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潰瘍性大腸炎※治療における
※中等症から重症の潰瘍性大腸炎の寛解導入及び維持療法(既存治療で効果不十分な場合に限る)
監修:東京医科歯科大学 副学長 渡辺 守 先生
A 重大な副作用として帯状疱疹(3.6%)等の感染症、消化管穿孔(0.1%)、リンパ球減少(0.5%)、好中球減少(0.4%)、ヘモグロビン減少(0.3%)、肝機能障害、黄疸、間質性肺炎(0.1%)、静脈血栓塞栓症(頻度不明)、心血管系事象(頻度不明)等が報告されています。
承認時までに国内外で実施された第Ⅱ相、第Ⅲ相試験及び長期投与試験*1において、本剤*2が投与された総症例1156例(日本人65例を含む)中603例(52.2%)において副作用が認められました。
主な副作用は、鼻咽頭炎77例(6.7%)、血中クレアチンホスホキナーゼ増加77例(6.7%)、頭痛71例(6.1%)、高コレステロール血症54例(4.7%)等でした。
日本人患者では65例中37例(57.0%)に副作用が認められ、主な副作用は、血中コレステロール増加11例(16.9%)、鼻咽頭炎9例(13.9%)、帯状疱疹6例(9.2%)等でした。(潰瘍性大腸炎承認時)
重大な副作用は、帯状疱疹(3.6%)等の感染症、消化管穿孔(0.1%)、リンパ球減少(0.5%)、好中球減少(0.4%)、ヘモグロビン減少(0.3%)、ALT(GPT)(1.2%)、AST(GOT)(0.9%)の上昇等を伴う肝機能障害・黄疸(0.1%未満)、間質性肺炎(0.1%)、静脈血栓塞栓症(頻度不明)、心血管系事象(頻度不明)等が報告されています。
A 関節リウマチ患者を対象とした臨床試験においては、年齢、糖尿病の合併、ステロイドの使用、ゼルヤンツの投与量が重篤な感染症のリスク因子として示されています。潰瘍性大腸炎患者を対象とした臨床試験においては、体重が重篤な感染症の重要なリスク因子として特定されています。
関節リウマチに対する本剤の第Ⅱ相、第Ⅲ相試験及び長期投与試験参加症例を対象に解析した結果、以下が重篤な感染症発現のリスクとして報告されています1)。
また、長期投与試験においてリンパ球数が500/mm3未満の患者では、重篤な感染症の発現率が高いとの結果が示されています1)。
リンパ球数減少と重篤な感染症発現には関連がみられることから、本剤投与中は定期的にリンパ球数を確認してください。リンパ球数が500/mm3未満であった場合には、本剤を投与しないでください。
潰瘍性大腸炎患者においては、投与量にかかわらず重篤な感染症の発現リスクを増加させる因子について検討するため、Overallコホート(第Ⅱ相、第Ⅲ相試験及び長期投与試験*でゼルヤンツの投与を受けたすべてのデータ)の重篤な感染症の発現率をサブグループ別に評価しました2)。
発現例数及び発現件数が少数であるため、概して、特定のサブグループで確定的な結論を導くには限界がありましたが、個別の素因となるリスク因子に関連した傾向を特定するため探索的に解析を実施しました。
重篤な感染症に関して、Cox比例ハザードモデル(ステップワイズ法)を用いて解析した結果、以下が重要なリスク因子として特定されました2)。
A 他の人種に比べて日本人を含めたアジア人においては、帯状疱疹(日和見感染と判定されなかった事象を含むすべての帯状疱疹)の発現率が高いことが報告されています。
Overallコホート(第Ⅱ相、第Ⅲ相試験及び長期投与試験*でゼルヤンツの投与を受けたすべてのデータ)のゼルヤンツ全用量群における帯状疱疹の発現率は、全体集団(4.33/100人・年)と比較して日本人集団(8.03/100人・年)で高いことが報告されています。
ゼルヤンツの投与を受けた被験者について、用量にかかわらず帯状疱疹の発現リスクを増加させる因子の有無を確認するため、Overallコホートの帯状疱疹の発現率をサブグループ別に評価した結果、発現率は以下のサブグループで高いことが報告されました。
アジア人のうち、1例を除くすべての被験者が日本人又は韓国人であったため、アジアにおける帯状疱疹の発現率の地域差を評価することはできませんでした。
リスク因子:年齢及びアジア人(Cox比例ハザードモデル)
帯状疱疹に関して、ステップワイズ法では、年齢[10歳ごと、ハザード比(95%信頼区間):1.52(1.28,1.81)、p<0.0001]及び人種[アジア人とアジア人以外、ハザード比(95%信頼区間):1.89(1.02,3.50)、p=0.0426]が重要なリスク因子として特定されました。
表 年齢・人種別の帯状疱疹の発現状況:Overallコホート(第Ⅱ相、第Ⅲ相試験及び長期投与試験*)、ゼルヤンツ全用量群
A 発現率は2.05/100人・年でした。
Maintenanceコホート(第Ⅲ相寛解維持試験)では、重篤な感染症の発現率はプラセボ群1.94/人・年、ゼルヤンツ5mg1日2回群1.35/100人・年、10㎎1日2回群0.64/100人・年でした。
Overallコホート(第Ⅱ相、第Ⅲ相試験及び長期投与試験*でゼルヤンツの投与を受けたすべてのデータ)のゼルヤンツ全用量群において、重篤な感染症は1156例中30例(うち1例はゼルヤンツの最終投与後28日を過ぎて発現したため、発現率の算出に含めず)で報告され、発現率は2.05/100人・年でした。
特定の感染症に偏る傾向は認められませんでした。
Overallコホートのゼルヤンツ全用量群における日本人集団での重篤な感染症の発現率は3.26/100人・年で、全体集団の2.05/100人・年でした。
Maintenanceコホート(第Ⅲ相寛解維持試験)、Overallコホート(第Ⅱ相、第Ⅲ相試験及び長期投与試験*)
図 Maintenanceコホート(第Ⅲ相寛解維持試験)、Overallコホート(第Ⅱ相、第Ⅲ相試験及び長期投与試験*)における重篤な感染症の発現率
A 発現率は1.22/100人・年で、主な日和見感染は帯状疱疹13例でした。
Overallコホート(第Ⅱ相、第Ⅲ相試験及び長期投与試験*でゼルヤンツの投与を受けたすべてのデータ)のゼルヤンツ全用量群において、日和見感染は1123例中17例で報告され、発現率は1.22/100人・年でした。
この発現率は、Maintenanceコホート(第Ⅲ相寛解維持試験)で認められた発現率の範囲内(1.36~2.60/100人・年)でした(図)。
主な日和見感染は帯状疱疹13例でした。日和見感染症の内訳は以下のとおりでした。
多変量解析で年齢が日和見感染の発現リスクを増加させるリスク因子として特定されました。
Overallコホートの日本人集団におけるゼルヤンツ全用量群の日和見感染は65例中1例で報告され、発現率は1.09/100人・年でした。この1例はOCTAVE Induction 1(1094試験)で報告された非重篤な播種性帯状疱疹で、転帰は回復でした。
Maintenanceコホート(第Ⅲ相寛解維持試験)、Overallコホート(第Ⅱ相、第Ⅲ相試験及び長期投与試験*)
図 Maintenanceコホート(第Ⅲ相寛解維持試験)、Overallコホート(第Ⅱ相、第Ⅲ相試験及び長期投与試験*)における
日和見感染症の発現率
A 発現率は4.33/100人・年でした。
Overallコホート(第Ⅱ相、第Ⅲ相試験及び長期投与試験*でゼルヤンツの投与を受けたすべてのデータ)のゼルヤンツ全用量群において、帯状疱疹は1156例中59例で報告され、発現率は4.33/100人・年でした。
Overallコホートにおけるゼルヤンツ全用量群の発現率(4.33/100人・年、59例)は、Maintenanceコホート(第Ⅲ相寛解維持試験)で認められた発現率の範囲内(2.05~6.64/100人・年)でした(図)。
Overallコホートの1156例のうち、OCTAVE Open(1139試験)で認められた多神経分節性帯状疱疹の1例(1.7%)が重篤で、ゼルヤンツ全用量群における重篤な帯状疱疹の発現率は0.07/100人・年でした。
Overallコホートの日本人集団では、ゼルヤンツ全用量群において、帯状疱疹が65例中7例で報告され、発現率は8.03/100人・年でした。この7例はすべて主要用量として10mg1日2回で、いずれも軽度又は中等度かつ非重篤でした。7例中6例において本剤投与開始から12ヵ月以上の時点で発現が認められました。また、7例中6例においては、本剤を継続したまま帯状疱疹が消失しました。
Maintenanceコホート(第Ⅲ相寛解維持試験)、Overallコホート(第Ⅱ相、第Ⅲ相試験及び長期投与試験*)
図 Maintenanceコホート(第Ⅲ相寛解維持試験)、Overallコホート(第Ⅱ相、第Ⅲ相試験及び長期投与試験*)における
帯状疱疹の発現率
A 発現率は0.50/100人・年でした。
本剤の投与中に悪性腫瘍が発現することがあります。
潰瘍性大腸炎を対象とした臨床プログラムでは、1123例中9例(9件)の悪性腫瘍(非黒色腫皮膚癌を除く)が報告されています。9例すべてがOCTAVE Open(1139試験)で認められ、主要用量として10mg1日2回群の被験者でした。
この9例のうち、肝血管肉腫を発現した症例は本剤投与終了後41日後に、腎細胞がんを発現した症例は本剤投与終了後38日後に報告されており、これら2例を除いた主要解析集団での発現率は100人・年あたり0.50(7/1123例、95%信頼区間0.20, 1.02)でした(図)。
Overallコホート(第Ⅱ相、第Ⅲ相試験及び長期投与試験*でゼルヤンツの投与を受けたすべてのデータ)の2016年7月8日のデータカットオフ以降、OCTAVE Openで1例に結腸ポリープが報告されましたが、病理組織審査委員会により良性腫瘍と確認されました。
Overallコホート(第Ⅱ相、第Ⅲ相試験及び長期投与試験*)
図 Overallコホート(第Ⅱ相、第Ⅲ相試験及び長期投与試験*)における悪性腫瘍の発現率
心血管系事象のリスク因子(喫煙、高血圧、糖尿病、冠動脈疾患の既往等)を1つ以上有する50歳以上の関節リウマチ患者を対象にTNF阻害剤群と本剤5mg1日2回群及び本剤10mg1日2回群の安全性の比較を目的とした海外臨床試験(A3921133試験)において主要評価項目であった悪性腫瘍(非黒色腫皮膚癌を除く)のTNF阻害剤群に対する非劣性は、検証できませんでした。
参考 海外で実施した市販後臨床試験(A3921133試験)の悪性腫瘍(非黒色腫皮膚癌を除く)の発現率とハザード比
ORAL Surveillance試験(海外第Ⅲb/Ⅳ相試験)
図 悪性腫瘍(非黒色腫皮膚癌を除く)の発現率(全期間)(海外データ)
図 悪性腫瘍(非黒色腫皮膚癌を除く)のハザード比
心血管系事象のリスク因子(喫煙、高血圧、糖尿病、冠動脈疾患の既往等)を1つ以上有する50歳以上の関節リウマチ患者を対象にTNF阻害剤群と本剤5mg1日2回群及び本剤10mg1日2回群の安全性の比較を目的とした海外臨床試験(A3921133試験)において主要評価項目であった悪性腫瘍(非黒色腫皮膚癌を除く)のTNF阻害剤群に対する非劣性は、検証できませんでした。
コックス比例ハザードモデルに基づく。
TNF阻害剤群に対するトファシチニブ併合群(5mg1日2回群+10mg1日2回群)の主要比較の結果、ハザード比の95%信頼区間上限が1.8を超えた(2.09>1.8)ため、あらかじめ設定した非劣性基準を満たさなかった。
トファシチニブ5mg1日2回群およびトファシチニブ10mg1日2回群の副次比較の結果、ハザード比の95%信頼区間上限が2.0を超えなかった(1.43<2.0)ため、あらかじめ設定した非劣性基準を満たした。
A 悪性腫瘍(非黒色腫皮膚癌を除く)が認められた9例において、特定の癌種に偏った発現は認められませんでした。
Overallコホート(第Ⅱ相、第Ⅲ相試験及び長期投与試験*でゼルヤンツの投与を受けたすべてのデータ)において、特定の癌種に偏った悪性腫瘍(非黒色腫皮膚癌を除く)の発現は認められず、内訳は以下のとおりでした。
結腸直腸癌を発現した症例は、寛解導入試験でプラセボ群であり、プラセボ投与を受けている8週時の検査にて盲腸に高度異形成が認められました。
本症例は、寛解導入試験で臨床反応が示されなかったため、引き続き長期投与試験であるOCTAVE Openに移行し、本剤10mg1日2回の投与を受けました。投与開始57日目に結腸切除が施行され、この検体より盲腸の高度異形成の部位に結腸直腸癌が認められました。
以上から投与開始前より発現していた可能性が高いですが、投与中に診断されたことから発現率に含めています。
A 本剤投与にて、AST(GOT)、ALT(GPT)及び総ビリルビンの上昇が認められています。詳細は以下のとおりでした。
国内外で実施した第Ⅱ相及び第Ⅲ相試験において、いずれかの測定時点で肝機能検査値のAST(GOT)、ALT(GPT)及び総ビリルビンが基準範囲上限以上であった被験者の割合は表のとおりでした。
Overallコホート(第Ⅱ相、第Ⅲ相試験及び長期投与試験*でゼルヤンツの投与を受けたすべてのデータ)では、肝胆道系障害(器官別大分類)に含まれる重篤な有害事象は急性胆嚢炎の1件でした。
表 いずれかの測定時点で基準範囲上限以上の肝機能検査値が認められた被験者の割合
A 第Ⅲ相試験及び長期投与試験*1でゼルヤンツの投与を受けた被験者において、血清クレアチニンの増加は以下のとおりでした。
国内外で実施した第Ⅲ相寛解導入試験において、8週時に血清クレアチニン(SCr)のわずかな増加が認められ、ベースラインからの平均変化率は、プラセボ群で+5.2%、ゼルヤンツ10mg1日2回群で+6.0%でした。
第Ⅲ相寛解導入試験を完了した被験者を対象とした寛解導入後(Post-induction phase)での52週の投与終了時におけるベースラインからの平均変化率は、プラセボ群で+6.8%、ゼルヤンツ5mg1日2回群で+9.1%、10mg1日2回群で+7.6%でした。
国内外で実施した第Ⅱ相及び第Ⅲ相試験において、腎機能に関する事象はプラセボ群1例を含め7例(0.6%)が報告されました。
ゼルヤンツ投与により、血清クレアチニン(SCr)のわずかな増加が認められましたが、現時点で重大な腎機能障害とゼルヤンツ投与との関連を支持する結果は得られていません。
ただし、腎機能障害※を有する患者への投与は副作用が強くあらわれるおそれがあります。中等度又は重度の腎機能障害を有する患者では、減量(1回投与量を減量。1回投与量を減量することができない場合は投与回数を減らす)して慎重に投与してください。
A 本剤投与により、LDLコレステロール、総コレステロール、HDLコレステロールの用量反応的な増加が認められました。一方で、LDLコレステロール/HDLコレステロール比の臨床的に関連のある変化は認められませんでした。本剤投与開始後は定期的に脂質検査値を確認してください。臨床上、必要と認められた場合には、高脂血症治療薬の投与等の適切な処置を考慮してください。
潰瘍性大腸炎におけるLDLコレステロール、HDLコレステロール及び総コレステロールへの影響を検討するため、臨床検査値コホート(Induction phase及びPost-Induction phase)でのコレステロール値の変動を検討しました。
本剤投与群においては開始後8週までの寛解導入期(Induction phase)において継続的にLDLコレステロールが増加し、寛解導入後(Post-Induction phase)においてもさらなる増加がみられました(図1)。
また、本剤投与群においては開始後4週までの寛解導入期(Induction phase)においてHDLコレステロールが増加し、その後の寛解導入期(Induction phase)、寛解導入後(Post-Induction phase)においては図2の示すとおりでした。
本剤投与群において総コレステロールはLDLコレステロールに類似した変動が認められました。開始後8週までの寛解導入期(Induction phase)及びその後の寛解導入後(Post-Induction phase)において継続的に増加がみられました。
心血管リスクを検討するため、コレステロール比を評価しました。本剤投与群における寛解導入期(Induction phase)、寛解導入後(Post-Induction phase)のLDLコレステロール/HDLコレステロール比は図3のとおりでした。
図1 LDLコレステロールのベースラインからの平均変化
図2 HDLコレステロールのベースラインからの平均変化
図3 LDLコレステロール/HDLコレステロール比のベースラインからの平均変化
A 主要な心血管系事象(MACE)の発現率は0.28/100人・年でした。
潰瘍性大腸炎の国内外で実施した第Ⅱ相及び第Ⅲ相試験で確認された主要な心血管系事象は、Maintenanceコホート(第Ⅲ相寛解維持試験)では本剤5mg1日2回及び10mg1日2回投与群において各1例ずつ認められました。その100人・年あたりの発現率は各々0.68(95%信頼区間:0.02, 3.77)、0.64(0.02, 3.54)でした。このことから主要な心血管系事象の発現率に明らかな用量反応性は認められませんでした。
Overallコホート(第Ⅱ相、第Ⅲ相試験及び長期投与試験*でゼルヤンツの投与を受けたすべてのデータ)では1123例中4例(4件)に認められ、その100人・年あたりの発現率は0.28(0.08, 0.73)であり(表)、Maintenanceコホートで報告された発現率の範囲内(0.64~0.68/100 人・年)でした。
Overallコホートの4例中3例に心血管系のリスク因子となる病歴がありました。
Overallコホート(第Ⅱ相、第Ⅲ相試験及び長期投与試験*)
表 判定された主要な心血管系事象(MACE)の発現割合と発現率:Overallコホート(第Ⅱ相、第Ⅲ相試験及び長期投与試験*)
心血管系事象のリスク因子(喫煙、高血圧、糖尿病、冠動脈疾患の既往等)を1つ以上有する50歳以上の関節リウマチ患者を対象にTNF阻害剤群と本剤5mg1日2回群及び本剤10mg1日2回群の安全性の比較を目的とした海外臨床試験(A3921133試験)において、主要評価項目であった主要な心血管系事象(MACE)のTNF阻害剤群に対する非劣性は、検証できませんでした。
参考 海外で実施した市販後臨床試験(A3921133試験)のMACEの発現率とハザード比(因果関係を問わない有害事象)
ORAL Surveillance試験(海外第Ⅲb/Ⅳ相試験)
図 MACE*の発現率(投与終了後60日まで)(海外データ)
図 MACEのハザード比
A ゼルヤンツの潰瘍性大腸炎患者を対象とした臨床試験(最長投与期間3.9年*)において、有害事象、重篤な有害事象、重篤な感染症、日和見感染症、帯状疱疹の発現率は以下のとおりでした。全例市販後調査にて、さらに長期の安全性を確認してまいります。
Maintenanceコホート(第Ⅲ相寛解維持試験)のゼルヤンツ群の合計394例において、有害事象は299例(75.9%)、重篤な有害事象は21例(5.3%)で報告されました。重篤な感染症は3例で報告され、100人・年あたりの発現率は0.98(95%信頼区間:0.20, 2.87)、日和見感染症は6例で報告され、100人・年あたりの発現率は1.99(0.73, 4.34)、帯状疱疹は13例で報告され、100人・年あたりの発現率は4.38(2.33, 7.50)でした。悪性腫瘍(非黒色腫皮膚癌を除く)は認められませんでした。
Overallコホート(第Ⅱ相、第Ⅲ相試験及び長期投与試験*でゼルヤンツの投与を受けたすべてのデータ)のゼルヤンツ全用量群1156例において、有害事象は939例(81.2%)、重篤な有害事象は149例(12.9%)で報告されました。重篤な感染症は1156例中29例で報告され、100人・年あたりの発現率は2.05(95%信頼区間:1.38, 2.95)、日和見感染症は1123例中17例で報告され、100人・年あたりの発現率は1.22(0.71, 1.95)、帯状疱疹は1156例中59例で報告され、100人・年あたりの発現率は4.33(3.29, 5.58)、悪性腫瘍(非黒色腫皮膚癌を除く)は1123例中7例で報告され、100人・年あたりの発現率は0.50(0.20, 1.02)でした。
なお、潰瘍性大腸炎患者を対象とした臨床試験では悪性腫瘍(非黒色腫皮膚癌を除く)の発現例数が少なく、経時的な悪性腫瘍(非黒色腫皮膚癌を除く)の発現率の解析は行われませんでした。
主な目的:
50歳以上で少なくとも1つ以上のCVリスク因子がある関節リウマチ患者を対象に、ゼルヤンツの2つの用量(5mg1日2回と10mg1日2回)とTNF阻害剤の安全性を比較する。
対象:
試験薬の投与を受けた被験者4,362例
2つの主要評価項目 :
主要なCV有害事象(MACE)の判定§および悪性腫瘍(非黒色腫皮膚癌[NMSC]を除く)の判定に関するTNF阻害剤に対するトファシチニブの非劣性。
統計解析計画:
トファシチニブ併合群のハザード比95%信頼区間(CI)上限がTNF阻害剤群と比較して非劣性基準を満たすかどうか明らかにする(MACE[On Treatment Time解析]および悪性腫瘍[Total Time解析]のいずれにおいても95% CI上限が1.8未満であることが検証されれば非劣性)。
治験実施計画書の修正:
2019年2月に、トファシチニブ10mg1日2回で治療した被験者において肺塞栓症の発現率および全死亡率の上昇をDSMBで確認した。その結果、治験実施計画書は修正され、トファシチニブ10mgを1日2回投与した被験者のうち試験薬投与の継続を選択した被験者は、トファシチニブ5mg1日2回投与に切り替えられた。
本コンテンツは、日本国内の医療・医薬関係者を対象に、日本国内で医療用医薬品を適正にご使用いただくため、日本国内の承認に基づき作成されています。日本の医療機関・医療提供施設等に所属し、医療行為に携っている方を対象としており、日本国外の医療関係者、一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
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