(野生型または変異型)、投与群と測定時期の相互作用項を固定効果、ベースライン値を共変量、分散共分散構造を無構造とした。
重要な副次評価項目(検証項目)・探索的評価項目:KCCQ-OSスコアのベースラインからの変化量の推移(ITT集団)(国内を含む海外データ)
KCCQ-OSスコアのベースラインからの変化量において、ビンダケル®併合群はプラセボ群と比較し、6ヵ月時から有意な低下を認めました(p<0.0001、MMRM:両側検定、有意水準0.05、検証項目)。
KCCQ-OSスコアのベースラインからの変化量の推移(ITT集団)
KCCQ-OSスコアは、身体的制限、症状の頻度、症状による負担、QOL、社会的制限の各ドメインスコアの平均とした。
最小二乗平均の群間差は、ANCOVA(MMRM)を用いて解析した。本モデルでは施設および施設内の患者を変量効果、投与群、測定時期、TTR遺伝子型(野生型または変異型)、投与群と測定時期の相互作用項を固定効果、ベースライン値を共変量、分散共分散構造を無構造とした。
用量別解析

ビンダケル®の用法及び用量

6.用法及び用量(抜粋)

〈トランスサイレチン型心アミロイドーシス〉
通常、成人にはタファミジスメグルミンとして1回80mgを1日1回経口投与する。忍容性がない場合は減量できる。

探索的評価項目(事後評価項目):NT-proBNPのベースラインからの変化量の用量別解析(ITT集団)(国内を含む海外データ)

本解析は統計解析計画書で予め計画された解析ではありませんが、承認申請にあたって実施されたため、解析結果を掲載します。

12ヵ月時、30ヵ月時のNT-proBNPのベースラインからの変化量(最小二乗平均値±標準誤差)はビンダケル®80mg群で633.22±207.613pg/mL、1371.71±296.336pg/mLであり、いずれもプラセボ群との群間差で統計学的に有意な差が認められました(それぞれp=0.0004、p<0.0001(いずれも名目上のp値)、MMRM、有意水準0.05)。また、ビンダケル®20mg群では1185.82±400.824pg/mL、2542.23±577.783pg/mLであり、プラセボ群との群間差で統計学的に有意な差が認められませんでした(それぞれp=0.4026、p=0.0571(いずれも名目上のp値)、MMRM、有意水準0.05)。
30ヵ月時におけるビンダケル®80mg群とビンダケル®20mg群との群間差(95%CI)は1170.51±587.31(16.87-2324.16)pg/mLで、統計学的に有意な差が認められました(p=0.0468(いずれも名目上のp値)、MMRM、有意水準0.05)。
NT-proBNPのベースラインからの変化量の用量別解析(ITT集団)
※名目上のp値、MMRM
最小二乗平均値の群間差は、ANCOVA(MMRM)を用いて解析した。本モデルでは施設および施設内の患者を変量効果、投与群、測定時期、TTR遺伝子型(野生型または変異型)、投与群と測定時期の相互作用項を固定効果、ベースライン値を共変量、分散共分散構造を無構造とした。
事後に設定された探索的評価項目(事後評価項目):トロポニンIのベースラインからの変化量の用量別解析(ITT集団)(国内を含む海外データ)

本解析は統計解析計画書で予め計画された解析ではありませんが、承認申請にあたって実施されたため、解析結果を掲載します。

12ヵ月時、30ヵ月時のトロポニンⅠのベースラインからの変化量(最小二乗平均値±標準誤差)はビンダケル®80mg群で0±0.017ng/mL、0.01±0.02ng/mLであり、いずれもプラセボ群との群間差で統計学的に有意な差が認められました(それぞれp=0.0003、p<0.0001(いずれも名目上のp値)、MMRM:両側検定、有意水準0.05)。また、ビンダケル®20mg群では0.11±0.090ng/mL、0.06±0.041ng/mLであり、プラセボ群との群間差で統計学的に有意な差が認められませんでした(それぞれp=0.6331、p<0.2246(いずれも名目上のp値)、MMRM:両側検定、有意水準0.05)。
30ヵ月時におけるビンダケル®80mg群とビンダケル®20mg群との群間差(95%CI)は0.05±0.04(-0.03-0.13)ng/mLであり、統計学的に有意な差が認められませんでした(p=0.2479(名目上のp値)、MMRM:両側検定、有意水準0.05)。
トロポニンⅠのベースラインからの変化量の用量別解析(ITT集団)
※名目上のp値、MMRM
最小二乗平均値の群間差は、ANCOVA(MMRM)を用いて解析した。本モデルでは施設および施設内の患者を変量効果、投与群、測定時期、TTR遺伝子型(野生型または変異型)、投与群と測定時期の相互作用項を固定効果、ベースライン値を共変量、分散共分散構造を無構造とした。
NYHA心機能分類別解析(サブグループ解析)
ビンダケル®の効能又は効果に関連する注意、用法及び用量
5.効能又は効果に関連する注意(抜粋)
〈トランスサイレチン型心アミロイドーシス〉
5.6NYHA心機能分類Ⅲ度の患者では、NYHA心機能分類Ⅰ・Ⅱ度の患者より相対的に本剤の有効性が低い可能性があるので、本剤の作用機序、及び臨床試験で示唆されたNYHA心機能分類と有効性の関係を十分に理解し、患者の状態を考慮した上で、本剤投与の要否を判断すること。[17.1.3参照]
5.7NYHA心機能分類Ⅳ度の患者における有効性及び安全性は確立していない。臨床試験での使用経験がない。
6.用法及び用量(抜粋)
〈トランスサイレチン型心アミロイドーシス〉
通常、成人にはタファミジスメグルミンとして1回80mgを1日1回経口投与する。忍容性がない場合は減量できる。
主要評価項目の探索的解析:全死亡および心血管関連の入院頻度の複合評価項目のベースライン時のNYHA心機能分類別解析(ITT集団)(国内を含む海外データ)(サブグループ解析)
ITT集団を対象とした主解析のベースライン時におけるNYHA心機能分類別解析において、試験期間中の全死亡および心血管関連の入院頻度の複合評価項目について、ベースライン時のNYHA心機能分類Ⅰ・Ⅱ度の集団では、ビンダケル®併合群はプラセボ群と比較して統計学的に有意な差が認められました(p=0.0005(名目上のp値)、F-S法※1:両側検定、有意水準0.05)。また、ベースライン時のNYHA心機能分類Ⅲ度の集団では、ビンダケル®併合群はプラセボ群と比較して統計学的な有意差は認められませんでした(p=0.7819(名目上のp値)、F-S法※1:両側検定、有意水準0.05)。
30ヵ月時の生存率は、ベースライン時のNYHA心機能分類Ⅰ・Ⅱ度の集団ではビンダケル®併合群で81.2%(151/186例)、プラセボ群で67.5%(77/114例)、 ベースライン時のNYHA心機能分類Ⅲ度の集団ではビンダケル®併合群で44.9%(35/78例)、プラセボ群で38.1%(24/63例)でした。また、30ヵ月時の生存患者における心血管関連の入院頻度(1年あたり)の平均は、 ベースライン時のNYHA心機能分類Ⅰ・Ⅱ度の集団ではビンダケル®併合群で0.246回、プラセボ群で0.457回、ベースライン時のNYHA心機能分類Ⅲ度の集団ではビンダケル®併合群で0.516回、プラセボ群で0.447回でした。
心臓移植および人工心臓の埋め込みによる中止症例は全死亡に含む。
全死亡および心血管関連の入院頻度の複合評価項目[ベースライン時のNYHA心機能分類別解析 (ITT集団)]
両側検定、有意水準0.05全死亡および心血管関連の入院頻度の群間差はF-S法を用いて階層的に解析した。また、各被験者は同じ層内のすべての被験者とpairwise法により比較した。主解析は、ビンダケル®併合群とプラセボ群で全死亡および心血管関連の入院頻度の差異を階層的に評価した。なお、本解析の入院は、試験期間中の心血管関連の入院のみとし、無作為化前の理由を問わない入院は含めなかった。心血管関連の入院頻度(1年あたり)は、(心血管関連入院例数)/(試験期間[年])と定義した。 死因に関係なくすべての死亡を計算に含めた生存率
安全性(国内を含む海外データ)
治験薬との因果関係が否定されなかった有害事象の発現率は、ビンダケル®80mg群で44.9%(79/176例)、ビンダケル®20mg群で38.6%(34/88例)、プラセボ群で50.8%(90/177例)でした 。
治験薬との因果関係が否定されなかった主な有害事象は、ビンダケル®80mg群で下痢14例(8.0%)、悪心10例(5.7%)、尿路感染4例(2.3%)など、ビンダケル®20mg群で下痢2例(2.3%)、悪心1例(1.1%)、尿路感染5例(5.7%)など、プラセボ群で下痢18例(10.2%)、悪心10例(5.6%)、尿路感染8例(4.5%)などでした 。
治験薬との因果関係が否定されなかった死亡は認められず、治験薬との因果関係が否定されなかった重篤な有害事象は、ビンダケル®80mg群で3例(膵炎、尿路感染、肝機能検査値上昇 各1例)、ビンダケル®20mg群で2例(胃炎、急性腎障害 各1例)、プラセボ群で4例(心室細動、うっ血性心不全・疾患進行、胆嚢腺癌、浮動性めまい・嗜眠・呼吸困難 各1例)でした。治験薬との因果関係が否定されなかった投与中止に至った有害事象は、ビンダケル®80mg群で1例(血中クレアチニン増加)、プラセボ群で3例(心室細動、胆嚢腺癌、浮動性めまい・嗜眠・呼吸困難 各1例)でした 。
治験薬との因果関係が否定されなかった有害事象の要約
ビンダケル®の用法及び用量
6.用法及び用量(抜粋)
〈トランスサイレチン型心アミロイドーシス〉
通常、成人にはタファミジスメグルミンとして1回80mgを1日1回経口投与する。忍容性がない場合は減量できる。
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