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潰瘍性大腸炎の治療指針 潰瘍性大腸炎治療指針Loading 寛解導入療法Loading寛解維持療法Loading寛解導入療法 直腸炎型Loading 左側大腸炎型・全大腸炎型Loading A. 軽症Loading B. 中等症Loading C. 重症Loading D. 劇症型(急性劇症型または再燃劇症型)Loading E. 難治例Loading F. 中毒性巨大結腸症Loading直腸炎型

5-ASA(5-アミノサリチル酸)製剤の経口剤(ペンタサ®顆粒/錠・サラゾピリン®錠・アサコール®錠・リアルダ®錠)または坐剤(ペンタサ®坐剤・サラゾピリン®坐剤)あるいは注腸剤(ペンタサ®注腸)による治療を行う。これで改善がなければ、製剤(経口剤、坐剤、注腸剤)の変更や追加、あるいは成分の異なる局所製剤への変更または追加を行う。

局所製剤:5-ASA製剤では、坐剤としてはペンタサ®坐剤1日1g、あるいは注腸剤としてはペンタサ®注腸1日1gを使用する。ステロイドを含む製剤ではリンデロン®坐剤1日0.5~2mgまたはステロイド注腸[プレドネマ®注腸1日20~40mg、ステロネマ®注腸1日3~6mg、レクタブル®注腸フォーム1回1プッシュ(ブデソニドとして2mg)1日2回]を使用する。注腸剤の到達範囲は概ねS状結腸までである。レクタブル®注腸フォームは軽症から中等症例に使用する。
経口剤:ペンタサ®顆粒/錠1日1.5~4.0g、サラゾピリン®錠1日3~4g〈注1〉、アサコール®錠1日 2.4~3.6g、リアルダ®錠1日2.4~4.8gいずれかを使用する。寛解導入療法として5-ASA製剤は高用量の効果が高いことから最大量での投与が望ましい。小児でも高用量の効果が高いことが知られている。

上記の治療法が奏効した場合にはリンデロン®坐剤、ステロイド注腸、ブデソニド注腸フォーム剤は中止または漸減離脱し、寛解維持療法に移行する。

ステロイドを含む製剤は、局所製剤であっても長期投与で副作用の可能性があるので、症状が改善すれば漸減、中止が望ましい。以上の治療を最大限行ったにもかかわらず、寛解導入に至らない場合には、左側大腸炎・全大腸炎の中等症に準じるが、ステロイドの全身投与(特に大量投与)は安易に行うべきではない。また、軽度の症状が残る場合、追加治療のメリットとデメリットを考慮し、経過観察するという選択肢もある。小児では短期間に全大腸炎型に進展しやすい。
左側大腸炎型・全大腸炎型A. 軽症

(1)

ペンタサ®顆粒/錠1日1.5~4.0g、サラゾピリン®錠1日3~4g、アサコール®錠1日2.4~3.6g、リアルダ®錠1日2.4~4.8gのいずれかを経口投与する。ペンタサ®注腸を併用すると効果の増強が期待できる。ペンタサ®注腸を併用する場合は、経口5-ASA製剤を最大用量併用することが望ましい。左側大腸の炎症が強い場合はステロイド注腸やブデソニド注腸フォーム剤の併用が有効な場合がある。

2週間以内に明らかな改善があれば引き続きこの治療を続け、可能ならステロイド注腸やブデソニド注腸フォーム剤は中止または漸減離脱する。寛解導入後は後述の寛解維持療法を行う。
 

(2)

服薬遵守がなされているにもかかわらず、改善がなければ以上に加えて中等症の(2)【プレドニゾロン経口投与】の治療を行う。
 

(3)

ペンタサ®顆粒/錠、サラゾピリン®錠、アサコール®錠、リアルダ®錠を開始後早期に(多くは2週間以内)発熱、腹部症状の悪化などが認められたら、5-ASA製剤による症状の悪化(5-ASA不耐)を考慮し上記製剤の中止を検討する。

左側大腸炎型は罹患範囲が脾彎曲を超えないものと定義されている。
B. 中等症

(1)

基本的には軽症に準じてよいが、5-ASA製剤は高用量を使用することが望ましい(ペンタサ®顆粒/錠1日4.0g、サラゾピリン®錠1日3g以上、アサコール®錠1日3.6g、リアルダ®錠1日4.8g)。
 

(2)

炎症や症状が強い場合は、軽症の治療に加えてプレドニゾロン1日30~40mgの経口投与を初期より行ってもよい。
また軽症に準じた治療で2週間以内に明らかな効果がない場合や途中で増悪する場合もプレドニゾロン1日30~40mgの経口投与を併用する。
これで明らかな効果が得られたら、20mgまで漸次減量し、以後は2週間毎に5mg程度ずつ減量する。原則として投与後3ヶ月をめどにプレドニゾロンから離脱するようにする。その後は軽症に準じて治療継続を原則とする。

 

(3) 
5-ASA製剤による治療で効果不十分な場合には、プレドニゾロンの代わりに、カロテグラストメチル(カログラ®錠)〈注2〉を投与してもよい。寛解に至った場合は、その時点で投与を終了する。投与期間は6ヵ月までと制限されている。8週間投与しても治療効果が得られない場合には、原則としてプレドニゾロンの治療を行う。

 

(4)

プレドニゾロンの減量に伴って増悪または再燃が起こり離脱も困難な場合(ステロイド依存例)は、難治例の(2)の【ステロイド依存例】の治療を行う。
 

(5)
プレドニゾロンの経口投与を行っても、1~2週間以内に明らかな効果が認められない時は、原則として入院とし重症の(1)、(2)または難治例の(1)の【ステロイド抵抗例】の治療を行う。
C. 重症

(1)

入院のうえ全身状態の改善に対する治療を行う。常に外科治療の適応に注意し、必要に応じて外科医と連携して治療に当たる。緊急手術へ移行する可能性もあるので、必要に応じて専門施設への転院も考慮に入れる。
 

(2)

薬物療法としては、当初よりプレドニゾロン1日40~80mg(成人においては1~1.5mg/kgを目安とし、最大で1日80mg程度とする。)の点滴静注を追加する(ステロイド大量静注療法)<注3>。これで明らかな効果が得られたら、プレドニゾロンを40mgまで漸次減量し、その後は1~2週間毎を目安とし30mg、20mgと病態に応じて減量し、以後は2週間毎に5mg程度ずつ減量する。原則として投与後3ヶ月をめどにプレドニゾロンから離脱するようにする。必要と思われる症例には、当初より難治例の(1)の【ステロイド抵抗例】の治療を行ってもよい。
 

(3)

前項の治療を行っても1週間程度で明らかな改善が得られない場合(ステロイド抵抗例)は、血球成分除去療法〈注4〉、カルシニューリン阻害剤であるシクロスポリン(サンディミュン®)持続静注療法〈注5(保険適用外)〉、タクロリムス(プログラフ®)経口投与〈注6〉、抗TNF-α抗体製剤であるインフリキシマブ(レミケード®)〈注7〉、アダリムマブ(ヒュミラ®)〈注8〉、ゴリムマブ(シンポニー®)〈注9〉、JAK阻害剤であるトファシチニブ(ゼルヤンツ®錠)経口投与〈注10,13〉、フィルゴチニブ(ジセレカ®錠)〈注11,13〉、ウパダシチニブ(リンヴォック®錠)〈注12,13〉、インテグリン阻害剤であるベドリズマブ(エンタイビオ®)〈注14〉、抗IL12/23 p40抗体製剤であるウステキヌマブ(ステラーラ®)点滴静注(初回のみ、2回目以降は皮下注射)〈注15〉のいずれかの治療法を行う。
なお、これらの選択肢のうち一つの治療法で効果が不十分な場合に安易に次々と別の治療法を試すことは慎重であるべきで、外科治療の考慮も重要である。

 

(4)
重症例の中でも臨床症状や炎症反応が強い場合、経口摂取が不可能な劇症に近い症例ではインフリキシマブ、タクロリムス、シクロスポリン(保険適応外)の選択が優先的に考慮される。
タクロリムス、シクロスポリン(保険適応外)で寛解導入された場合は寛解維持療法の項に示すようにチオプリン製剤であるアザチオプリン(イムラン®・アザニン®など)や6-MP(ロイケリン®)(保険適用外)による寛解維持療法に移行する。血球成分除去療法で寛解導入された場合には、それまでの臨床経過に応じて、血球成分除去療法による維持療法、アザチオプリンや6-MP(保険適用外)、5-ASA製剤による維持療法をおこなう。それ以外の生物学的製剤・JAK阻害剤で寛解導入された場合、同じ治療法による寛解維持療法が選択可能である。

 

(5)

以上の治療でも明らかな改善が得られない、または改善が期待できない時は、すみやかに手術を考慮する。
 

(6)

重症例には血栓症を発症するリスクがあり、積極的なスクリーニングを考慮する(腸管外合併症の項参照)。

D. 劇症型(急性劇症型または再燃劇症型)

劇症型は、急速に悪化し生命予後に影響する危険があるため、外科医との密接な協力のもと、緊急手術の適応を考慮しつつ、次のように取り扱う。緊急手術へ移行する可能性もあるので、必要に応じて専門施設への転院も考慮に入れる。

(1)

全身状態の管理を行いながらステロイド大量静注療法を行う〈注3〉。また過去にステロイドを複数回使用している場合やステロイド依存例が劇症型になった場合には、シクロスポリン持続静注療法*〈注5(保険適用外)〉、タクロリムス経口投与〈注6〉、インフリキシマブ〈注7〉を行う方法もある。禁食として経静脈的栄養療法を行う。大量静注療法の効果判定は、外科医等と連携の上、手術時機を失することの無いよう早期に行う。
 

(2)

以上の治療で激烈な症状のほとんどが消失した場合は、この時点から重症型のステロイド大量静注療法に準ずる。
 

(3)

ステロイド大量静注療法を行なっても症状の改善が不十分な例は、シクロスポリン持続静注療法〈注5(保険適用外)〉、タクロリムス経口投与〈注6〉、インフリキシマブ〈注7〉を試みてもよいが、症状が悪化する場合または改善が期待できない例では時機を失することなく緊急手術を行う。

重症例、特に劇症型では中毒性巨大結腸症や穿孔を起こしやすいので、腹部所見(膨隆、腸雑音、腹膜刺激症状など)に留意し、腹部単純X線撮影、腹部骨盤CTなどによる観察を行う。
E. 難治例

適正なステロイド使用にもかかわらず、効果が不十分な場合(ステロイド抵抗例)と、ステロイド投与中は安定しているがステロイドの減量に伴い再燃増悪するステロイド依存例等よりなる。難治例の治療に当たっては、これまで投与した薬物による副作用、病態や治療による患者QOLの状態などによる手術適応を考慮し、それぞれのメリット・デメリットなどを患者と相談の上で治療法を選択する。

(1)

ステロイド抵抗例
ステロイドによる適正な治療にもかかわらず、1~2週間以内に明らかな改善が得られない場合である。
血球成分除去療法〈注4〉、シクロスポリン持続静注〈注5(保険適用外)〉、タクロリムス経口投与〈注6〉、インフリキシマブ〈注7〉、アダリムマブ〈注8〉、ゴリムマブ〈注9〉、トファシチニブ〈注10,13〉、フィルゴチニブ〈注11,13〉、ウパダシチニブ〈注12,13〉、ベドリズマブ〈注14〉、ウステキヌマブ点滴静注(初回のみ、2回目以降は皮下注射)〈注15〉が選択可能である。
ステロイド抵抗例のなかに、クロストリディオイデス・ディフィシル感染やサイトメガロウイルス感染の合併による増悪例が存在する。クロストリディオイデス・ディフィシル感染に対してはバンコマイシンの経口投与またはメトロニダゾールの経口投与を検討する。サイトメガロウイルス腸炎の合併症例に対しては抗ウイルス剤の併用が有効な場合がある。

サイトメガロウイルス感染による消化管病変の内視鏡所見としては打ち抜き潰瘍が知られているが、それ以外にも潰瘍形態は円形あるいは卵円形、輪状、帯状、縦走、地図状など様々である。さらに打ち抜き潰瘍は潰瘍性大腸炎の活動期にも認められることがあり、内視鏡所見のみでサイトメガロウイルス感染の合併を診断することはできない。サイトメガロウイルス感染合併の診断には末梢血による再活性化の診断(アンチゲネミア:C7-HRP等によるウイルス感染細胞の測定)、生検病理所見による核内封入体の証明や免疫染色による粘膜組織中のウイルス抗原の同定、あるいは生検検体を用いたPCRによるウイルスの検出が行われるが、その判断基準には議論がある。(2)

ステロイド依存例
プレドニゾロンの減量に伴って増悪または再燃が起こり離脱も困難な場合である。通常、チオプリン製剤であるアザチオプリン50~100mg/日または6-MP(保険適用外)30~50mg/日を併用する。ただし至適投与量は患者個々によって異なる。これらの効果発現は比較的緩徐で、1~3ヶ月を要することがある。初めてチオプリン製剤の投与を考慮する患者に対しては、治療を開始する前にNUDT15遺伝子型を確認の上でチオプリン製剤の適応を判断する(治療指針総論を参照)。
これが有効で副作用がない時は、上記のチオプリン製剤を開始して1~2ヶ月後に経口プレドニゾロンを徐々に減量、中止する。寛解導入後は副作用に注意し適宜血液検査などを行いながら寛解維持療法としての投与を続ける。
上記で効果不十分あるいはチオプリン製剤不耐例で活動期に対しては、血球成分除去療法〈注4〉、シクロスポリン持続静注療法〈注5(保険適用外)〉、タクロリムス経口投与〈注6〉、インフリキシマブ〈注7〉、アダリムマブ〈注8〉、ゴリムマブ〈注9〉、トファシチニブ〈注10,13〉、フィルゴチニブ〈注11,13〉、ウパダシチニブ〈注12,13〉、ベドリズマブ〈注14〉、ウステキヌマブ点滴静注(初回のみ、2回目以降は皮下注射)〈注15〉も考慮する。またNUDT15遺伝子多型がCys/Cysである場合や活動性が強い場合には当初より上記治療法を考慮する(フローチャート、潰瘍性大腸炎難治例の治療を参照)。なお、トファシチニブ・ウパダシチニブを選択した場合はチオプリン製剤を併用しないこと。

(3)

なおステロイド以外の厳密な内科的治療下にありながら頻回に再燃を繰り返す、あるいは慢性持続型を呈する難治例については、過去にステロイドを使用したことがない例では、中等症のプレドニゾロンもしくは重症例のステロイド大量静注療法に準じた治療を行う。過去にステロイド使用歴がある症例ではステロイド依存例に準じた治療を行う。

(4)

これらの治療で効果が不十分、あるいはQOL(生活の質)の低下した例では手術を考慮する。

(5)

小児では成長障害がみられる例においても手術を考慮する。

F. 中毒性巨大結腸症

発熱、頻脈、低タンパク血症などを伴って、結腸、特に横行結腸の著明な拡張を起こした状態である。直ちに緊急手術を行うか、外科医の協力のもとに、短期間劇症の強力な治療を行い、所見の著明な改善が得られない場合は緊急手術を行う(外科療法の項参照)。

仰臥位腹部単純X線撮影で、横行結腸中央部の直径が6cm以上の場合は本症が考えられる。〈注1〉

サラゾピリン®錠の用量については、症状により初回毎日16錠(8g)を3週間程度は用いても差し支えない。サラゾピリン®錠は発疹のほか溶血や無顆粒球症、肝機能障害なども起こり得るので、定期的に血液検査や肝機能検査を行う。また、男性の場合には精子数の減少や運動能の低下も報告されている。

〈注2〉カロテグラストメチルを1回960mg、1日3回の食後経口投与を行う。寛解に至った場合は、その時点で投与を終了する。投与期間は6ヵ月までとする。8週間投与しても治療効果が得られない場合には、治療の変更を検討する。寛解維持には用いない。再燃時にカロテグラストメチルを再投与することもできるが、投与終了から8週間以上あける。進行性多巣性白質脳症(PML)の潜在的なリスクがあるため、投与期間を遵守し、免疫抑制剤との併用を避けるなどの注意が必要である。本剤に対する過敏症状の既往、妊婦、重度の肝障害患者は禁忌である。〈注3〉 ステロイド大量静注療法 
① 全身状態の管理 
② 水溶性プレドニゾロン40~80mg(成人では1~1.5mg/kgを目安とし、最大で1日80mg程度とする)。小児では水溶性プレドニゾロン1日1.0~2.0mg/kgを目安とし、最大で1日 60~80mg程度とする。 
③ 小児ではメチルプレドニゾロンのパルス療法が選択されることもある。
〈注4〉

アダカラム®を用いて顆粒球・単球を吸着除去する顆粒球除去療法(GMA)は、原則1クール計10回とし、劇症では計11回まで保険適用である。通常週1回行うが、症状の強い症例などでは週2回行ったほうが効果が高い。治療中に増悪する症例や無効と判断した症例は、手術や他の治療法へ変更する。
重症例に行う場合には、比較的早い時期から併用すべきであり、有効性の判定も早期(2週間程度)に行うべきである。なお、重症例に対する本治療は専門施設で行うのが望ましい。
また令和2年より保険適用となったイムノピュア®は白血球・血小板を選択的に吸着する治療法であり、中等症の難治例に対して使用可能である。

〈注5〉

シクロスポリン1日量2~4mg/kgを24時間持続静注投与で開始し、血中濃度を頻回に測定しながら、200~400ng/mL程度を目安として維持するよう投与量を調節する。
改善が見られないときや病状が増悪したり、重篤な副作用(感染症、腎不全)が出現したりする際は、手術や他の治療法へ変更する。
投与後1週間以内に明らかな改善効果を認めた場合は、最大14日間まで静注を継続する。静注中止後は、原則としてアザチオプリンあるいは6-MP(保険適用外)の経口投与を直ちに開始し寛解維持療法に移行する。
本治療は、血中濃度の厳密な管理が必要であること、重篤な感染症や腎不全の副作用がありうることから、専門施設で行うのが望ましい。

〈注6〉

タクロリムスを用いる際は当初は高トラフを目指す(10~15ng/mL)がその後は低トラフ(5~10ng/mL)にする。なお血中濃度が高トラフに到達するまでは、頻回に採血を行い、高トラフに到達したあともトラフ濃度が不安定にならないように、定期的に採血を施行する。寛解導入後は、アザチオプリンや6-MP(保険適用外)による寛解維持治療に移行する。また腎障害・手指振戦などの副作用に注意する。3ヶ月を越える長期投与では、腎機能障害の危険が増加し、時に不可逆性となる場合もあるため慎重な経過観察が必要である。なお、本治療は血中濃度が迅速に測定可能な環境の施設で行うのが望ましい。

〈注7〉

インフリキシマブは初回投与後さらに第2週、第6週に投与し、有効な場合は維持療法として以後8週間の間隔で投与が可能である。事前に感染症のチェック等を十分行い、投与時反応に対する処置が可能な状態で5mg/kgを2時間以上かけて点滴静注する。なお、投与時反応が無ければ3回目以後は、点滴速度を最大で1時間当たり5mg/kgまで短縮することができるが、副作用の発現に注意する。投与時反応とは、投与中あるいは投与終了後2時間以内に出現する症状で、アナフィラキシー様の重篤なアレルギー症状出現時は投与を中止し、全身管理を行う。インフリキシマブの副作用として、免疫抑制作用による結核菌感染の顕性化、敗血症や肺炎などの感染症、肝障害、発疹、白血球減少などが報告されている。チオプリン製剤の併用により中和抗体産生の減少および治療開始16週における治療効果の向上が期待できる。
バイオシミラー(後続品)が発売されているが、投与量や投与間隔は同じである。

〈注8〉

アダリムマブは初回160mgの皮下注射を行い、2週間後に80mgの皮下注射を行う。その後は40mgの皮下注射を2週間毎に寛解維持療法として行う。患者自身による自己注射も可能である。なお、初回投与4週間後以降は、患者の状態に応じて40mgを毎週1回又は80mgを2週間毎に1回、皮下注射することもできる。また小児に対する用法・用量は成人と異なるため、小児潰瘍性大腸炎治療指針を参照のこと。
バイオシミラー(後続品)が発売されているが、投与量や投与間隔は同じである。

〈注9〉

ゴリムマブは初回200mgの皮下注射を行い、2週間後に100mgの皮下注射を行う。その後は100mgの皮下注射を4週間毎に寛解維持療法として行う。患者自身による自己注射も可能である。

〈注10〉

トファシチニブとして1回10mgを1日2回8週間経口投与する。なお、効果不十分な場合はさらに8週間投与することができる。維持療法では、通常、成人にトファシチニブとして1回5mgを1日2回経口投与する。なお、維持療法中に効果が減弱した患者では、1回10mgの1日2回投与に増量することができる。また、過去の薬物治療において難治性の患者(抗TNF-α抗体製剤無効例等)では、1回10mgを1日2回投与することができる。なお、トファシチニブを使用する場合、抗TNF-α抗体製剤、IL-6阻害剤、T細胞選択的共刺激調節剤等の生物学的製剤や、タクロリムス、アザチオプリン、シクロスポリン等の免疫抑制剤(局所製剤を除く)との併用はしてはならない。

〈注11〉
フィルゴチニブとして、通常、成人には1回200mgを1日1回経口投与する。効果判定時期としては10週を目安とし、効果不十分な場合は他の治療法への切り替えを考慮する。維持療法では、患者の状態に応じて1回100mgを1日1回経口投与にすることができる。なおフィルゴチニブを使用する場合、抗TNF-α抗体製剤、インテグリン阻害剤、インターロイキン阻害剤等の生学的製剤や他のJAK阻害剤、タクロリムス、シクロスポリン等の免疫抑制剤(局所製剤を除く)との併用はしてはならない。
〈注12〉
ウパダシチニブは、1回45mgを1日1回8週間経口投与するが、効果不十分な場合は、さらに8週間つまり最大16週間まで1回45mgを1日1回投与できる。維持療法は1回15mgを1日1回経口投与するが、患者の状態に応じて1回30mgを1日1回投与することができる。高度の腎機能障害患者や、強いCYP3A4阻害剤と併用する場合には、導入療法は1回30mgを1日1回投与とし、維持療法は1回30mgを投与してはならない。なおウパダシチニブを使用する場合、抗TNF-α抗体製剤、インテグリン阻害剤、インターロイキン阻害剤等の生物学的製剤や他のJAK阻害剤、タクロリムス、シクロスポリン等の免疫抑制剤(局所製剤を除く)との併用はしてはならない。
〈注13〉
JAK阻害剤投与中に帯状疱疹を合併することがあるため注意が必要である。さらに心血管系事象のリスク因子を有する患者では、心筋梗塞等の心血管系事象、静脈血栓塞栓症があらわれるおそれがあることに注意する。
〈注14〉

ベドリズマブは1回300mgを点滴静注する。初回投与後2週、6週に投与し、以降8週間隔で点滴静注する。3回投与しても治療反応が得られない場合は治療法を再考する。

〈注15〉

ウステキヌマブは、初回のみ体重に応じた用量(55kg以下260mg、55~85kg以下390mg、85kg超520mg)で点滴静注により投与する。その8週後に90mgを皮下投与し、以降は12週間隔で90mgを皮下投与する。効果が減弱した場合、投与間隔を8週間に短縮できる。

各製剤の「注意事項等情報」等については、電子添文をご参照ください。

このページには国内で承認された内容以外の情報を含んでいます。
6-MP、シクロスポリン
詳細は各薬剤の電子添文をご確認ください。

サラゾピリン®錠(電子添文はこちらをご参照ください。)

【用法・用量】
通常1日4~8錠(2~4g)を4~6回に分服する。
症状により
初回毎日16錠(8g)を用いても差しつかえない。
この場合3週間を過ぎれば次第に減量し、1日3~4錠(1.5~2g)を用いる。
ステロイド療法を長期間継続した症例については、サラゾピリン4錠(2g)を併用しながら、徐々にステロイドを減量することが必要である。

サラゾピリン®坐剤(電子添文はこちらをご参照ください。)

【用法・用量】
通常、成人には1回1〜2個を1日2回、朝排便後と就寝前に、肛門内に挿入する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。

潰瘍性大腸炎・クローン病 診断基準・治療指針 令和4年度(令和5年3月31日)改訂版厚生労働科学研究費補助金 難治性疾患政策研究事業「難治性炎症性腸管障害に関する調査研究」(久松班)令和4年度分担研究報告書:10,2023

潰瘍性大腸炎の治療指針:
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疾患情報 | 潰瘍性大腸炎
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