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日本有数のRAコホート「NinJa」を用いた調査結果および日本人患者を対象とした長期投与試験1041試験の結果をご紹介します。
監修:大阪南医療センター 臨床研究部長 ・免疫疾患センター部長 大島 至郎 先生
日本有数のRAコホートであるNinJaのリアルワールドデータから、近年のRA治療の進歩に伴って治療のアウトカムが改善してきていることが見えてきました。一方で患者さんの高齢化と、一部のコントロール不良のRA患者さんの課題も未だに残されています。
日本人患者さんを対象として最長5.5年間に亘るゼルヤンツの安全性および有効性を検討した長期投与試験(1041試験)の結果が示されています。日本におけるこの長期データは、先生方の明日からの日常診療の参考になるものと思います。
まずは、実臨床における関節リウマチ(RA)治療の現状の参考としてこちらをご覧ください。
NinJa(National Database of Rheumatic Diseases in Japan)は、2002年度から実施した厚生労働科学研究「日本における関節リウマチ患者の現状と問題点を全国的に継続的に明らかにするための共同臨床研究」(主任研究者:當間重人 先生)で構築した全国規模のRAデータベースです。
このRAデータベース「NinJa」を用いたRA患者の診療実態および問題点を明らかにする研究の対象は、2002年度~2018年度に登録された49施設のRA患者15440例(女性12330例、男性3110例)です。
登録時の患者プロフィール、性別、RA発症年月、当該施設における初診日、RA関連の整形外科的手術歴、および任意評価データとして、ACRコアセットに準じた項目(圧痛、腫脹関節数、患者疼痛VAS、患者総合VAS 、医師VAS、mHAQ、CRP、ESR)、composite measure(DAS28、DAS28‐CRP、SDAI、CDAI)、Stein brocker分類(stage/class)、薬剤使用状況等の割合を算出しています。
こちらはNinJaの登録患者数を経年的に示したものです。
2014年度以降は毎年15000例以上、そして2018年度は15440例のデータを収集しています。
登録されたRA患者の平均年齢は、経年的にこのように推移しました。
2002年度では全体61.2歳(女性60.6歳、男性64.2歳)でしたが、2018年度では全体66.5歳(女性66.1歳、男性68.2歳)でした。
こちらは平均DAS28値の経年的な変化を示したものです。
平均DAS28-ESR値および平均DAS28-CRP値は、2002年度ではそれぞれ4.24、3.56でしたが、2018年度では2.90、2.26でした。
2018年度における年齢別のDAS28-ESRカテゴリー※別患者割合はご覧の通りです。
※ DAS28-ESRカテゴリー
remission:寛解達成、 DAS28-ESR <2.6
low:低疾患活動性、2.6≦ DAS28-ESR <3.2
moderate:中等度疾患活動性、3.2≦ DAS28-ESR ≦5.1
high:高度疾患活動性、5.1< DAS28-ESR
ゼルヤンツはMTX効果不十分例、DMARD効果不十分例、TNF阻害剤効果不十分例を対象として、MTX併用および単剤での試験が行われています。
第Ⅱ相用量反応試験の1039試験、1040試験、第Ⅲ相国際共同試験のORAL Scan(1044試験)、長期投与試験の1041試験は日本人が対象として含まれています。
日本人患者を対象としたゼルヤンツの長期投与試験1041試験を実施し、最長5.5年間*にわたりゼルヤンツの有効性と安全性を検討しました。
*投与期間中央値1185日(範囲:5~2016日)
1041試験は、国内用量反応試験2試験(MTX併用・単剤)のいずれかにおいて12週間の服用を完了または国際共同試験において2年間の服用を完了した関節リウマチ患者486例を対象とした多施設共同の長期投与試験です。
1041試験におけるベースライン時の患者背景はご覧の通りです。
ゼルヤンツの投与開始から288週時までに476例の有害事象が認められ、おもな有害事象は鼻咽頭炎293例(60.3%)、帯状疱疹94例(19.3%)、転倒71例(14.6%)等でした。重篤な有害事象は139例に認められ、帯状疱疹14例等によるものでした。有害事象による投与中止は118例に認められ、鼻咽頭炎69例、帯状疱疹53例等によるものでした。本試験において、転移性卵巣癌1例、血栓性血小板減少性紫斑病1例、転移性小細胞肺癌1例等による7例の死亡が報告されました。
主要評価項目である有害事象のうち、5%以上で報告された有害事象(288週時)をお示しします。このうち10%を上回ったものは鼻咽頭炎293例(60.3%)、帯状疱疹94例(19.3%)、転倒71例(14.6%)高脂血症56例(11.5%)、高血圧55例(11.3%)、う蝕54例(11.1%)、気管支炎51例(10.5%)、挫傷49例(10.1%)でした。
有害事象のうち、投与期間ごとの有害事象による投与中止はこのようになっています。
投与6ヵ月までの有害事象は379例(78.0%)であり、有害事象による投与中止は26例(5.3%)、重篤な有害事象による投与中止15例(3.1%)、重篤な感染症による投与中止6例(1.2%)でした。
好中球数およびリンパ球数のベースラインからの変化は、ご覧のように経時的に推移しました。
有効性評価項目であるACR20改善率およびHAQ-DIスコアの平均スコアは、それぞれご覧のように経時的に推移しました。
【補足】
ゼルヤンツ10mg1日2回群の結果は、承認外用量であるため図示していません。
ゼルヤンツは、1回5mgの錠剤を1錠、1日2回経口投与します。
ゼルヤンツは、日本人患者を対象とした1041試験において、最長5.5年間[投与期間中央値1185日(範囲:5~2016日)]にわたり安全性および有効性を検討しました。ゼルヤンツは、1回5mg1錠、1日2回投与の経口薬です(既存治療で効果不十分な関節リウマチ)。
本コンテンツは、日本国内の医療・医薬関係者を対象に、日本国内で医療用医薬品を適正にご使用いただくため、日本国内の承認に基づき作成されています。日本の医療機関・医療提供施設等に所属し、医療行為に携っている方を対象としており、日本国外の医療関係者、一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
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