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安全性
本剤は、免疫抑制作用を有する薬剤であり、帯状疱疹、肺炎(ニューモシスチス肺炎等を含む)、結核、敗血症等の重篤な感染症(日和見感染症を含む)があらわれ、致命的な経過をたどることがあります。
高齢者において重篤な感染症の発現頻度の上昇が認められています。
高齢者では一般に生理機能(免疫機能等)が低下しているため、特に注意してください。
心血管系事象のリスク因子(喫煙、高血圧、糖尿病、冠動脈疾患の既往等)を1つ以上有する50 歳以上の関節リウマチ患者を対象にTNF 阻害剤群と本剤5mg 1日2回群及び本剤10mg 1日2回群の安全性の比較を目的とした海外臨床試験(A3921133 試験)において、副次評価項目であった重篤な感染症の発現は、TNF 阻害剤群と比較し、本剤投与群において用量依存的な増加が認められました。これらの重篤な感染症の中には死亡に至った症例も報告されました。
総括報告書サインオフ:2021 年6月1日
※2019 年の試験デザイン変更により5mg1日2回群に切り替えられた被験者を含む
本剤の投与に際しては、十分な観察を行い感染症の発現や増悪に注意してください。関節リウマチに対する本剤の第2相、第3相試験及び長期投与試験参加症例を対象に解析した結果、高齢者(65歳以上)、糖尿病の合併、ステロイド剤の併用(プレドニゾロン換算で7.5mg以上)及び本剤の投与量(5mg1日2回と比較して10mg1日2回)が、重篤な感染症発現のリスクとして報告されています1)。
リンパ球数減少と重篤な感染症発現には関連がみられることから、本剤投与中は定期的にリンパ球数を確認してください。リンパ球数が500/mm3未満であった場合には、本剤を投与しないでください[リンパ球減少の項参照]。
臨床試験において、好中球数が500/mm3を下回った症例は認められませんでしたが、好中球減少が認められた場合は、感染症が発現する可能性があるため、好中球数が500/mm3未満の患者には本剤を投与しないでください。本剤投与中に継続して500~1000/mm3の好中球減少が認められた患者は、好中球数が1000/mm3を超えるまで本剤の投与を中断してください。
患者に発熱、咳、呼吸困難などの症状があらわれた場合には、投与を中止し、日本リウマチ学会の「生物学的製剤、トファシチニブ投与中における発熱、咳、呼吸困難に対するフローチャート」等を参考に、適切な処置を行ってください。
また、患者にあらかじめ感染症の主な初期症状を説明し、これらの症状があらわれた場合には、速やかに主治医に相談するよう指導してください。
関節リウマチを対象とした第3相試験における重篤な感染症の発現率は 、本剤単剤投与試験と比較して5mg1日2回投与群ではDMARD併用試験で高い傾向がみられました。
曝露量あたりの重篤な感染症の発現率(関節リウマチ)
関節リウマチにおける重篤な感染症の年齢別発現率は、65歳以上の被験者で65歳未満の被験者に比べて高い発現率でした。
曝露量あたりの年齢別の重篤な感染症の発現率(/100 人・年)1)(関節リウマチ)
ゼルヤンツ適正使用ガイド(2021年10月作成)
心血管系事象のリスク因子(喫煙、高血圧、糖尿病、冠動脈疾患の既往等)を1つ以上有する50歳以上の関節リウマチ患者を対象にTNF阻害剤群と本剤5mg1日2回群及び本剤10mg1日2回群の安全性の比較を目的とした海外臨床試験(A3921133試験)において、副次評価項目であった帯状疱疹の発現は、TNF阻害剤群と比較し、本剤投与群において増加が認められました。⦆
関節リウマチを対象として国内外で実施された第3相試験(試験開始から3ヵ月時点まで)において、主治医により報告された本剤との因果関係を否定できない帯状疱疹発現率は0.7%(16/2430例)、長期投与試験*における発現率は3.5%(112/3227例)でした。
日本人関節リウマチ患者における帯状疱疹の発現率は、第3相試験4.3% (4/94例)、長期投与試験11.9%(51/4 27例)であり、全集団と比較して発現率が高い傾向が認められました。
潰瘍性大腸炎を対象として国内外で実施された第2相及び第3相試験**において、主治医により報告された本剤との因果関係を否定できない帯状疱疹の発現率は3.63%(42/1156例)で、このうち日本人潰瘍性大腸炎患者における帯状疱疹の発現率は9.23%(6/65例)であり、全集団と比較して発現率が高い傾向が認められました。
総括報告書サインオフ:2021 年6月1日
※2019 年の試験デザイン変更により5mg1日2回群に切り替えられた被験者を含む
片側の神経分布領域に一致して神経痛様疼痛、知覚異常あるいはそう痒感が数日から1週間続き、やがて浮腫性の紅斑や紅色丘疹が出現する。
本剤投与中は、問診や視診等により主な初期症状の出現に注意してください。本剤投与中に出現する帯状疱疹を早期に発見し適切な抗ウイルス薬による治療を行ってください。
また、患者にはあらかじめ帯状疱疹の主な初期症状を説明し、これらの症状が出現した場合は速やかに受診するよう繰り返し指導してください。
関節リウマチにおける帯状疱疹の発現率は、本剤単剤投与試験と比較して、DMARD併用試験で高い傾向が認められました。100人・年あたりの発現率で比較すると長期投与試験4)*において発現率の上昇は認められませんでした。
曝露量あたりの帯状疱疹の発現率(関節リウマチ)
関節リウマチにおける帯状疱疹の年齢別発現率は、第3相試験では帯状疱疹の発現率に年齢の明確な影響はみられませんでしたが、長期投与試験*では65歳以上の被験者で65歳未満の被験者に比べて高い発現率でした。
曝露量あたりの年齢別の帯状疱疹の発現率(/100人・年)(関節リウマチ)
関節リウマチにおける地域別の帯状疱疹発現率は、他の地域と比較してアジアにおいて発現率が高く、アジアの国別では、日本/韓国で高い発現率が認められました。
地域別の帯状疱疹の発現率:第1相、第2相、第3相試験及び長期投与試験*(関節リウマチ)
関節リウマチに対する第2相試験、第3相試験及び長期投与試験全体*において、556例(1705人・年)中120例(21.6%)、138件で帯状疱疹の発現が認められました。100人・年あたりの発現率は、8.01(95%信頼区間:6.64, 9.57)でした。138件のうち、19件(13.8%)は重篤(入院又は静注抗ウイルス薬投与を必要とした)と判断されました。
播種性帯状疱疹が2例(重篤及び非重篤各1例)、耳帯状疱疹が1例認められました。
帯状疱疹の年齢別の発現率を10歳ごとの年代別で比較した結果、60-69歳で高い発現率(100人・年あたりの発現率:14.5)が認められました。
ゼルヤンツ適正使用ガイド(2021年10月作成)
本剤服用中に結核があらわれ、致命的な経過をたどることがあります。本剤投与後は、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行ってください。
関節リウマチを対象として国内外で実施された第3相試験(試験開始から3ヵ月時点まで)において、主治医により報告された本剤との因果関係を否定できない結核の発現は認められませんでした。長期投与試験*における発現率は0.1%未満 (1/3227例)でした。
潰瘍性大腸炎を対象として国内外で実施された第2相及び第3相試験**において、主治医により報告された本剤との因果関係を否定できない結核の発現率は0.09%(1/1156 例)でした。
持続する咳、発熱、倦怠感等
本剤投与中は、胸部レントゲン検査等の適切な検査を定期的に行うなど結核の発現には十分に注意してください。ツベルクリン反応等の検査が陰性の患者において、投与後活動性結核が認められた例も報告されています。患者に対しては、結核を疑う症状が発現した場合には速やかに主治医に連絡するよう指導してください。なお、結核の活動性が確認された場合は本剤を投与しないでください。
関節リウマチでは、因果関係の有無に関わらず、第3相試験で6例、長期投与試験8)*で10例(うち5例は5mg1日2回投与群)に結核の発現が報告されています。長期投与試験8)*において、結核発現率の上昇は認められませんでした。
曝露量あたりの結核の発現率(関節リウマチ)
ゼルヤンツ適正使用ガイド(2021年10月作成)
本剤服用中にニューモシスチス肺炎等を含む肺炎があらわれ、致命的な経過をたどることがあります。本剤投与後は、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行ってください。
関節リウマチを対象として国内外で実施された第3相試験(試験開始から3ヵ月時点まで)又は長期投与試験*において、主治医により報告された本剤との因果関係を否定できないPCP発現率は0.1%未満(第3相1/2430例、長期1/3227例)でした。なお、第3相試験において、日本人での死亡例が1例報告されています。
潰瘍性大腸炎を対象として国内外で実施された第2相及び第3相試験**において、 主治医により報告された本剤との因果関係を否定できないPCPの発現はありませんでした。
乾性咳嗽、進行性の息切れ、発熱、自然気胸等であり、理学所見(ラ音)に乏しい。
発熱、咳、呼吸困難などの症状があらわれた場合には、投与を中止し、日本リウマチ学会の「生物学的製剤、トファシチニブ投与中における発熱、咳、呼吸困難に対するフローチャート」等を参考に、適切な処置を行ってください。
なお、急速に病状が進行するおそれがあるので、確定診断よりも治療を優先(間質性肺炎か感染症か不明の場合には、両者の可能性を考慮)してください。
関節リウマチを対象とした第3相試験全体における、100人・年あたりのPCPを含む日和見感染の発現率は、トファシチニブ5mg1日2回投与群及び10mg1日2回投与群で0.33、1.10でした。長期投与試験9)*における日和見感染の発現率はトファシチニブ5mg1日2回投与群及び10mg1日2回投与群で0.4、0.5であり、日和見感染症発現率の上昇は認められませんでした。
曝露量あたりの日和見感染(PCPを含む)の発現率(関節リウマチ)
ゼルヤンツ適正使用ガイド(2021年10月作成)
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本コンテンツは、日本国内の医療・医薬関係者を対象に、日本国内で医療用医薬品を適正にご使用いただくため、日本国内の承認に基づき作成されています。日本の医療機関・医療提供施設等に所属し、医療行為に携っている方を対象としており、日本国外の医療関係者、一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
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