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MTX効果不十分例に対するMTX併用の有効性および安全性を検討したゼルヤンツの第Ⅲ相試験ORAL Scan試験の結果についてご紹介します。
監修:信州大学医学部附属病院 整形外科 准教授 中村 幸男 先生
本コンテンツでは、MTX効果不十分例に対するMTX併用の有効性および安全性を検討したゼルヤンツの第Ⅲ相国際共同試験ORAL Scan試験の結果が示されています。
本試験における全集団および日本人RA患者さんのデータは、治療選択肢を日々検討されている先生方のご参考になるかと存じます。
ORAL Scan試験は、MTXによる基礎療法を受けている活動性RA患者797例(日本人118例を含む)を対象とした第Ⅲ相国際共同試験です。
本試験では、ACR20改善率、mTSSのベースラインからの変化量、HAQ-DIのベースラインからの変化量、DAS28-4(ESR)<2.6達成率の順に解析を行うこととし、上位ステップで有意差が認められない場合に以降の解析を行わないステップダウン法を用いました。全集団の解析でmTSSのトファシチニブ5mg 1日2回+MTX群とプラセボ+MTX群との対比較において有意差が認められなかったことから、それ以降の検定には進めませんでした。
ゼルヤンツは関節の構造的損傷の防止の適応は取得しておりません。
第Ⅲ相臨床試験の解析計画は、プラセボ投与が行われた2つの割り付け群(プラセボ→ゼルヤンツ5mg1日2回群、プラセボ→ゼルヤンツ10mg1日2回群)を併合してプラセボ群とし、ゼルヤンツ5mg1日2回群および10mg1日2回群との有効性の比較を実施しました。
ACR20改善率およびDAS28-4(ESR)<2.6達成率:正規近似は1044試験、1064試験および1046試験では、すべての群において3ヵ月時にNon-responderと判定された被験者は、3ヵ月時以降は非改善または非達成としました。
HAQ-DIのベースラインからの変化量:反復測定混合効果モデルはベースライン値、来院時、投与群、来院時と投与群の交互作用、地域(米国、欧州/カナダ、中南米、アジア/その他)を固定効果、被験者を混合効果としました。
6ヵ月時のmTSSのベースラインからの変化量(1044試験のみ)※
共分散分析モデルベースライン値および地域(米国、欧州/カナダ、中南米、アジア/その他)を共変量としました。すべての群において3ヵ月時にNon-responderと判定された被験者については、6ヵ月時の評価をベースライン値および3ヵ月時の値から直線外挿法により推定しました。
※ACR20改善率、mTSSのベースラインからの変化量、HAQ-DIのベースラインからの変化量、DAS28-4(ESR)<2.6達成率の順に解析を行うこととし、上位ステップで有意差が認められない場合に以降の解析を行わないステップダウン法を用いました。全集団の解析でmTSSのトファシチニブ5mg 1日2回+MTX群とプラセボ+MTX群との対比較において有意差が認められなかったことから、それ以降の検定には進めませんでした。ゼルヤンツは関節の構造的損傷の防止の適応は取得しておりません。
ORAL Scan試験における患者背景はご覧の通りです。
主要評価項目である投与6ヵ月時のACR20改善率は、プラセボ(MTX単剤)群25.3%に対し、ゼルヤンツ5mg1日2回群51.5%と有意な差を示しました(p<0.001、二項正規近似)。
【補足】
ゼルヤンツ10mg1日2回+MTX群の結果は、承認外用量であるため図示していません。
主要評価項目である投与3ヵ月時のHAQ-DIスコアのベースラインからの平均変化量は、プラセボ(MTX単剤)群-0.15に対しゼルヤンツ5mg1日2回群-0.40でした。
副次評価項目である投与3ヵ月時以外のHAQ-DIスコアのベースラインからの平均変化量は、1ヵ月時においてプラセボ(MTX単剤)群-0.08、ゼルヤンツ5mg1日2回群-0.25、6ヵ月時においてプラセボ(MTX単剤)群-0.17、ゼルヤンツ5mg1日2回群-0.48でした。
なお、本試験はステップダウン法で解析しており、上位のステップであるmTSSにおいて有意な差が出なかったことから、それ以降の解析であるHAQ-DIスコアのベースラインからの変化量について有意性は主張できません。
【補足】
ゼルヤンツ10mg1日2回+MTX群の結果は、承認外用量であるため図示していません。
主要評価項目である投与6ヵ月時のDAS28-4(ESR)<2.6達成率は、プラセボ(MTX単剤)群1.55に対しゼルヤンツ5mg1日2回群7.17でした。
副次評価項目である投与6ヵ月時以外のDAS28-4(ESR)<2.6達成率は、1ヵ月時においてプラセボ(MTX単剤)群0.00、ゼルヤンツ5mg1日2回群1.55、3ヵ月時においてプラセボ(MTX単剤)群1.55、ゼルヤンツ5mg1日2回群5.28でした。
なお、本試験はステップダウン法で解析しており、上位のステップであるmTSSにおいて有意な差が出なかったことから、それ以降の解析であるDAS28-4(ESR)<2.6達成率について有意性は主張できません。
【補足】
ゼルヤンツ10mg1日2回+MTX群の結果は、承認外用量であるため図示していません。
副次評価項目であるPain VAS(ACRコアセット)のベースラインからの変化量は、投与6ヵ月時においてプラセボ(MTX単剤)群-15.7に対しゼルヤンツ5mg1日2回群-26.4と有意な差を示しました(p<0.01、反復測定混合効果モデル)
また、副次評価項目である圧痛・疼痛関節数のベースラインからの変化数は、投与6ヵ月時においてプラセボ(MTX単剤)群-10.25に対しゼルヤンツ5mg1日2回群-13.31と有意な差を示しました(p<0.05、反復測定混合効果モデル)。
【補足】
ゼルヤンツ10mg1日2回+MTX群の結果は、承認外用量であるため図示していません。
主要評価項目のサブグループ解析である日本人RA患者の投与6ヵ月時のACR20改善率は、プラセボ(MTX単剤)群20.8%に対し、ゼルヤンツ5mg1日2回群59.6%と有意な差を示しました(p<0.0004、二項正規近似)。
副次評価項目のサブグループ解析である日本人RA患者のACR50改善率は、投与6ヵ月時においてプラセボ(MTX単剤)群8.3%に対し、ゼルヤンツ5mg1日2回群46.8%と有意な差を示しました(p<0.0001、二項正規近似)。
副次評価項目のサブグループ解析である日本人RA患者のACR70改善率は、投与6ヵ月時においてプラセボ(MTX単剤)群0%に対し、ゼルヤンツ5mg1日2回群23.4%と有意な差を示しました(p=0.0001、二項正規近似)。
【補足】
ゼルヤンツ10mg1日2回+MTX群の結果は、承認外用量であるため図示していません。
主要評価項目のサブグループ解析である日本人RA患者における投与3ヵ月時のHAQ-DIスコアのベースラインからの平均変化量は、プラセボ(MTX単剤)群-0.06に対しゼルヤンツ5mg1日2回群-0.52でした。
副次評価項目のサブグループ解析である日本人RA患者における投与3ヵ月時以外のHAQ-DIスコアのベースラインからの平均変化量は、1ヵ月時においてプラセボ(MTX単剤)群-0.09、ゼルヤンツ5mg1日2回群-0.26、6ヵ月時においてプラセボ(MTX単剤)群-0.02(n=8と10未満であるため図示はせず)、ゼルヤンツ5mg1日2回群-0.61でした。
なお、本試験はステップダウン法で解析しており、上位のステップであるmTSSにおいて有意な差が出なかったことから、それ以降の解析であるHAQ-DIスコアのベースラインからの変化量について有意性は主張できません。
【補足】
ゼルヤンツ10mg1日2回+MTX群の結果は、承認外用量であるため図示していません。
主要評価項目のサブグループ解析である日本人RA患者における投与6ヵ月時のDAS28-4(ESR)<2.6達成率は、プラセボ(MTX単剤)群6.25に対しゼルヤンツ5mg1日2回群14.71でした。
副次評価項目のサブグループ解析である日本人RA患者における6ヵ月時以外のDAS28-4(ESR)<2.6達成率は、1ヵ月時においてプラセボ(MTX単剤)群0.00、ゼルヤンツ5mg1日2回群0.00、3ヵ月時においてプラセボ(MTX単剤)群6.25、ゼルヤンツ5mg1日2回群17.65でした。
なお、本試験はステップダウン法で解析しており、上位のステップであるmTSSにおいて有意な差が出なかったことから、それ以降の解析であるDAS28-4(ESR)<2.6達成率について有意性は主張できません。
【補足】
ゼルヤンツ10mg1日2回+MTX群の結果は、承認外用量であるため図示していません。
因果関係を問わないおもな有害事象は、投与開始から3ヵ月のおもな有害事象は、ゼルヤンツ5mg1日2回群では、頭痛18例(5.6%)、鼻咽頭炎14例(4.4%)、高血圧11例(3.4%)、ゼルヤンツ10mg1日2回群では、鼻咽頭炎13例(4.1%)、咳9例(2.8%)、下痢8例(2.5%)であり、プラセボ群では、上気道感染5例(3.1%)、関節痛5例(3.1%)、尿路感染4例(2.8%)でした。
重篤な有害事象は、ゼルヤンツ5mg1日2回群で12例(3.7%)、ゼルヤンツ10mg 1日2回群で10例(3.2%)、プラセボ群で5例(3.1%)でした。有害事象による中止は、ゼルヤンツ5mg1日2回群で15例(4.7%)、ゼルヤンツ10mg1日2回群で14例(4.4%)、プラセボ群で5例(3.1%)でした。本試験において6例の死亡例が報告されました。
※重篤な有害事象、有害事象による中止の事象名の記載はありませんでした。
【補足】
表下の安全性の記載は因果関係を否定できない有害事象です。
本コンテンツは、日本国内の医療・医薬関係者を対象に、日本国内で医療用医薬品を適正にご使用いただくため、日本国内の承認に基づき作成されています。日本の医療機関・医療提供施設等に所属し、医療行為に携っている方を対象としており、日本国外の医療関係者、一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
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