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本剤投与により、結核、肺炎、敗血症、ウイルス感染等による重篤な感染症の新たな発現もしくは悪化等が報告されており、本剤を服用した患者は服用しなかった患者や他の治療法(TNF阻害剤の投与)を受けた患者に比べ悪性腫瘍の発現率が高いという報告があります。また心血管系事象は本剤を服用した患者では他の治療法(TNF阻害剤の投与)を受けた患者に比べ発現率が高いという報告もあります。本剤が疾病を完治させる薬剤ではないことも含め、これらの情報を患者に十分説明し、患者が理解したことを確認したうえで、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与してください。
また、本剤投与により重篤な副作用が発現し、致命的な経過をたどることがあります。本剤投与後に副作用が発現した場合には、服用を中止し、主治医に連絡するよう、患者にご説明ください。
1.警告 | ||||
1.1 | 本剤投与により、結核、肺炎、敗血症、ウイルス感染等による重篤な感染症の新たな発現もしくは悪化等が報告されており、本剤との関連性は明らかではないが、悪性腫瘍の発現も報告されている。本剤が疾病を完治させる薬剤でないことも含め、これらの情報を患者に十分説明し、患者が理解したことを確認した上で、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。 また、本剤投与により重篤な副作用が発現し、致命的な経過をたどることがあるので、緊急時の対応が十分可能な医療施設及び医師が使用し、本剤投与後に副作用が発現した場合には、主治医に連絡するよう患者に注意を与えること。[1. 2. 1、1. 2. 2、2. 2、2. 3、7. 3、7. 7、8. 1-8. 5、8. 8、9. 1. 1-9. 1. 3、9. 1. 9、11. 1. 1参照] |
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1.2 | 感染症 | |||
敗血症、肺炎、真菌感染症を含む日和見感染症等の致死的な感染症が報告されているため、十分な観察を行うなど感染症の発症に注意すること。[1. 1、2. 2、7. 3、7. 7、8. 1、8. 8、9. 1. 1、9. 1. 3、11. 1. 1 参照] | ||||
1.2.2 結核 播種性結核(粟粒結核)及び肺外結核(脊椎、脳髄膜、胸膜、リンパ節等)を含む結核が報告されている。結核の既感染者では症状の顕在化及び悪化のおそれがあるため、本剤投与に先立って結核に関する十分な問診及び胸部レントゲン検査に加え、インターフェロン-γ遊離試験又はツベルクリン反応検査を行い、適宜胸部CT検査等を行うことにより、結核感染の有無を確認すること。結核の既往歴を有する患者及び結核の感染が疑われる患者には、結核等の感染症について診療経験を有する医師と連携の下、原則として本剤の投与開始前に適切な抗結核薬を投与すること。 ツベルクリン反応等の検査が陰性の患者において、投与後活動性結核が認められた例も報告されている。[1. 1、2. 3、8. 3、9. 1. 2、11. 1. 1参照] |
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1.3 | 関節リウマチ患者では、本剤の治療を行う前に、少なくとも1剤の抗リウマチ薬等の使用を十分勘案すること。また、本剤についての十分な知識とリウマチ治療の経験をもつ医師が使用すること。 | |||
1.4 | 潰瘍性大腸炎患者では、本剤の治療を行う前に、少なくとも1剤の既存治療薬(ステロイド、免疫抑制剤又は生物製剤)の使用を十分勘案すること。また、本剤についての十分な知識と潰瘍性大腸炎治療の経験をもつ医師が使用すること。 |
本剤の投与中に好中球減少があらわれることがあります。
本剤投与中は定期的に検査を実施し、好中球数が500/mm3未満の患者には本剤を投与しないでください。
本剤投与中に継続して500~1000/mm3の好中球減少が認められた患者は、好中球数が1000/mm3を超えるまで本剤の投与を中断してください。
「ゼルヤンツ錠5mg 適正使用ガイド(2024年6月作成)」
本剤の投与中にリンパ球減少が認められ、またリンパ球減少と重篤な感染症発現に関連が認められています。
リンパ球減少と重篤な感染症発現には関連がみられることから、本剤投与中は定期的にリンパ球数を確認してください。
リンパ球数が500/mm3未満であった場合には、本剤を投与しないでください。
「ゼルヤンツ錠5mg 適正使用ガイド(2024年6月作成)」
本剤は、その作用機序からJAK2を介する受容体活性を阻害することによりエリスロポエチンのシグナル伝達を抑制すると考えられるため、ヘモグロビン減少が認められる可能性があります。
第3相試験及び長期投与試験で認められた貧血はほとんどが軽度から中等度でしたが、重度の貧血の発現にも注意してください。
本剤投与中は定期的に検査を実施し、ヘモグロビン8g/dL未満の患者又は本剤投与開始後に2g/dLを超える低下を示した患者では正常化するまで本剤の投与を中断してください。
「ゼルヤンツ錠5mg 適正使用ガイド(2024年6月作成)」
本剤の投与中に、総コレステロール、LDLコレステロール及びHDLコレステロールの増加等の脂質検査値異常があらわれることがあります。
本剤投与開始後は定期的に脂質検査値を確認してください。
臨床上必要と認められた場合には、高脂血症治療薬の投与等の適切な処置を考慮してください。
本剤投与中のアトルバスタチンの脂質への影響を検討した臨床試験において、関節リウマチ患者にアトルバスタチンを投与した結果、プラセボ投与群と比較して有意なLDLコレステロールの減少が認められています(p<0.0001)。
「ゼルヤンツ錠5mg 適正使用ガイド(2024年6月作成)」
ゼルヤンツの効能又は効果
中等症から重症の潰瘍性大腸炎の寛解導入及び維持療法(既存治療で効果不十分な場合に限る)
[効能又は効果に関連する注意]
潰瘍性大腸炎
過去の治療において、他の薬物療法(ステロイド、免疫抑制剤又は生物製剤)による適切な治療を行っても、疾患に起因する明らかな臨床症状が残る場合に投与すること。
本コンテンツは、日本国内の医療・医薬関係者を対象に、日本国内で医療用医薬品を適正にご使用いただくため、日本国内の承認に基づき作成されています。日本の医療機関・医療提供施設等に所属し、医療行為に携っている方を対象としており、日本国外の医療関係者、一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
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