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「警告・禁忌を含む注意事項等情報」等については、製品情報(電子添文等)をご参照ください。
TNF阻害剤効果不十分例に対するゼルヤンツとMTXの併用投与を検討した第Ⅲ相試験ORAL Step試験の結果をコンパクトにご紹介します。
監修:松原リウマチ科整形外科 松原 三郎 先生
本コンテンツでは、TNF阻害剤効果不十分例に対するゼルヤンツの有効性および安全性を検討した海外第Ⅲ相試験ORAL Step試験の結果が、主要評価項目等を中心に示されています。
TNF阻害剤が効果不十分であったリウマチ患者さんに、ゼルヤンツは関節炎症状のみならず、QOL改善も期待できる結果となっています。
様々な背景を持つ患者さんの状態やニーズを考慮しながら治療選択肢を日々検討されている先生にとって、注射製剤以外の関節リウマチ治療の選択肢を示す本試験のデータは参考になるかと存じます。
第Ⅲ相試験(TNFi-IR、MTX併用/海外データ)
多施設共同、実薬・プラセボ対照、無作為化、二重盲検並行群間比較試験
対象
1種類以上のTNF阻害剤で効果不十分の活動性RA患者399例
⽅法
MTXによる基礎療法を受けており、TNF阻害剤の効果不十分な活動性RA患者399例をゼルヤンツ5mg1日2回、ゼルヤンツ10mg1日2回、プラセボ→ゼルヤンツ5mg1日2回、プラセボ→ゼルヤンツ10mg1日2回の4群に2:2:1:1の割合で無作為に割り付け、MTX 併用下で6ヵ月間投与した。3ヵ月時にプラセボ群のすべての患者をゼルヤンツ5mg1日2回または10mg1日2回に切り替えた。
主要評価項⽬
3ヵ月時のACR20改善率、3ヵ月時のHAQ-DIスコアのベースラインからの変化量、3ヵ月時DAS28-4(ESR)<2.6達成率
副次評価項目(2週、1、3、4.5および6ヵ月時点)
ACR20(3ヵ月時を除く)、50、70改善率、PtGA VAS、HAQ-DI、痛みの臨床的に意義のある改善が認められた割合、ACRコアセット7項目(圧痛/疼痛関節数、腫脹関節数、被験者による関節炎の疼痛評価(Pain VAS)、被験者による関節炎の全般評価、医師による関節炎の全般評価、C反応性蛋白(CRP)、HAQ-DI)の実測値およびベースラインからの変化量など
解析計画
プラセボ投与が行われた2つの割り付け群(プラセボ→ゼルヤンツ5mg1日2回群、プラセボ→ゼルヤンツ10mg1日2回群)を併合してプラセボ群としゼルヤンツ5mg1日2回群および10mg1日2回群との有効性の比較を実施した。
Burmester, G. R. et al.:Lancet 381(9865):451, 2013[L20130212001]
社内資料:外国第III相試験(TNF阻害薬効果不十分例におけるMTX併用、1032試験)ORAL Step[L20120705079](承認時評価資料)
本試験は、ファイザー株式会社のスポンサーシップのもと実施されました。
Burmester, G. R. et al.:Lancet 381(9865):451, 2013[L20130212001]
社内資料:外国第III相試験(TNF阻害薬効果不十分例におけるMTX併用、1032試験)ORAL Step[L20120705079](承認時評価資料)
本試験は、ファイザー株式会社のスポンサーシップのもと実施されました。
主要評価項目である投与3ヵ月時のACR20改善率は、プラセボ(MTX単剤)群24.43%に対し、ゼルヤンツ5mg1日2回群41.67%で有意な差を示しました(p≦0.05、二項正規近似)。
また、副次評価項目である投与3ヵ月時以外のACR20改善率は、投与0.5、1ヵ月時において、プラセボ(MTX単剤)群に対し、ゼルヤンツ5mg1日2回群で有意な差を示しました(p≦0.05、二項正規近似、各時点の数値は引用文献に記載はありませんでした)。
本試験の安全性に関する情報は「ORAL Step試験 安全性」参照
ゼルヤンツ10mg1日2回+MTX群の結果は、承認外用量であるため図示していない。
Burmester, G. R. et al.:Lancet 381(9865):451, 2013[L20130212001]
社内資料:外国第III相試験(TNF阻害薬効果不十分例におけるMTX併用、1032試験)ORAL Step[L20120705079](承認時評価資料)
本試験は、ファイザー株式会社のスポンサーシップのもと実施されました。
主要評価項目である投与3ヵ月時のDAS28-4(ESR)<2.6達成率は、プラセボ(MTX単剤)群1.7%に対し、ゼルヤンツ5mg1日2回群6.7%で有意な差を示しました(p=0.0496、二項正規近似)。
本試験の安全性に関する情報は「ORAL Step試験 安全性」参照
ゼルヤンツ10mg1日2回+MTX群の結果は、承認外用量であるため図示していない。
Burmester, G. R. et al.:Lancet 381(9865):451, 2013[L20130212001]より改変
社内資料:外国第III相試験(TNF阻害薬効果不十分例におけるMTX併用、1032試験)ORAL Step[L20120705079](承認時評価資料)
本試験は、ファイザー株式会社のスポンサーシップのもと実施されました。
主要評価項目である投与3ヵ月時のHAQ-DIスコアのベースラインからの変化量は、プラセボ(MTX単剤)群-0.18に対し、ゼルヤンツ5mg1日2回群-0.43で有意な差を示しました(p<0.0001、反復測定混合効果モデル)。
本試験の安全性に関する情報は「ORAL Step試験 安全性」参照
ゼルヤンツ10mg1日2回+MTX群の結果は、承認外用量であるため図示していない。
Burmester, G. R. et al.:Lancet 381(9865):451, 2013[L20130212001]より作図
社内資料:外国第III相試験(TNF阻害薬効果不十分例におけるMTX併用、1032試験)ORAL Step[L20120705079](承認時評価資料)
本試験は、ファイザー株式会社のスポンサーシップのもと実施されました。
Burmester, G. R. et al.:Lancet 381(9865):451, 2013[L20130212001]
社内資料:外国第III相試験(TNF阻害薬効果不十分例におけるMTX併用、1032試験)ORAL Step[L20120705079](承認時評価資料)
本試験は、ファイザー株式会社のスポンサーシップのもと実施されました。
安全性
投与開始から3ヵ月時までに、ゼルヤンツ5mg1日2回+MTX群で133例中34例(25.6%)、10mg1日2回+MTX群134例中44例(32.8%)、プラセボ+MTX群132例中26例(19.7%)に因果関係を否定できない有害事象が認められた。おもな有害事象は、ゼルヤンツ+MTX群全体では、下痢10例(3.7%)、頭痛7例(2.6%)、鼻咽頭炎5例(1.9%)等であり、プラセボ+MTX群では、上気道感染3例(2.3%)、下痢2例(1.5%)、鼻咽頭炎2例(1.5%)等であった。重篤な有害事象は、ゼルヤンツ10mg1日2回+MTX群で1例(潰瘍性角膜炎)、プラセボ+MTX群で1例(低ナトリウム血症)に認められ、ゼルヤンツ5mg1日2回群では報告されなかった。有害事象による中止は、ゼルヤンツ5mg1日2回+MTX群で5例(末梢性浮腫、舌浮腫、薬物過敏症、上腹部痛、背部痛・乳房うっ滞・膣分泌物各1例)、10mg1日2回+MTX群で3例(潰瘍性角膜炎、尿路感染各1例等)、プラセボ+MTX群で3例(浮動性めまい、下痢各1例等)であった。3ヵ月~6ヵ月時までに、ゼルヤンツ5mg1日2回+MTX群で133例中25例(18.8%)、10mg1日2回+MTX群134例中29例(21.6%)、プラセボ+MTX群→ゼルヤンツ5mg1日2回+MTX群で66例中12例(18.2%)、プラセボ+MTX群→ゼルヤンツ10mg1日2回+MTX群で66例中9例(13.6%)に因果関係を否定できない有害事象が認められた。おもな有害事象は、ゼルヤンツ+MTX群全体では、気管支炎6例(2.2%)、鼻咽頭炎5例(1.9%)、上気道感染4例(1.5%)等であり、プラセボ+MTX群→ゼルヤンツ+MTX群全体では、胃炎、上気道感染、血中トリグリセリド増加各2例(1.5%)等であった。重篤な有害事象は、ゼルヤンツ10mg1日2回+MTX群で3例(腎盂腎炎、嘔吐・悪心・貧血、憩室炎・急性腎不全各1例)に認められ、ゼルヤンツ5mg1日2回群+MTX群で3例(膵炎、脂肪織炎、気管支肺炎各1例)認められ、プラセボ+MTX群→ゼルヤンツ10mg1日2回+MTX群で1例(間質性肺疾患・貧血)に認められ、プラセボ+MTX群→ゼルヤンツ5mg1日2回群+MTX群で1例(誤嚥性肺炎)であった。有害事象による中止は、ゼルヤンツ5mg1日2回+MTX群で3例(膵炎、脂肪織炎、血腫感染各1例)、ゼルヤンツ10mg1日2回+MTX群で5例(血中クレアチニン増加、腎盂腎炎、筋肉痛各1例)等、プラセボ+MTX群→ゼルヤンツ+MTX群で1例(誤嚥性肺炎)であった。本試験期間中に、プラセボ→ゼルヤンツ10mg1日2回群で1例(肺塞栓症)の死亡が報告された。
国内で承認された内容以外の情報を含んでいます。
本邦で承認された用法・用量:通常、トファシチニブとして1回5mgを1日2回経口投与する。
注)併用薬のMTXは各地域の規制で定められた用法・用量によるもので、本邦での承認用法・用量とは異なる。
本邦におけるMTXの承認用量(関節リウマチ):通常、1週間単位の投与量をメトトレキサートとして6mgとし、1週間単位の投与量を1回又は2〜3回に分割して経口投与する。分割して投与する場合、初日から2日目にかけて12時間間隔で投与する。1回又は2回分割投与の場合は残りの6日間、3回分割投与の場合は残りの5日間は休薬する。これを1週間ごとに繰り返す。なお、患者の年齢、症状、忍容性及び本剤に対する反応等に応じて適宜増減するが、1週間単位の投与量として16mgを超えないようにする。
本コンテンツは、日本国内の医療・医薬関係者を対象に、日本国内で医療用医薬品を適正にご使用いただくため、日本国内の承認に基づき作成されています。日本の医療機関・医療提供施設等に所属し、医療行為に携っている方を対象としており、日本国外の医療関係者、一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
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