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小児神経因性膀胱の可能性について、難治性の下部尿路症状から疑うポイントを、症例をもとにご紹介します。
※ここでご紹介する症例は臨床症例の一部を紹介したもので、すべての症例が同様な結果を示すわけではありません。
監修・症例提供:長野県立信州医療センター 泌尿器科 部長 井川靖彦 先生
長野県立こども病院 泌尿器科 部長 市野みどり 先生
6歳、男児。乳児期に仙骨部腫瘤切除の既往があります。
3歳の時に排尿は自立しましたが、昼間尿失禁、便秘が続いたため、脳外科を受診し、当科に紹介となりました。
初診時の症状は、
臀裂の頭側は右に偏位し、仙骨部に手術痕がありました。
排尿筋過活動(↓)を認めました。
排尿期には明らかな異常を認めませんでした。
低位脊髄円錐が認めましたが、脊髄係留の所見は明らかではありませんでした。
このため、下部尿路機能障害の原因が脊髄疾患であると確定できなかったため、行動療法と抗コリン薬の投与を行いました。
これにより尿失禁はやや軽減したものの持続していました。
経過観察を行うと、1年後に尿流異常、残尿が出現しました。
排尿筋過活動(↓)の頻度は減少を認めましたが、蓄尿期に膀胱尿管逆流が出現し、排尿時に排尿筋括約筋協調不全を認めました。
下部尿路機能障害が増悪したため、腰仙椎MRIを再検したところ、1年前と明らかな変化は認められませんが、低位脊髄円錐を認めました。下部尿路機能障害の増悪に脊髄病変が関連していると判断し、係留解除術を施行しました。
排尿筋過活動は消失し、排尿筋括約筋協調不全の改善が認められました。
術後便失禁、尿失禁は減少しました。
13歳時に発達障害が顕在化しました。行動障害や発達障害と下部尿路機能障害の合併頻度が高いことが知られており、病状に応じた行動療法が必要です。昼間尿失禁はなく、夜尿もほぼ消失しています。
蓄尿障害のみが認められた患者であっても、病態の進行によっては排出障害も発現することを示す1例です。診断時点の症状のみに焦点をあてた検査だけではなく、神経因性膀胱により生じる可能性のある症状を念頭に置いて患者をモニタリングする必要があります。
01 疾患を理解する
02 可能性を疑う
03 診断を行う
04 治療をする
05 疾患紹介動画
小児神経因性膀胱と二分脊椎
小児神経因性膀胱の診療の流れ
小児神経因性膀胱の早期診断・治療の重要性
難治性の下部尿路症状から疑う
検査所見から疑う
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