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~海外市販後安全性臨床試験と米国のReal World Evidence~
「警告・禁忌を含む注意事項等情報」等については、製品情報(電子添文等)をご参照ください。
RCTは、評価のバイアスを避け、客観的に治療効果を評価したエビデンスを提供します。
RWEは、合併症または治療歴、薬剤の治療状況、広範な医療環境など多様な背景をもつ患者集団が対象となり、RCTを補完できるデータです。
1. Choy, E. H.:Rheumatology (Oxford) 58(6):953, 2019
2. Danese, S. et al.: Gut 68(10):1893, 2019
3. Katkade, V. B. et al.:J Multidiscip Healthc 11:295, 2018
4. Garrison, L.P. Jr. et al.:Value Health. 10(5):326, 2007
本試験は、ファイザー株式会社のスポンサーシップのもと実施されました。
関節リウマチ(RA)治療薬の有効性と安全性の検討には、臨床試験および市販後の実臨床におけるエビデンスの蓄積が極めて重要となります。RA治療薬のゼルヤンツ(トファシチニブ)においても、「臨床試験」と「実臨床」の両⽅のエビデンスが蓄積され、検討されています。しかしながら、臨床試験(RCTs)と実臨床(RWE)では患者集団、特定の共存疾患、治療歴など、様々な相違があることから、RCTsの結果は、実臨床解析から得られた結果と直接⽐較することはできません。RWEとその価値について、RCTとの相違も踏まえてご紹介します。
FDAおよび厚⽣労働省の定義1,2
多様なソースから⽇常的に収集される、患者の健康状態または医療提供に関するデータ
EMAの定義3
従来の治験以外の多様なソースから⽇常的に収集される、患者の健康状態または医療提供に関するデータ
FDAの定義1
RWDの分析から得られた、医薬品の使⽤⽅法や潜在的なベネフィット・リスクに関する臨床的なエビデンス
EMAの定義3
RWDの分析から得られる情報
注)出典2にRWEの定義の記載なし。
RWD(real-world data)=リアルワールドデータ、RWE (real-world evidence)=リアルワールドエビデンス
1. FDA. Framework for FDA’s real-world evidence program. https://www.fda.gov/media/120060/download. 2023/5/29参照
2.令和3 年3⽉23⽇付「承認申請等におけるレジストリの活⽤に関する基本的考え⽅」について(薬⽣薬審発0323 第1号、薬⽣機審発0323 第1 号)
3. Cave, A. et al.:Clin Pharmacol Ther 106(1):36, 2019
EMR(electronic medical record)=電⼦医療記録、HCP(healthcare professional)=医療従事者、RCT(randomized controlled trial)= 無作為化⽐較試験、RWD(real-world data)=リアル
ワールドデータ
RWDは⽇常の臨床診療で収集が可能1
RWDのソースはほとんどが電⼦データであるため、⽐較的容易かつ体系的に収集が可能1
複数のRWD のソースは実臨床下での使⽤状況を表しており、HCPによる解析が可能1
1. Katkade, V. B. et al.:J Multidiscip Healthc 11:295, 2018
2. Curtis, M. D. et al.:Health Serv Res 53(6):4460, 2018
EHR(electronic health record)=電⼦カルテ、RCT(randomized controlled trial)=無作為化⽐較試験、RWE(real-world evidence)=リアルワールドエビデンス
新しい治療薬は有効性と安全性を評価するRCTを経て承認されます。RCTは管理された限定的な患者を対象とし、厳密な試験デザインであるため、質の⾼いデータが得られ、安全性および有効性を評価する「ゴールドスタンダード」です。
承認後、新しい治療薬は実臨床で使⽤されるようになり、使⽤成績や承認後の臨床試験などで評価されます。RWEはRCTを補⾜し、⻑期的な安全性および有効性に関する情報を提供します。
Journal of Multidisciplinary Healthcare 2018:11 295-304 Originally published by, adapted and used with permission from Dove Medical press Ltd.
1. Nallamothu, B. K. et al.:Circulation 118(12):1294, 2008
2. Katkade, V. B. et al.:J Multidiscip Healthc 11:295, 2018
RCT | RWE | |
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AE(adverse event)=有害事象、RCT(randomized controlled trial)=無作為化⽐較試験、RWE(real-world evidence)=リアルワールドエビデンス、SoC(standard of care)=標準治療
1. Nallamothu, B. K. et al.:Circulation 118(12):1294, 2008
2. Nikiphorou, E. et al.:Nat Rev Rheumatol 13(8):503, 2017
3. Katkade, V. B. et al.:J Multidiscip Healthc 11:295, 2018
4. Blonde, L. et al.:Adv Ther 35(11):1763, 2018
5. FDA. Framework for FDA’s real-world evidence program. https://www.fda.gov/media/120060/download. 2023/5/29参照
6. Garrison, L. P. et al.:Value Health 10(5):326, 2007
RCT(randomised controlled trial)=無作為化⽐較試験、RWD(real-world data)=リアルワールドデータ
対象が多様かつ幅広い患者集団であることの他、RWDの潜在的な強みについて、さらにご紹介します。
RWDにより実臨床における有効性のエビデンスが得られる点があげられます。
実臨床では、患者が服⽤アドヒアランスを遵守していないケースや、多数の併⽤薬を使⽤しているケースもみられます。また、治療においては医師による臨床的意思決定が介在しますが、それらを反映したエビデンスが得られることになります。
次に、標準的なRCTと⽐べて詳細かつ⻑期的な情報が得られます。
RWDでは⻑期にわたる追跡が可能であり、治療の効果発現時間が⻑いケースや希少なケースを収集する上で重要です。
さらに、RCTでは不可能な場合がある他剤との相対的なエビデンスを得ることができます。
また、RWDの患者集団は多様であるため、RWDを解析することにより、⼈種的・⺠族的マイノリティ、⾼齢者および社会経済学的弱者の健康を把握し、⽀援することに役⽴ちます。
RCTで観察された結果が⽇常の臨床診療でも観察されるかをRWEで評価できる点は、治療選択肢の有効性・安全性を把握する上で⾮常に重要であるといえます。
1. Katkade, V. B. et al.:J Multidiscip Healthc 11:295, 2018
2. Camm, A. J. et al.:Open Heart 5(1):e000788, 2018
RWD(real-world data)=リアルワールドデータ
⼀⽅でRWDには潜在的な限界もあります。
まず、RWDはさまざまなバイアス(偏り)の影響を受けやすい点があげられます。
また、標準化および無作為化の⽋如により、ベースライン時に患者集団が同等ではない可能性があります。
さらに、⽋損データやデータ⼊⼒エラー、コーディングエラーなどによりデータの品質が低下する可能性があります。
バイアスの低減に向けて、統計的⼿法が⽤いられています。
1. Katkade, V. B. et al.:J Multidiscip Healthc 11:295, 2018
2. Camm, A. J. et al.:Open Heart 5(1):e000788, 2018
3. Finckh, A. et al.:Joint Bone Spine 85(3):271, 2018
HCP(healthcare professional)=医療従事者、RCT(randomized controlled trials)=無作為化⽐較試験、RWD(real-world data)=リアルワールドデータ、RWE(real-world evidence)=リアルワールドエビデンス
患者および医療従事者(HCP)以外もRWEから価値ある情報を得ることができます。
規制当局は、市販前と市販後の両⽅の規制要件に従って安全性および有効性を評価でき、医療政策に関する情報を提供することができます。
費⽤に関する点では、最も費⽤効果の⾼い治療を特定し、患者の医療費負担を軽減することができたり、 RWEはRCTを実施するより少ない費⽤で解析することができます。
学術機関においては、疾患を理解するためにRWEを⽤いることができます。
医薬品、医療機器およびバイオテクノロジー企業では、治療法のベネフィット・リスクプロファイルを明確にすることができます。
1. Camm, A. J. et al.:Open Heart 5(1):e000788, 2018
2. Katkade, V. B. et al.:J Multidiscip Healthc 11:295, 2018
3. Sherman, R. E. et al.:N Engl J Med 375(23):2293, 2016
4. Khozin, S. et al.:JNCI Natl Cancer Inst 109(11):djx187, 2017
国内で承認された内容以外の情報を含んでいます。
本邦で承認された⽤法・⽤量:通常、トファシチニブとして1回5mgを1⽇2回経⼝投与する。
注)併⽤薬のMTXは各地域の規制で定められた⽤法・⽤量によるもので、本邦での承認⽤法・⽤量とは異なる。
本邦におけるMTXの承認⽤量(関節リウマチ):通常、1週間単位の投与量をメトトレキサートとして6mgとし、1週間単位の投与量を1回⼜は2~3回に分割して経⼝投与する。分割して投与する場合、初⽇から2⽇⽬にかけて12時間間隔で投与する。1回⼜は2回分割投与の場合は残りの6⽇間、3回分割投与の場合は残りの5⽇間は休薬する。これを1週間ごとに繰り返す。なお、患者の年齢、症状、忍容性及び本剤に対する反応等に応じて適宜増減するが、1週間単位の投与量として16mgを超えないようにする。
本コンテンツは、日本国内の医療・医薬関係者を対象に、日本国内で医療用医薬品を適正にご使用いただくため、日本国内の承認に基づき作成されています。日本の医療機関・医療提供施設等に所属し、医療行為に携っている方を対象としており、日本国外の医療関係者、一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
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