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以下の5-ASA製剤の経口剤投与または局所治療の単独または併用を行う。直腸炎型の寛解維持では局所治療の単独あるいは併用も有用である。
経口剤:ペンタサ®顆粒/錠1日1.5~2.25g、サラゾピリン®錠1日2g〈注1〉、アサコール®錠1日2.4g、リアルダ®錠1日2.4gいずれかを投与する。維持療法としてペンタサ®顆粒/錠またはアサコール®錠を使用する場合には、アドヒアランスを改善するために1日1回投与が望ましい。
局所治療:ペンタサ®注腸1日1gまたはサラゾピリン®坐剤1日0.5~1gやペンタサ®坐剤1日1gを使用する。
ペンタサ®顆粒/錠とペンタサ®注腸1日1gの2~3日に1回の間欠投与や週末2日間の併用投与も有用である。
なお、ステロイド抵抗例や依存例などの難治例では原則としてアザチオプリンまたは6-MP(保険適用外)による寛解維持治療を行う。初めてチオプリン製剤の投与を考慮する患者に対しては、チオプリン製剤による治療を開始する前にNUDT15遺伝子型を確認の上でチオプリン製剤の適応を判断する(治療指針総論を参照)。
タクロリムスやシクロスポリン(保険適用外)で寛解導入された例はチオプリン製剤による維持療法を検討する。それ以外の生物学的製剤・JAK阻害剤で寛解導入された場合、同じ治療法による寛解維持療法が選択可能である。なお、インフリキシマブで寛解維持されている場合の休薬は再燃のリスクを上げる可能性があるので慎重に行う必要がある。
また血球成分吸着除去療法のうちアダカラム®による寛解導入療法で寛解又は有効性が確認され、既存の薬物治療が無効、効果不十分または適用できない難治例に対して、寛解維持療法として、原則としてアダカラム®を2週間に1回の頻度で48週間の治療が可能である。
ステロイドには長期の寛解維持効果が乏しいことが知られており、寛解維持の目的には使用しない。
〈注1〉
サラゾピリン®錠の用量については、症状により初回毎日16錠(8g)を3週間程度は用いても差し支えない。サラゾピリン®錠は発疹のほか溶血や無顆粒球症、肝機能障害なども起こり得るので、定期的に血液検査や肝機能検査を行う。また、男性の場合には精子数の減少や運動能の低下も報告されている。
各製剤の「注意事項等情報」等については、電子添文をご参照ください。
サラゾピリン®錠(電子添文はこちらをご参照ください。)
【用法・用量】
通常1日4~8錠(2~4g)を4~6回に分服する。
症状により
初回毎日16錠(8g)を用いても差しつかえない。
この場合3週間を過ぎれば次第に減量し、1日3~4錠(1.5~2g)を用いる。
ステロイド療法を長期間継続した症例については、サラゾピリン4錠(2g)を併用しながら、徐々にステロイドを減量することが必要である。
サラゾピリン®坐剤(電子添文はこちらをご参照ください。)
潰瘍性大腸炎・クローン病 診断基準・治療指針 令和4年度(令和5年3月31日)改訂版厚生労働科学研究費補助金 難治性疾患政策研究事業「難治性炎症性腸管障害に関する調査研究」(久松班)令和4年度分担研究報告書:10,2023
本コンテンツは、日本国内の医療・医薬関係者を対象に、日本国内で医療用医薬品を適正にご使用いただくため、日本国内の承認に基づき作成されています。日本の医療機関・医療提供施設等に所属し、医療行為に携っている方を対象としており、日本国外の医療関係者、一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
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