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DMARD効果不十分例に対するDMARD併用の有効性および安全性を検討したゼルヤンツの第Ⅲ相試験ORAL Sync試験の結果をコンパクトにご紹介します。
監修:医療法人社団慈誠会 上板橋病院 院長 細野 治先生
本コンテンツでは、DMARD効果不十分例に対するDMARD併用の有効性と安全性を検討したゼルヤンツの海外第Ⅲ相試験ORAL Sync試験の結果が、主要評価項目等を中心にコンパクトに示されています。
様々な背景を持つ患者さんの状態やニーズを考慮しながら、MTXが投与できない背景を持った患者さんの治療選択肢を日々検討されている先生にとって、本試験のデータは参考になるかと存じます。
ORAL Sync試験は、既存のDMARDで効果不十分の活動性RA患者792例を対象とした海外における多施設共同試験です。
ORAL Sync試験における患者背景はこのようになっています。
主要評価項目である投与6ヵ月時のACR20改善率は、プラセボ群30.8%に対し、ゼルヤンツ5mg1日2回群では52.1%と有意な差を示しました( p<0.001 、二項正規近似)。
【補足】
ゼルヤンツ10mg1日2回群の結果は、承認外用量であるため図示していません。
主要評価項目である投与3ヵ月時のHAQ-DIスコアのベースラインからの平均変化量は、プラセボ群-0.16に対し、ゼルヤンツ5mg1日2回群では-0.44と有意な差を示しました(p<0.001、反復測定混合効果モデル)。
【補足】
ゼルヤンツ10mg1日2回群の結果は、承認外用量であるため図示していません。
主要評価項目である投与6ヵ月時のDAS28-4(ESR)<2.6達成率は、プラセボ群2.6%に対し、ゼルヤンツ5mg1日2回群では8.5%と有意な差を示しました(p=0.005、二項正規近似) 。
【補足】
ゼルヤンツ10mg1日2回群の結果は、承認外用量であるため図示していません。
試験開始から12ヵ月時までに発現頻度の高い有害事象は、上気道感染症(ゼルヤンツ5mg1日2回群で12.3/100 人・年、ゼルヤンツ10mg1日2 回群で14.6/100 人・年、プラセボ群で12.6/100 人・年)、鼻咽頭炎(ゼルヤンツ5mg1日2 回群で7.1/100 人・年、ゼルヤンツ10mg1日2 回群で5.6/100 人・年、プラセボ群で21.6/100 人・年)でした。重篤な有害事象は、ゼルヤンツ5mg1日2 回群は6.9/100 人・年、ゼルヤンツ10mg1日2回群では7.3/100 人・年、プラセボ群では10.9/100 人・年でした。
投与開始から3ヵ月時に報告された重篤な有害事象は、ゼルヤンツ5mg1日2回群で2例(0.6%)(気管支炎、播種性の帯状疱疹)、ゼルヤンツ10mg1日2回群で4例(1.3%)(肺炎2例、糖尿病性足感染症、気管支炎)等でした。
併用するDMARDの種類に特定の傾向は認められませんでした。試験開始から12ヵ月時の有害事象による中止は、ゼルヤンツ5mg1日2回群は6.2/100人・年、ゼルヤンツ10mg1日2回群では9.7/100人・年、プラセボ群では5.4/100人・年でした。
本試験において4例の死亡が報告されました。
※引用文献には有害事象による中止の事象名の記載はありませんでした。
【補足】
表下の安全性の記載は因果関係を否定できない有害事象です。
本コンテンツは、日本国内の医療・医薬関係者を対象に、日本国内で医療用医薬品を適正にご使用いただくため、日本国内の承認に基づき作成されています。日本の医療機関・医療提供施設等に所属し、医療行為に携っている方を対象としており、日本国外の医療関係者、一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
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